一般財団法人環境イノベーション情報機構
カーエアコンからのフロン回収 3パターンの回収方法の実施結果を公表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2001.10.17 【情報源】国土交通省/2001.10.17 発表
国土交通省は、平成13年1月から3月にかけて全国27都道府県の100の拠点で実施していた、カーエアコンのフロン回収システム実証研究について評価をまとめた。この実証研究は、自動車整備事業者の団体である自動車整備振興会が主体となって実施したもので、カーエアコンのフロン回収方法として、(1)各地域の拠点にフロン回収機1台を常備し、依頼のあった整備工場を巡回してフロンを回収する巡回回収方式、(2)個々の整備工場が拠点に自動車を持ち込んで回収を行う持ち寄り回収方式、(3)拠点から個々の整備工場に回収機を貸し出す貸与回収方式−−の3つのパターンについて実験を行っていた。
3つの回収方式を比較した結果では、回収機1台当たりの回収量は巡回回収方式が最も多く、回収対象の自動車1台当たりの回収費用も最も安価であった。ただし、巡回回収方式は、拠点に巡回のための人手や自動車の確保が必要であり、短時間での対応が必要な場合には向かないことがマイナス要素であると指摘された。
一方、持ち寄り回収方式と貸与回収方式では、拠点で人手や自動車を確保する必要はなく、貸与回収方式の場合は各整備工場で回収が実施されるため、時間がない場合でも回収需要にもれなく対応できるという利点が確認された。
ただし貸与回収方式では、回収機1台あたりの回収量が最も低く、持ち寄り回収方式も、自走できない自動車からは回収ができないことから、巡回方式に比べると回収機の稼働率が悪かった。
なお国土交通省では、来年4月のフロン回収・破壊法に施行に向け、自動車整備振興会や整備事業者が、この実証研究の結果などを参考にして、効果的なフロン回収方法を選択し、フロン回収を実施できるよう指導を行っていくとしている。【国土交通省】