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環境ニュース[海外]

欧州委員会 内陸水運用船舶、鉄道などのディーゼルエンジンからの汚染削減を立法化

大気環境 交通問題】 【掲載日】2003.01.23 【情報源】EU/2003.01.14 発表

 欧州委員会は、道路走行車両以外に用いられるディーゼルエンジンからの排気を削減する規制を提案した。この提案は、こうした排気による環境及びヒトの健康への影響、特にオゾンの形成及び粒子状物質による健康影響を削減することを目的にしている。新たな規制により、内陸水路を航行する船舶や鉄道を含め、将来、すべてのディーゼルエンジンに粒子状物質除去フィルターが装着されることとなる。
 現行のEUの指令(97/68/EC)には2段階の上限値が設けられていた。上限値はエンジンの大きさによって決められ、第I段階はすでに実施され、現在は第II段階にある(第II段階は2003年12月31日に完全実施)。現行指令では、第III段階の上限値設定が予定されており、今回の提案はこれに関するもの。提案ではNOx及び粒子状物質の削減を目指しているが、これを放置すると、およそ15年後には車両以外のエンジンからの排気と車両からの排気の程度が同じになるおそれがある。
 第III段階は2つのフェーズからなる。第1フェーズ(IIIA段階)は気体状の汚染物質を対象にしている。これは対応するアメリカの基準と同等で、準備期間も短い。エンジンの大きさに応じて、上限値が2005年12月31日から2007年12月31日の間に導入される。第II段階に比べ、第IIIA段階では、NOxの排出量を30%削減しなければならない。
 第IIフェーズは粒子状物質を対象にしており、上限値が2010年12月31日から2011年12月31日の間に導入される。この上限値に適合するには、粒子状物質除去フィルターを装着し、第II段階に比べて排出量を90%削減しなければならない。
 この他、現行指令で対象にされていなかった内陸水路用の船舶のエンジンが対象に加わる。なお、技術上の見直しが2006年に行われることが規定されている。
 この分野における世界的な排出制限を達成するため、この指令はアメリカ及び日本の当局や産業界、特にアメリカのEPAとの緊密な協力のもとに策定された。EPAもこれに対応した法令を2,3か月以内に提案するものと見られる。【欧州委員会環境総局】

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