EU、風力エネルギーとNatura2000に関するガイドラインを公表

【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2010.11.11 【情報源】EU／2010.10.29 発表

　10月29日、欧州委員会は、風力エネルギーとNatura2000に関するガイドラインを公表した。Natura2000は、欧州連合の自然保護区ネットワークであり、生物多様性の損失を2020年までに阻止することを目標にする欧州連合の重要な取り組みの一つである。また、欧州連合は、総エネルギー需要における再生可能エネルギーの割合を、2020年までに20％にすることを目標にしており、風力エネルギーは、この目標を達成するために、重要な役割を担っている。このため、Natura2000に含まれる自然保護区における風力エネルギー利用は、全て排除されるのではなく、プロジェクト毎に評価する必要があることが指摘されてきた。
　今回、公表されたガイドラインは、Natura2000の対象地区における風力エネルギーの拡張と生物多様性の維持の対立を回避することを目指している。戦略的計画の重要性、新規のプロジェクト開発における適切な品質審査などについて解説しており、自然保護地区への損害を回避することができる風力エネルギープロジェクトについて事例も紹介している。【欧州委員会環境総局】