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環境ニュース[海外]

京都議定書の削減目標値達成は十分可能

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2001.06.20 【情報源】EU/2001.06.11 発表

 欧州気候変動プログラム(the European Climate Change Programme)からの新しい報告によれば、京都議定書に基づく温室効果ガス8%削減目標は、コストエフェクティブな手法で十分達成できることが明らかになった。プログラムに含まれる40以上の手法を分析した結果、コストイエフェクティブな方法による潜在的削減量は、EUが排出削減しなければならない量の2倍に達することが判明した。
 プログラムでは、CO2eq(注*)削減量1トン当たり、20ユーロ(2200円)以下の手法がコストエフェクティブであるとされ、こうした手法による削減量合計は667〜765MtCO2eq(6億6400万〜7億6500万tCO2eq)となる。これは、京都議定書によってEUが削減すべき量(336MtCO2eq)の2倍に当たる。
 短期的な視点で、各手法の可能性を分かりやすく示すため、レポートでは、それぞれの手法を、「準備の進んだ段階」、「準備中」、「さらに手を加える必要あり」という3段階に分類。
 「準備の進んだ段階」には、EU排出枠取引スキーム枠組指令、建造物エネルギー性能指令等8つの手法が含まれ、その潜在的削減量は240MtCO2eq(2億4000万tCO2eq)(削減目標量の71%)に及ぶ。
 「準備中」には、コジェネレーションに関する諸指令、エネルギー効率に関するIPPC指令の改訂等11の手法が含まれ、その潜在的削減量は140MtCO2eq(1億4000万tCO2eq)(削減目標量の41%)に及ぶ。
 「さらに手を加える必要あり」には、再生可能エネルギー源による熱生産の促進、エネルギー集約型産業との長期協定、自動車や燃料の一層の技術改善等22の手法が含まれる。もっとも「準備中」及び「さらに手を加える必要あり」のカテゴリーは必ずしも明確に分けられるものではない。
 欧州気候変動プログラムのもとで実施された準備活動により、欧州委員会は、具体的な提案を、理事会及び欧州議会に提出するのに続いて、京都議定書におけるコミットメントの実施に関する戦略的文書を今年後半にも提出する見込み。
 なお、欧州気候変動プログラムは、環境に負荷を与えず、コストエフェクティブに削減目標を達成する手法を見つけだすために欧州委員会によって設立された組織で、多くの関係者、加盟国、産業界、NGOが参加しつつ、エネルギー、運輸、産業、調査、農業、EU内排出枠取引について議論を行ってきた。

注1:温暖化効果のある6種のガスを、CO2換算した合計。

【欧州委員会環境総局】

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