一般財団法人環境イノベーション情報機構
05年3月の平均オゾン全量 ノルウェー沖からグリーンランド南部で実績値より20%以上減少
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2005.04.20 【情報源】気象庁/2005.04.20 発表
気象庁は2005年4月20日、札幌、つくば、鹿児島、那覇−−の国内4地点と南極・昭和基地で実施している上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての05年3月の観測結果を発表した。05年3月の観測では、国内4地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は鹿児島、那覇で多く、札幌、つくばで並だった。また那覇では3月の平均値として観測開始以来最も多い288ミリアトムセンチメートルを記録した。
また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では中央アジア、東シベリア、カナダ東部からヨーロッパ北部にかけての地域で10%以上オゾン全量が減少した地域が見られ、特にこのうちノルウェー沖からグリーンランド南部にかけては参照値より20%以上もオゾン全量が減少した地域が広範囲に広がっていた。
気象庁はこのようにオゾン全量減少地域が拡大した原因の1つとして、この冬の北半球上空の成層圏の気温が低く、オゾン破壊を促進されたことをあげている。【気象庁】