一般財団法人環境イノベーション情報機構
05年12月の南極大陸上空オゾン量 実績値より15%以上減少示す
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2006.01.20 【情報源】気象庁/2006.01.20 発表
気象庁は2006年1月20日 、札幌、つくば、那覇−−の国内3地点(注1)と南極・昭和基地で実施している上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての05年12月の観測結果を発表した。05年12月の観測では、国内3地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は参照値である1971〜00年の月別平均値との比較で、札幌、つくばで多く、那覇で並だった。
また、3地点の日積算紅斑紫外線量(注2)の月平均値は、参照値である1991〜04年の月別累年平均値と比べ、札幌、つくばで多く、那覇で少なかった。
一方、国内全域の日最大UVインデックス(注3)の月平均値のデータでは、紫外線が中程度の強さであることを示す3〜5の領域が九州南部、南西諸島、小笠原諸島でみられた。
米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、チベット高原と南極大陸に10%以上オゾン全量が減少した地域が見られ、特に南極大陸では15%以上オゾン全量が減少した地域が出現した。
(注1)従来4地点だった観測地点が3地点となっているのは、鹿児島での観測が05年3月までで終了したため。
(注2)紫外線が人体へ及ぼす影響の度合を示す量。紫外線が人体に及ぼす影響は波長によって異なるため、280〜400ナノメートルの波長範囲について、波長ごとに波長別紫外線強度に人体への相対的影響度を掛け、積算して求める。
(注3)紅斑紫外線量を日常使いやすい数値にしたもの。気象庁では上空のオゾン量データや、気象台やアメダスで観測された気象データなどを基に毎時の数値を推定している。【気象庁】