一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、報告書「ネットゼロ移行における石油・ガス事業の排出」を発表
【大気環境 その他(大気環境)】 【掲載日】2023.05.24 【情報源】国際機関/2023.05.03 発表
国際エネルギー機関(IEA)は報告書「ネットゼロ移行における石油・ガス事業の排出」を発表した。これによると、2022年の石油・ガスの生産・輸送・処理による排出量は51億トン。IEAの2050年ネットゼロ排出シナリオでは、これらの活動の排出強度を2030年までに半減させ、石油・ガス消費削減と併せて排出を6割減とすることを描く。
報告書は同産業の排出削減の重要な手段を、1)メタン排出対策、2)通常フレアリング(焼却処理)廃止、3)上流設備の電化、4)炭素回収・有効利用・貯蔵装置の設置、5)製油所での低排出水素の利用拡大と特定。今後10年で必要な排出削減費は約6,000億ドル(2022年の同部門の記録的な収益のほんの一部)、最も重要なのはメタン対策(経済全体の排出削減、短期的な温暖化抑制でも最も費用効率的で影響力が強い)という。
また、世界の石油生産の半分弱を占める石油・ガス会社は、排出削減計画を発表した。同産業で大幅な排出削減を実現するため、より一層野心的な目標を持つ広範な連合が必要とIEAは指摘している。
【国際エネルギー機関】