一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス環境・食糧・農村地域省、イングランドで野焼き禁止泥炭地面積を拡大へ
【環境行政 法令/条例/条約】 【掲載日】2025.04.16 【情報源】イギリス/2025.03.31 発表
イギリス環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、泥炭地でのヒース類(ツツジ科の小灌木)の野焼き禁止区域の拡張案を発表した。2021年制定の野焼き禁止規則(イングランド対象)を改正する。
今回の拡張でイングランドの泥炭地総面積の2分の1以上が規制下に入る。
山林火災のリスク低減などの目的で野焼きを実施する場合は、厳格な手続きにより免許を取得しなければならない。
規制対象の泥炭層の厚さもこれまでの40cm以上から30cm以上に変更され、これで野焼きの可能性のある、起伏のある丘陵地の高地泥炭地の全域が保全される。
「イギリスの肺」と形容される泥炭地は、炭素貯蔵、洪水リスクの軽減、水の浄化に役立ち、希少な野生生物の生息地でもある。
野焼きは大気質を悪化させるだけでなく、ヒースの成長を促進して泥炭地を乾地化し、炭素貯蔵量を超えて排出量を増加させる。
現在、イングランドの泥炭地の80%は劣化しているという。
今後、泥炭の量、厚さ、状態などを示すイングランド泥炭地マップを公開する。改正規則案は、8週間の意見公募に付される。
【イギリス環境・食糧・農村地域省】