一般財団法人環境イノベーション情報機構
フィンランド環境研究所、フィンランド湾の海洋環境の状態に関する包括的報告書を公表
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2016.09.16 【情報源】フィンランド/2016.09.02 発表
フィンランド環境研究所(SYKE)は、フィンランド湾の状態に関する情報をまとめた報告書を公表した。これは、フィンランド、ロシア、エストニアの100人以上の研究者の長期にわたる研究成果を基に、富栄養化、有害物質、侵略的外来種、騒音、海運、プラスチック廃棄物などの課題に関する最新情報をまとめた300ページ超の大規模な報告書である。それによると、フィンランド湾極東部の富栄養化はロシアからの栄養塩流出が減少したことなどによって緩和しているという。湾西部では、バルト海の一部のバルト海プロパー(Baltic Proper)と呼ばれる海域がフィンランド湾に及ぼす影響が高まっており、海水中のリン量は陸上からの栄養負荷よりもバルト海プロパーの影響を受けているという。また、フィンランド湾岸におけるごみの最大90%はプラスチックが占めている。報告書には、栄養負荷の削減、浚渫や海運によるリスク軽減、漁業の条件の改善、海洋利用計画の策定などに関する推奨事項が盛り込まれている。【フィンランド環境研究所】