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環境ニュース[国内]

敦賀原発2号機冷却器伝熱管からの漏水 高圧水洗浄後の手当てミスなどが要因に

エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.11.08 【情報源】原子力安全・保安院/2006.11.07 発表

 日本原子力発電(株)は平成18年10月5日に敦賀原発2号機が原子炉を手動停止した件についての原因と対策に関する報告書をまとめ、18年11月7日付けで原子力安全・保安院に提出した。
 敦賀2号機は、熱交換器などに冷却水を供給する系統のA冷却器伝熱管から冷却水が海水中に漏れていることが18年10月4日までに確認され、原電は原子炉手動停止の上、補修作業を行うとしていた。
 報告書は、手動停止後の調査で、4つある冷却器のうち、A・D2つの冷却器の伝熱管で日本原電の社内基準を超える減肉が確認されたことを指摘。
 このうちA冷却器については、16年の検査時に高圧水洗浄した際発生した伝熱管内表面の保護被膜(注1)の剥離が、その後の硫酸第一鉄水溶液の注入ミスにより進展したこと、D冷却器については、13年の検査時に行った高圧水洗浄の時間が長く、保護被膜剥離の程度が高かったことが、減肉の要因と分析されている。
 また対策としては、(1)A・D冷却器のうち、漏水が確認された伝熱管や、30%以上減肉した伝熱管を新品に取り替えるとともに、B・C冷却器の減肉信号が確認された伝熱管すべてを新品に取り替えること、(2)次回定期検査時に全冷却器の伝熱管を対象に渦流探傷検査を実施した上で、今後の点検頻度等を検討すること、(3)伝熱管洗浄後、通水開始後速やかに、適切な硫酸第一鉄注入を1か月間行い、保護被膜を確実に形成させること、(4)硫酸第一鉄注入系の健全性を事前に確認するとともに、(3)の硫酸第一鉄注入手順を運転手順書に明記すること−−が示されている。
 なお、報告を受けた保安院は11月7日中に、この原因と対策を妥当とする評価を公表した。

(注1)伝熱管内を流れる海水に硫酸第一鉄水溶液を定期的に注入することにより、管内表面に形成される被膜。伝熱管内面の減肉を予防する。【原子力安全・保安院】

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