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環境ニュース[海外]

欧州議会 欧州委員会の温室効果ガス排出取引スキーム提案を支持

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2002.10.23 【情報源】EU/2002.10.11 発表

 欧州議会は、欧州委員会が提案していたEUの温室効果ガス排出取引スキームについて、第1回目の読会を行い、圧倒的多数(381対66)で支持を議決した。併せて、38ヵ所の修正が施された。
 EUの排出取引スキームは、2005年から導入される予定で、2005年〜2007年までを施行期間、2008年〜2012年までを第2段階としている。域内の大規模事業所約5,000ヵ所が対象となると見込まれており、これにより、京都議定書の目標を達成するためのコストを年間13億ユーロ(約1500億円)節約することができるという。
 今回の修正では、対象ガスの範囲をCO2だけでなく、全ての温室効果ガスに拡大すること、対象事業の範囲も化学産業、アルミニウム産業を含むよう拡大することとされた。
 また、大きな論点として、EU排出取引スキームへの各国の参加を最初から義務的なものとするかという問題があったが、欧州委員会の提案どおり、2005年から参加を義務付けることとなった。ただし、イギリス、ドイツ、フィンランドの議員の懸念に対処するため、各国は、EUのスキームから、個々の施設を除外することができるという条文が付け加えられた。これにより、イギリスで既に始まっているボランタリーベースのプログラムも存続が認められることとなろう。
 もう一つの論点は、どのように排出枠を各国に割り当てるかという問題だったが、2005年から2012年全体を通して、排出枠の15%は販売し、残りは無料で(既得権により)割り当てるという「ハイブリッド方式」が採用されることとなった。
 このほか、「シンク」及び原子力エネルギーを含む事業の実施から得たクレジットの使用を認めないということも議決された。
 欧州委員会のマーゴット・ヴァルストロム環境委員は、欧州議会の議決を歓迎。各国に施設の適用除外が認められるなど、欧州委員会としては、賛成できない修正もあるとしながらも、全体としては、京都議定書を実施するための大きな一歩になると議決を評価した。そして、デンマークの議長国期間が終了する前に、閣僚理事会の合意も得ることが必要だと述べた。閣僚理事会では、排出取引スキームをボランタリー・ベースにすべきだというドイツの提案が焦点になりそうだ。【欧州議会、欧州委員会】

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