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環境ニュース[海外]

UNEP 2050年までに 北極圏の大部分で人間活動の影響

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2001.06.25 【情報源】国連/2001.06.11 発表

 世界最後の無人の地の1つ、北極圏。その北極圏の開発が現在のペースで続けば、2050年までに北極圏の最大80%が採鉱、石油およびガスの探査、港、道路そして他の開発による影響を受けることとなる。UNEPと科学者は、北極圏の豊かな野生生物が、鳥類や、トナカイ、カリブー、ホッキョクグマ、オオカミ、ヒグマのような大型哺乳類と共に、苦難に直面することを警告した。
 この調査結果は、環境影響の真の広がりをマッピングするという新しい方法に基づくもの。フィンランドのロバニエミにで開催される北極環境協力10年を記念する会合において、11日、公表される。
 UNEP事務局長のKlaus Toepfer氏は、「この新しい千年紀の変わり目に、少なくとも15%の北極圏の土地が人為的活動およびインフラストラクチャーによって重大な影響を受けている。しかし、石油、ガスおよび鉱物資源の探査、水力発電システムのような開発、そして樹木の伐採が現在のペースで続けられれば、北極圏の半分以上が50年以内に深刻な脅威にさらされることになるだろう。」と述べた。
 「インフラストラクチャーは、第一に、産業の発展をもたらすが、副次的には、人間の移住や定住を増加させるという点で、よりコントロール不可能な発展をももたらす。これらは、今度は、森林伐採、放牧、社会的衝突、水質汚濁土壌汚染、生息環境の分裂といったリスクを増加させる。我々の結論は、現在の産業成長ペースであっても、20世紀後半に発生したことを反映して、2050年までに、北極圏の50-80%が、人間が引き起こした危機に瀕することを示している。」とTveitdal氏は述べた。
 この報告書は、インフラストラクチャーの成長率が現在より低かったとしても、重大な人為的な影響が生じるとしている。また、同報告書は、1940年から1990年の期間の50%程度のレベルで成長が起こった場合、地域の野生動物および生態系の40%が2050年までに荒らされるとしている。さらに、もし、インフラストラクチャーの成長率が同期間の200%に加速した場合、北極圏の90%が2050年までに人為的活動によって苦難に直面するとされている。【UNEP】

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