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環境ニュース[海外]

野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム(ICCWC)、動植物を守る新たなツールキットを公開

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2012.08.09 【情報源】国連/2012.07.25 発表

 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約CITES)事務局、世界銀行、国際刑事警察機構(インターポール)などで構成される「野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム」(ICCWC)は、野生動植物の違法な狩猟・採取・伐採等の防止を目的とした、「野生生物・森林犯罪分析ツールキット」を公開した。これは、野生生物や森林に関する法令、法執行措置、検察・裁判能力、犯罪助長要因、国レベルでの予防措置の効果など、野生生物犯罪の予防と対策に役立つ様々な情報をまとめたもので、各国が実施するデータの収集分析、証拠収集、犯行現場の保全、容疑者の特定などに役立つという。ツールキットは、ジュネーブで開催されているワシントン条約常設委員会第62回会合(2012年7月23〜27日)に合わせ公表された。
 野生生物の違法な取引や所有・使用は、生物を絶滅の危機に追いやり、森林に回復不能なダメージを与えている。その経済・社会・環境影響は、Rio+20で各国首脳により合意された成果文書でも認めている。野生生物犯罪は組織的に行われることが多いが、麻薬などの違法取引に比べると、ほとんど調査が進んでいない。トラやゾウ、サイ、爬虫類など、世界の野生生物取引から上がる利益は、年間160億から270億ドルと推定される(木材と海洋生物種を含め)。最近刊行された世界銀行の報告書「森林のための正義」では、木材の違法取引による各国の損失は、100億ドルに上るという。
 ツールキットの公表と同時に、ICCWCは、野生生物犯罪への各国の法執行能力を強化するための資金として、世界銀行開発グラント・ファシリティ(DGF)を通じ60万ドル(2012年)を確保したと発表した。【国連環境計画

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