一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、カーボンファーミング推進のための仕組み作りに乗り出す
【環境行政 環境基準】 【掲載日】2021.05.19 【情報源】EU/2021.04.27 発表
欧州委員会は、農林畜産業がその特性に応じた排出削減・吸収活動を行うカーボンファーミングの普及のためのスキーム作成について、2018年から2年間実施した調査研究の成果を発表した。成果は、行政、関連する営利・非営利団体に向け、スキーム作成・実施上の課題と手順を示す「ハンドブック」としてまとめられた。普及のための農家向けインセンティブには、農家の講じた削減対策に対して支払う行為支払と実際に生じた削減・吸収量に応じて支払う結果支払がある。「ハンドブック」は、投入資金と排出削減効果の関係の透明性、農家の対策選択の自由度の大きさから、結果支払によるスキームを選択した。原資としては、削減・吸収量の炭素市場での収益又は共通農業政策(CAP)など公的資金が考えられる。欧州委員会は「ハンドブック」に基づき、2021年末までにパイロットスキーム作成を推進するためカーボンファーミングイニシアティブを開始する。また、2023年までに、カーボンファーミングで生じる炭素クレジットに関する規制枠組を策定する。【欧州委員会】