一般財団法人環境イノベーション情報機構
2008年6月の上空オゾン量、紫外線強度を公表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2008.07.23 【情報源】気象庁/2008.07.22 発表
気象庁は、札幌、つくば、那覇の国内3地点と南極・昭和基地で実施しているオゾン層と地上に到達する有害紫外線の強度の状況に関する2008年6月度の観測結果を発表した。国内3地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は、参照値(注1)と比べ、那覇は1.1%増、つくばは0.3%増、札幌は1.1%減を示した。また昭和基地は参照値より5.6%多かった。
一方、国内3地点の日積算紅斑紫外線量(注2)の月平均値は、参照値である観測開始(注3)〜2007年の月別累年平均値と比べると、札幌で多く1平米あたり.3.04キロジュール、つくば及び那覇何れも並で、それぞれの値は1平米あたり2.62キロジュール、2.65キロジュールであった。
国内全域の日最大UVインデックス(注4)の月平均値のデータでは、北海道・東北・北陸・近畿・四国・南西諸島の一部、小笠原諸島で参照値である1997〜2007年の月別累年平均値と比べ、UVインデックスの値が10%以上強い地域が見られた。また、東海・九州の一部で、参照値より10%以上小さい地域が見られた。
米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと、気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、中央アジア・中央シベリア・東シベリアの一部、北太平洋の北緯45度・西経160度付近と北アメリカの一部及び、アフリカ大陸南方の南緯50度・東経30度付近と、南太平洋の南緯20度・西経130度付近で、参照値に比べ10%以上少ない領域が見られた。【気象庁】
(注1)札幌、つくばは1971〜2000年、那覇については1974〜2000年の月別平均値。また、昭和基地についてはオゾンホールが明瞭に現れる以前の1961〜1980年の月別平均値。
(注2)紫外線が人体へ及ぼす影響の度合を示す量。紫外線が人体に及ぼす影響は波長によって異なるため、280〜400ナノメートルの波長範囲について、波長ごとに波長別紫外線強度に人体への相対的影響度を掛け、積算して求める。
(注3)日積算紅斑紫外線量の観測開始は、札幌、那覇が1991年、つくばが1990年、昭和基地が1993年。
(注4)紅斑紫外線量を日常使いやすい数値にしたもの。気象庁では上空のオゾン量データや、気象台やアメダスで観測された気象データなどを基に毎時の数値を推定している。