一般財団法人環境イノベーション情報機構
刈羽原発5号機の制御棒動作トラブル、半導体集積回路の断線が原因
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.01.07 【情報源】原子力安全・保安院/2001.12.28 発表
原子力安全・保安院では、東京電力(株)の柏崎刈羽原子力発電所5号機が、平成13年7月8日、7月13日、9月19日の3回にわたり、制御棒手動操作系の制御基板不良により制御棒動作不能となったことについて、発生原因調査の結果を公表した。原子力安全・保安院によれば、柏崎刈羽原子力発電所5号機の3回のトラブルは、いずれも電子基板の半導体集積回路(IC)のアルミニウム配線が断線したことによるもの。なお、ICの製造元である(株)日立製作所からの聞き取り調査の結果、断線の原因は、アルミニウム配線の結晶粒径の不適切さにより、電子がアルミニウム原子に衝突して断線するエレクトロマイグレーションがおこったためと結論づけられた。
断線したICと同一の製造方法で製造されたICについては、同様のトラブルが発生しうることから、原子力安全・保安院では更に、同様のICを使用している東京電力以外の原子炉設置者5事業者に対しても、適切な保守管理計画を定めることや、計画の内容について同院に対して報告を求めることとしている。【原子力安全・保安院】