国連環境計画、気候変動は特に女性に大きなリスクをもたらすと報告

【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2011.12.21 【情報源】国連／2011.12.06 発表

　国連環境計画は、南アフリカのダーバンで開かれている気候変動枠組条約締約国会議（COP17）で、報告書『Women at the Frontline of Climate Change: Gender Risks and Hopes』（気候変動の影響を大きく受ける女性たち−ジェンダーのリスクと希望）を発表した。それによると、気候変動による干ばつや洪水等は、特に途上国の山岳地域に暮らす女性の生計や健康に大きなリスクをもたらすだけでなく、人身売買などのリスクも増大させるという。アジアやアフリカには女性が農業等の労働力として大きな役割を担っている地域もあり、生態系サービスの管理や食料安全保障という面では女性のほうが男性よりも大きな役割を果たしていることが多い。そのため報告書では、適応策を持続可能なものにするにはジェンダーや女性の役割を重視した対策が必要だと提言する。またそのほか、潅漑システムやウォーターハーベスティング（雨水等の有効利用）など、労力節約型の技術や薪炭材に代わる燃料への投資を拡大することも、気候変動への適応を強化し、女性の暮らしの改善につながるとして提言している。【国連環境計画（UNEP）】