一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、EUが2030年までの交通騒音低減目標を達成できる可能性は低いと報告
【大気環境 騒音/振動】 【掲載日】2022.10.12 【情報源】EU/2022.09.23 発表
欧州環境庁(EEA)は、EUが汚染ゼロ行動計画で掲げている交通騒音低減目標を達成できる可能性は低いと報告した。域内では約1800万人が慢性的に交通騒音に悩まされているという。EUはこうした人の数を2030年までに2017年比で30%減らすことを目指している。EEAは、この目標達成の見通しを2つのシナリオを用いて分析した。この結果、現段階で地方自治体に出来る騒音低減策を高いレベルで実施する野心的なシナリオでさえ、交通騒音の被害者は2030年までに約19%しか減らせないという。もう一方の緩やかな対策を行うシナリオの場合では、交通量の増加を主因として、交通騒音の被害者は3%増加すると予測されている。EEAによると、目標を達成するには道路交通騒音への対策を強化する必要がある。騒音公害が深刻な地域だけでなく騒音レベルが国の基準を下回る地域も含めた措置が必要で、騒音規制の新設又は強化、都市計画や交通計画の改善、都市の道路交通量の大幅削減などの措置を組み合わせれば目標を達成できる可能性はあるという。【欧州環境庁】