一般財団法人環境イノベーション情報機構
生物多様性条約、COP16に向けDSIの利益配分メカニズムの交渉案を提示
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2024.07.19 【情報源】/2024.06.30 発表
生物多様性条約(CBD)は、遺伝資源に関するデジタル配列情報(DSI)の利益配分に関して、国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)での合意形成に向けた交渉案を公表した。同文書では、2022年のCOP15で創設が決まった多数国間利益配分メカニズムやグローバル基金を通じて、植物や動物、微生物の塩基配列などのDSIを利用して生み出された製品から得られた利益を公平に分配するための案が示されている。
同基金については、自然の保護と持続可能な利用の取組への支援やDSIの生成や利用のための能力構築などの使途が想定されており、医薬品や化粧品、農業バイオテクノロジー分野の大企業、多国籍企業などから、持続可能かつ応分の適正な範囲で拠出金を求めることが考えられている。このほか、非金銭的利益(能力開発や技術移転、研究成果など)を含めた利益配分の方法や同メカニズムのガバナンスの選択肢なども提示されており、同文書は2024年8月12〜16日にカナダで予定されている第2回作業部会会合(注)でのたたき台となる。
(注)COP16では多数国間利益配分メカニズムの詳細を詰めることが議題のひとつになっており、これに向けた検討を行う作業部会が立ち上げられていた。第2回作業部会会合はCOP16前最後の政府間交渉の場になる。
【生物多様性条約】