イギリス、気候変動のリスクと適応に関する評価報告書を公表

【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2012.02.08 【情報源】イギリス／2012.01.26 発表

　イギリス環境・食糧・農村地域省（DEFRA）は、気候変動がイギリスとその経済にもたらすリスクを詳細に分析した報告書「気候変動リスク評価」（CCRA）を公表した。CCRAは、国・地方の政府や各企業が、気候変動のリスクを理解したうえで、適応への政策や計画を立案できるよう、気候変動による様々なリスクを、経済、社会、環境面の影響の規模、起こりやすさ、緊急度に基づき、初めて比較できるようにしている。主なリスクとして、夏の高温による健康被害、水資源への圧力、洪水、干ばつと病虫害による林業への影響などを指摘。逆に、北極海航路の開通、冬季の温暖化による健康被害の減少、食糧生産の増大など、気候変動が好機となる可能性も挙げている。
　CCRAは、独立した研究機関のもとで検討・作成されたもので、今後の政策や計画は考慮していないという。DEFRAでは、これを政府の立場で補完し、現在と今後の政府政策やリスク対応計画についてまとめた政府レポートを、CCRAを併せ公表している。【イギリス環境・食糧・農村地域省】