一般財団法人環境イノベーション情報機構
東電福島第二原子力発電所2号機の自動停止は手順書の誤記が原因と判明
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2001.11.08 【情報源】原子力安全・保安院/2001.11.07 発表
平成13年11月1日に自動停止した福島第二原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)の原因と対策についての報告書が、11月7日、東京電力(株)から原子力安全・保安院に対して提出された。福島第二原子力発電所2号機は、平成13年10月18日より実施していた点検による停止を終了し、11月1日午前0時から原子炉を起動したところ、午前1時5分に、原子炉内の中性子が基準値を超過したことを示す信号が発信され自動停止していた。
東京電力の原因調査の結果、当日、運転員が制御棒を順次引き抜いて原子炉を起動していく際に、中性子束の増加傾向を正確に把握できる記録計を見ずに、指示計だけで確認していたことがわかった。中性子束の変化を十分把握しない状態での引き抜き操作の結果、中性子束が増加し、自動停止したと見られる。
なお、記録計を確認しなかったのは、制御棒引抜手順書の記載に臨界予測点の誤差が考慮されておらず、制御棒の引き抜き操作のある段階までは、中性子束の持続的な増加はないとの誤記があったためと考えられた。
このため東京電力では、臨界予測点に誤差があることを運転手順書に記載するとともに、中性子束の指示計だけでなく記録計も一緒に確認するなど、原子炉起動時の制御棒操作に関わる留意事項を運転員に再徹底することとしている。【原子力安全・保安院】