一般財団法人環境イノベーション情報機構
鯨類の混獲防止に向け EUに行動を求める
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2003.02.03 【情報源】イギリス/2003.01.23 発表
イギリスのエリオット・モーレイ漁業大臣は、鯨類を混獲による死から保護するため、EU内の漁船に監視員を同乗させるよう、近日中に欧州委員会に要望書を提出する予定であることを、1月22日の国会討論で明らかにした。また、魚は捕らえながら、鯨類は逃がす新しい魚網のテストが成功裏に終われば、EU内でこのような魚網の利用を促進すると同時に、法令の整備を求めていくことも大臣は明かした。
モーレイ大臣は、イギリスが、監視員を漁船に最初に乗せたこと、新しい魚網の導入に関する調査を実施している最初の国であることなどを挙げ、同国が欧州では先導的な役割を果たしていることを強調した。一方で、EUの他の加盟国の漁船がイギリスの沿岸部においても操業していることなどから、他の加盟国も続いて参加し、EU全体での行動が必要とされていると述べた。大臣は事態を楽観しつつも、漁業の適正化に向け、季節的な操業停止などの処置も解決策として残すこと、またNGOやメディアによる啓蒙活動を評価しつつ、今後は他のEU加盟国を説得していく重要性を説いた。
イギリス環境・食糧・地方事業省は今後も鯨類に影響を与える事項に関する調査を支援し、「鯨類の混獲対策(UK’s Cetacean Bycatch Strategy)」が数週間以内に公表される予定だという。【イギリス環境・食糧・地方事業省】