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環境ニュース[国内]

女川原発2号機の水たまり 点検関係者間の連絡ミスが原因

エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.08.24 【情報源】原子力安全・保安院/2006.08.23 発表

 定期検査中の東北電力(株)女川原発2号機の原子炉建屋地下3階にあるトーラス室(注1)の床に放射性物質を含む水たまりができていることが確認された件について、東北電力は平成18年8月23日、原因究明と対策に関する報告書を原子力安全・保安院に提出した。
 水たまりは最終的に7か所で確認され、水量は合計約7リットル、放射能量は約6メガベクレルだった。
 今回の報告によると、水漏れがあった箇所は原子炉冷却材浄化系の弁の1つ(F042X弁)で、この弁を含む弁3体(F002弁、F003弁、F042X弁)が定期点検の対象となっていたため、その上流に位置する弁2体(F001弁、F024弁)が閉められ、点検エリアの水抜きが行われていた。
 その後、F003弁を点検した際に、上流にあるF001弁もしくはF024弁からの水漏れがあることが疑われたため、F001弁・F024弁とF003弁の間に位置するF002弁が閉鎖されたが、機械保修課員はバウンダリ(注2)内へ水が流入し残っていることに対して適切な不適合処理を行わず、また、F002弁の点検を行う予定であった部署にバウンダリの変更を伝えていなかった。
 このため、F002弁の点検部署は弁を開操作。F002上流に溜まっていた水が下流に流れ、同じく点検のため開放中だったF042X弁から水が漏れたと原因が説明されている。
 またこの原因に対する再発防止策としては、(1)毎朝晩実施されるグループミーティングなどの場で担当者への作業指示と作業状況の確認を徹底する、(2)各課担当者が出席して行う定期検査日例工程会議に各課管理職も出席し作業確認を行う、(3)作業者の認識不足に対する対策として、作業者向けのバウンダリ管理、不適合管理に関する教育を改めて実施するとともに、中期的対策として、技術継承を行うためのOJT計画を策定する、(4)バウンダリ管理に関する責任者を明確化するとともに、バウンダリが変更された際に関係者に迅速に周知できるよう手続きを見直す−−といった内容が
示された。
 なお、原子力安全・保安院はこの原因と対策に対し、妥当であるとの判断を示している。

(注1)原子炉格納容器の下部にある圧力抑制室を収納する部屋。圧力抑制室は事故時の非常用炉心冷却系の水源として水を貯蔵する役割もある。
(注2)系統内の原子炉冷却材を保持し、外へ放出されるのを防ぐために設置されている器壁や管壁となる箇所。点検時に系統の水抜きをする際にはその箇所を境界としている。【原子力安全・保安院】

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