一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、大気中粒子状物質基準を強化へ
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2021.06.29 【情報源】アメリカ/2021.06.10 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、粒子状物質(PM)の国家環境大気質基準(NAAQS)を現行のまま据置くとした2020年12月の決定を見直し、基準を強化する意向を表明した。現行の基準は2012年以来改定されておらず、最新の科学や公衆衛生データを反映した新基準が必要であるという。PM2.5への曝露は人の健康に有害であり、心臓発作、喘息、若年死を引き起こす可能性が指摘されている。PMは建設現場、未舗装道路、煙突などから直接に排出されるものも一部にあるが、大部分は発電所、工業施設、車両などから出る二酸化硫黄、窒素酸化物といった化学物質が大気中で反応して生成される。EPAの2020年度政策評価報告書では、PMのNAAQSについて、24時間値を据置く一方、年間値は現行の1立方メートルあたり12マイクログラムより厳しい基準が適当だという科学的根拠があると結論付けている。EPAでは2022年夏の改定案提出、2023年春の最終的な規則策定をめざして、科学的公正性と国民の参画を重視し、透明性の高いレビュープロセスを実施していくという。【アメリカ環境保護庁】