一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境グルネル(環境懇談会)の2009年の実施状況を公表
【環境行政 法令/条例/条約】 【掲載日】2010.02.19 【情報源】フランス/2010.02.11 発表
フランス エコロジー・エネルギー・持続可能な開発・海洋省は、2007年にとりまとめられた環境グルネル(環境懇談会)報告書を受けて、2009年の進捗状況を公表した。環境グルネルで示された約束のうち、2009年末までに、88%が実施され、2009年は非常に実り多い年となった。13分野の実施状況の概要は以下のとおり。■建物
・2009年4月からゼロ金利エコ融資を開始。2009年末までに6万5000件の融資。
・建物建築・企業の省エネに関する人材育成プログラム(FEEBAT)がスタート。1万2000人の受講が可能。
■都市計画
・都市計画文書の作成支援。
・モデル的な整備に重点を置く持続可能な都市計画、「エコ市街」や「エコ・シティ」プロジェクトなど。
■運輸
・ピギーバック輸送(貨物付きトレーラーを鉄道で輸送)や海運の盛んな航路「海の高速道路」の整備。
・欧州北部セーヌ運河協力契約への貢献募集。
・港湾の改修。
・鉄道貨物を奨励する国の約束。
・ニーム、モンペリエ、ブルターニュ・ペイ・ド・ラ・ロワール高速鉄道路線について、関係者との契約手続き等を開始
■エネルギー
・これまでのエネルギー・ラベル(AからG)に、新しいランク(A+++、A++、 A+)が加わる。
・個人の再生可能エネルギー設備の導入に関する「持続可能な開発」税制優遇措置。
・再生可能エネルギーの拡大。最終エネルギー消費量のうち、23%を再生可能エネルギーで供給する。
・白熱電球の廃止のスタート。
■水
・浄水場規格に適合するため、地方公共団体へ15億ユーロの融資協定調印
・飲料水取水地区500カ所の保護。
・海洋問題について議論する「海のグルネル」の開始。
■農業
・遺伝子組み換え物質関連法の施行
・2018年までに農業分野での農薬等の植物保護剤の使用量を半減することを目指す「2018年エコフィト計画」
■生物多様性
・生物多様性国家戦略
・野生授粉昆虫保全計画の承認
■リスクと健康
・健康・環境全国計画の承認
・健康に影響する病理学的リスクの削減を目指す対策の実施
■廃棄物
・廃棄物計画、環境グルネル(環境懇談会)の約束の実施に関し関係者全体の協議。
■研究
・新しいエネルギー科学技術の実証研究の支援に向け、環境・エネルギー管理庁(ADEME)による3億2500万ユーロの基金を創設。
■消費
・CO2排出量の少ない自動車を優遇する、ボーナス・ペナルティ制度の継続。
・広告に使用される環境表示について、厳格な検査を実施。
■ガバナンス
・環境情報に関するポータルサイトの開設。
・義務教育に、持続可能な開発の概念を徐々に組み込み、教育分野全体に一般化を図る。
【フランス エコロジー・エネルギー・持続可能な開発・海洋省】