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環境ニュース[海外]

オランダ環境評価庁、バイオ燃料のための樹木伐採はCO2排出増につながるとの分析を公表

エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.08.26 【情報源】オランダ/2013.08.13 発表

 オランダ環境評価庁(PBL)は、伐採した樹木をバイオ燃料の原料に使用すると、CO2排出量は減少に転じる前に増加するという研究結果を公表した。作物残渣や木質廃材を用いたバイオ燃料であれば、こうした欠点はないか少ないという。
 若い樹木は、伐採しなければ成長する過程で大量のCO2を固定し続ける。したがって、炭素収支のためには、バイオエネルギーに使うのは樹木の寿命の最後まで待ち、吸収された炭素が可能な限り長く樹木の中にとどまるようにすることが望ましい。また、木の伐採や間伐で森林内に残される木材残渣は、ゆっくりと分解され、生物多様性や土壌の質の向上に寄与しつつ、時間をかけて大気中にCO2を放出する。こうした残渣が、エネルギー源として燃やされると、短期的には、分解するより速く大気中のCO2濃度を押し上げることになる。バイオエネルギーはエネルギー源としては化石燃料より効率が落ちる。こうした要因により、バイオ燃料使用によるCO2削減が実際に実現するには、数年、場合によっては数十年を要するという。
 再生可能エネルギー温室効果ガス削減への政策目標が行き過ぎると、たとえば森林の樹木残渣、あるいは樹木そのものの需要増大を招く恐れがある。これは、樹木はエネルギー源としてただちに利用できないことを意味し、木質バイオマスの使用拡大は難しくなる。
 現在、欧州委員会は、固形バイオマスの持続可能性基準を準備している。PBLは、CO2削減を目指す気候政策が、逆に排出量を増加させる結果になることを防ぐためにこうした基準が不可欠だとしている。【オランダ環境評価庁】

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