一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、EUにおける大気質基準違反の主因は道路交通や家庭暖房と報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2022.03.03 【情報源】EU/2022.02.16 発表
欧州環境庁(EEA)は、EU加盟国の大気質浄化計画を評価したブリーフィングを公表し、二酸化窒素(NO2)と粒子状物質(PM10)の濃度がEUの大気質基準を超過した地域について、それぞれ道路交通と家庭暖房が主因だと報告した。同基準に違反した地域があった場合、加盟国は大気質浄化計画を策定し対策を講じる必要がある。2014年から2020年にかけてEEAに報告された大気質浄化計画は944件あり、この大半はNO2とPM10の濃度低減が主眼となっている。基準違反の64%は都市部の過密な交通や幹線道路に関連した窒素酸化物(NOx)の排出を主因とするもので、14%は家庭暖房に関連したPM10の排出を主因とするものであった。西欧や北欧においては道路交通が、南欧や東欧では家庭暖房が基準違反を招いているという。また、大気質浄化計画のもとで行われている対策をみると、全体の3分の2は運輸部門のNOx排出削減が主眼であり、粒子状物質の主な排出源である家庭暖房への対策の割合は12%にすぎないことも報告された。【欧州環境庁】