一般財団法人環境イノベーション情報機構
06年7月の上空オゾン量、紫外線強度を公表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2006.08.21 【情報源】気象庁/2006.08.21 発表
気象庁は2006年8月21日、札幌、つくば、那覇−−の国内3地点と南極・昭和基地で実施している上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての06年7月の観測結果を発表した。06年7月の観測では、国内3地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は参照値である1971〜00年の月別平均値との比較で、那覇で多く、札幌、つくばで並だった。
また、3地点の日積算紅斑紫外線量(注1)の月平均値は、参照値である観測開始(注2)〜05年の月別累年平均値と比べると、札幌で多く、つくば、那覇で並だった。
国内全域の日最大UVインデックス(注3)の月平均値のデータでは、紫外線が非常に強いことを示す8〜10の領域が九州南部、小笠原諸島、南西諸島でみられたが、全国的に不順な天候が続いたことを反映して、北海道南部から九州中部にかけての広域で、参照値である1997〜05年のデータより10%以上UVインデックスの値が低くなっていたことが確認された。
米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、南緯30〜60度付近に10%以上オゾン全量が減少した地域が見られた。
(注1)紫外線が人体へ及ぼす影響の度合を示す量。紫外線が人体に及ぼす影響は波長によって異なるため、280〜400ナノメートルの波長範囲について、波長ごとに波長別紫外線強度に人体への相対的影響度を掛け、積算して求める。
(注2)日積算紅斑紫外線量の観測開始は、札幌、那覇が91年、つくばが90年、昭和基地が93年。
(注3)紅斑紫外線量を日常使いやすい数値にしたもの。気象庁では上空のオゾン量データや、気象台やアメダスで観測された気象データなどを基に毎時の数値を推定している。【気象庁】