一般財団法人環境イノベーション情報機構
もんじゅの蒸気発生器計装設置許可申請書で書き直しを指導
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2001.12.12 【情報源】原子力安全・保安院/2001.12.11 発表
原子力安全・保安院は核燃料サイクル開発機構に対し、高速増殖原型炉もんじゅの安全総点検の一環として、蒸気発生器伝熱管での高温ラプチャ(高温下で伝熱管自体の強度が低下して内圧におされて破裂すること)発生防止のため、蒸気発生器計装設置許可申請書の記載をより明確化するよう、平成13年12月11日付けで文書での指導を行った。今回の指導は、同6月6日に核燃機構が行った、2次系ナトリウム漏えい対策に関わる原子炉設置許可申請書の追加資料として、平成10年に旧科学技術庁が実施した安全性総点検の結果への対応を報告した内容についてのもの。
この報告では、蒸気発生器の伝熱管が損傷して漏水した場合の高温ラプチャ発生可能性の評価について、(1)実際は3.6ミリの箇所がある伝熱管肉厚を4ミリと設定したほか、(2)膜沸騰(水に接する金属が急激に加熱された時に、金属と水の間に蒸気が膜のように広がり、両者を遮ることにより熱伝導率が小さくなる現象)が起こった場合の熱伝導率を考慮に入れずに安全性評価を行なっていた。原子力安全・保安院の指示により核燃機構がこれらの点を考慮に入れた再評価を行ったところ、漏水検出の方法によっては高温ラプチャが起こる可能性があることがわかった。
今回の指導では、この再評価に基づき、もんじゅに実際に装着されているカバーガス圧力計による漏水検出を行うことを申請書に明記することなどを求めた。なお、核燃機構は近くこの指導に基づいた補正申請を行う予定。【原子力安全・保安院】