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環境ニュース[海外]

EUオーストリアのエコポイントシステムによる環境保護で一定の成果

大気環境 交通問題】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU/2000.12.21 発表

 欧州委員会は、欧州環境保護庁(European Environment Agency)と協力して、エコポイントシステムの評価に関する報告書を策定し、採択した。エコポイントシステムは、オーストリアを通過する大型トラックからのNOx総量の削減を目指し、1992年1月1日から2003年12月31日までの期間、毎年一定の通行量(エコポイント)を各国に割当て、オーストリアを通過する度にこのエコポイントを支払わせるシステム。NOx総量を1991年比で60%削減すべく、エコポイント総量は毎年削減されていく。
 報告書によると、このシステムにより1991年のレベルと比較して55.7%の排出を削減した。削減に大きく貢献したのは、道路輸送業者が、オーストリアを通過する場合に、より「クリーン」な大型トラックをを用いるようなインセンティブが働いたためであるとしている。しかし、一方で、オーストリア国内で同制度の対象となっていない地域にトラックが回避する現象も指摘されており、解決は部分的であるとしている。
 特に問題となっているのは、オーストリア通行法(the Act of Acession of Austria)第9条により、基準年の交通量を8%以上超えた交通量があった場合には、一層の総量削減を求めることができる仕組みとなっている点である。この「シーリング制」について、報告書では「クリーン」な大型トラックにペナルティーを課すのは不適当、汚染を最小にするインセンティブを大型トラックに与えない、ペナルティーの適用が不均衡である、という指摘をしている。
 このため、委員会では、エコポイントシステム自体は2003年末まで維持するものの、第9条のシーリング条項については廃止することを提案した。【欧州委員会環境総局】

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