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環境ニュース[海外]

イギリス漁業大臣 「日本の誤った食品ラベルが鯨の保全を脅かす」と主張

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2002.10.16 【情報源】イギリス/2002.10.02 発表

 イギリスのエリオット・モーレイ漁業大臣は、商業捕鯨への後戻りが絶滅に瀕した保護下の生物種を脅かすおそれがある証拠だとして、日本の食品表示ミス問題について警告を発した。今年5月の国際捕鯨委員会(IWC)で違法輸入ではないかとの疑惑が持ち上がったクジラ製品について、日本はDNA試験を行ったが、今回の警告はこの調査に対するもの。
 問題となった製品は、イギリスの環境NGO「環境調査エージェンシー(Environmental Investigation Agency : EIA)」が、今年のIWC開催中に長崎で購入したもので、ロシア及びグリーンランド産のミンククジラと表示されていた。IWCのルールでは、先住民族による捕鯨は認められているが、捕獲したものを貿易することは認められていない。9月20日の日本政府の発表では、財団法人日本鯨類研究所が行ったDNA試験により、一つは地元の漁業で捕獲されたイシイルカ、もう一つは科学調査捕鯨プログラムで捕獲されたナンキョクミンククジラであることが判明した。試験結果は「違法貿易の事実はないものの、食品表示が誤っていた」ことを示した。
 モーレイ漁業大臣は違法貿易がなかったことを歓迎しつつも、誤った表示やずさんな流通記録は、保護種の鯨への潜在的な脅威となると述べた。
 また、同大臣は、1985/86年に商業捕鯨モラトリアムが発効した経緯を振り返り、今回のIWC会議で日本などがモラトリアムに反対したのに対し、イギリス政府をはじめ、他の政府はより堅固な管理システム、「改定管理制度(Revised Management Scheme , RMS)」の必要性を訴えたことを説明した。今年11月に行われるワシントン条約の締約国会合でも、日本がある種のクジラのリスト上の位置づけを下げ、国際貿易を可能にしようとしていることについて懸念を示した。【イギリス環境・食糧・地方事業省】

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