一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、欧州議会と理事会が新共通農業政策に合意と報告
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2021.07.14 【情報源】EU/2021.06.25 発表
欧州委員会は、新共通農業政策(CAP)について欧州議会と欧州理事会の合意を得たと報告した。新CAPでは、公正性の確保と環境配慮度の向上が図られた。また、農業・食料部門での農家の地位を強化し、危機時の市場介入用の準備金を新設する。EU規模の仕組みは簡素化され、実施内容の多くが加盟各国の策定する戦略計画に委ねられた。公正性については、社会・労働法令の順守を受益要件とする「社会的コンディショナリティ」が導入された。また、再分配を確実にするため、各国の所得支持費(直接支払い)総額の最低10%を小規模農家へ、3%を青年農業者へ充てることが義務付けられた。
EUの環境・気候目標に沿って持続可能な農業を実現するため、受益の要件に耕地の最低3%を生物多様性など生産外の目的に供することが必須となった。エコスキームによる追加支払いを受けるためには、この要件は7%となる。また、農村開発費の35%が環境・気候・動物福祉のために支出される。
新CAPは、今後、欧州議会の承認と理事会の採択を経て発効する。
【欧州委員会】