一般財団法人環境イノベーション情報機構
IAEA調査団、報告書を発表 新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の影響について
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2007.08.21 【情報源】原子力安全・保安院/2007.08.20 発表
国際原子力機関(IAEA)調査団による柏崎刈羽原発に関する調査報告書が2007年8月18日付けで発表された。IAEA調査団は07年8月6日から10日にかけて来日し、新潟県中越沖地震によって柏崎刈羽原発が受けた影響を調査していた。
公表された報告書は、(1)運転中の炉は安全に自動停止し、全ての炉は地震中・地震後安全であったこと、原子炉の基本的安全機能は確保されていたこと、(2)極めて微量な放射線の漏洩があったものの、これによる個人の被ばく量は規制値に比べて大変低いと評価できること、(3)大地震であったにも関わらず、原子炉の安全に関連する構造、システム、機器は予想より非常に良い状態であり、目に見える損害はなかったこと、その理由として、さまざまな設計余裕が加えられていたことが考えられること、(4)今回の地震の影響や発電所の下に活断層がある可能性を考慮して、今後、新耐震設計審査指針に従った原子炉の再評価を実施する必要があること、(5)各機器の通常運転にあたって隠れたダメージを受けているかもしれないことを考慮すべきこと−−を指摘している。
なお原子力安全・保安院は、今後この報告書の内容を精査した上で、「中越沖地震調査・対策委員会」での議論など、今後の取り組みに活用していく方針。さらに07年9月に行われるIAEA総会での説明など、国際的な場での情報発信・共有にも努めていきたいとしている。【原子力安全・保安院】