一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ、スウェーデン企業の環境コミュニケーション優良事例に関する報告書まとまる
【エコビジネス 環境報告書】 【掲載日】2005.04.19 【情報源】経済産業省/2005.04.18 発表
ドイツ、スウェーデンの企業が利害関係者(ステークホルダー)向けに実施している環境コミュニケーションの優良事例に関する、(財)対日貿易投資交流促進協会(ミプロ)の報告書が05年4月18日に公表された。この調査はミプロが経済産業省の委託により、ドイツとスウェーデンの環境優良企業調査計8社に訪問インタビューを行ったもの。
調査対象となったのは、テーグート、バスフ、アルバ、アディダス・サロモン、ミーレのドイツ企業5社(うちアディダス・サロモン、ミーレは電子メールによる調査)とコープ・スウェーデン、テトラパック、エレクトロラックスのスウェーデン企業3社。
(1)食品スーパー、テーグートでシンプルなマーク表示で環境配慮型商品をアピールした結果、オーガニック食品を購入する消費者が年間で約5%増えた、(2)コープ・スウェーデンで「環境商品」を表す表示・マーク以外に「環境配慮型商品を買おう」という呼びかけが、手書きのものを含め店内のいたる所に掲げられていた、(3)テトラパックが小学校低学年向けに配布している環境小冊子が日本企業のものと違い、自社事業の正当性を伝える明確な意図を持って作成され、学校からのルートも活用し情報提供されていた、(4)バスフが作成した環境指標が消費者の視点に立ち他社製品との比較も行っていた−−など企業からの情報提供事例が報告されたほか、(5)テトラパックが行っている消費者からの情報収集事例、(6)テーグートが行っている消費者との情報交換、(7)コープ・スウェーデンの社内環境教育制度、(8)テトラパックが作成している社員環境教育冊子など、消費者から発信される情報の収集を含め消費者とのコミュニケーションを強化するための取組みも報告されている。
またこの結果を踏まえた日本企業の環境コミュニケーションの課題としては、(一)数値データなど客観的・詳細な情報とマークや色など消費者の感性に訴える情報の双方を提供することが望ましい、(二)どの時点で、どのようなツールを使って情報提供すれば効果的か考えるべき、(三)消費者からの情報収集を強化し双方向のコミュニケーションを可能にする工夫が必要、(四)この企業の環境情報は信頼できると消費者が感じるところまで環境ブランド・イメージを構築すべき、(五)環境配慮型製品や経営の情報普及に関する行政やNPOとの協働を検討すべき−−の5点があげられている。【経済産業省】