一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ横断ボランティア紀行

No.033

Issued: 2012.01.26

ドンさんとの出会い

目次
国際部長インタビュー
米国の自然保護制度
保全への理解を促すために
テイコさんからの招待
ドンさん宅訪問
ドンさんの経歴
国立公園局と野生生物局
国際協力プログラム
予算について
ブルーカラーの役割
妻のボランティア参加

ワシントンDC キャピトルヒル
ワシントンDC キャピトルヒル

 魚類野生生物局本局での勤務は刺激的だ。ワシントンDCという米国政治の中心地に近いからだろうか。それとも魚類野生生物局の持つ雰囲気だろうか。自分たちの組織が抱えている課題やそしてそれを解決するための道筋などを、政策立案の中心的な関係者がインターンの私たちにも率直に語りかけてくれる。組織としての懐の深さを感じさせられる。
ただ、こうした話を自分なりに消化できるようになったのは、これまでの1年半にわたる現場でのボランティア経験があったからこそといえる。

国際部長インタビュー

 魚類野生生物局で所属することになった国際部のトップ、ラファエルさんから話を伺う時間がようやくとれた。鳥の専門家で、ラテンアメリカ地域の鳥類に関する著書もある。
 先日、科学部門の話をうかがったということをお伝えすると、いきなり辛口のコメントが返ってきた。
 「魚類野生生物局には多くの『生物学者【1】』が科学部門に所属しているけど、しっかりとした仕事をしている職員はあまりいないんだ」
 ラファエルさんの言うには、生物学者はそれぞれが対象としている生物しか見ておらず、魚類野生生物局としてどのような政策を打ち出していかなければならないかという視点に立っていないという。
 「例えば、シカの急増によって植物が食い荒らされる問題の場合、シカの数を数えているだけでは解決にはつながらない。今日ではシカなどの草食動物を補食する肉食動物が全米からほとんど姿を消してしまっているわけだから、草食動物が増えるのも当然じゃないか」

 日本でも同じような構図がある。シカが増えすぎて対策が必要になると、決まって「今、シカは何頭いるか?」という質問が寄せられる。現状を把握するのは重要だが、過去の個体数がわからない中では、その数自体にそれほど大きな意味はない。
 「そもそも、保全の問題は科学で解決できるものではないんだ。問題なのは人であり、人のもつ倫理の問題。野生動物の生存を脅かしているのは人だし、世の中の仕組みを決めるのも人だ」
 科学者が科学の分野でいくら努力しても、社会に引き起こす変化は小さいと言いたいのだろうか。
 「あれほど人口の多いインドでも、トラがまだ500頭も生息している。毎年多くの人間がトラに襲われて死んでいるのに、駆逐しようとはならない。背景には、宗教的な思想として動物を尊敬する強い気持ちがあって、人間が生き物を殺すべきではないという考えが定着しているためだ」
 つまり、ラファエルさんの指摘では、社会的な合意があるかどうかが鍵ということだろう。
 「米国では、ハイイログマやオオカミが駆逐されたけど、そもそもは人が襲われるという理由からだった。でも現在では、家畜が被害を受けるとか、狩猟対象のシカが減るといった程度のことでも駆除されることがある。一部の州ではバッファローが駆除されているけど、家畜のウシに病気を媒介するという“うわさ”のためというはなしもある」
 都市であれば少しは野生動物保全に対して理解のある人間もいるが、田舎に行けば動物は撃ち殺す対象でしかない。こうした野生動物に対する考え方の違いは大きいという。
 「われわれ魚類野生生物局が、どのようにして人々に働きかけることができるか、それが課題なんだ。正直なところ、国立公園も野生生物保護区もすべての国民を巻き込むことはできていない。それどころか、予算不足から入園料を徴収するようになり、さらにそれを値上げしようとしている。これでは、一部の裕福な人々しか利用できなくなってしまう。一般の人や貧しい人たちのことをすっかりないがしろにしてしまっている」

保護区内にある渡り鳥のためのため池(impoundment)。ところどころに人工物があるが、コンクリート構造物はなく、言われなければ人工のため池とはわからない。

保護区内にある渡り鳥のためのため池(impoundment)。ところどころに人工物があるが、コンクリート構造物はなく、言われなければ人工のため池とはわからない。

 魚類野生生物局では、特別会計として歳入される予算に入場料の他、狩猟関係の特別会計がある。
 「魚類野生生物局はハンターからの大変に強い“支持”があるんだ。ハンターたちは、狩猟の対象となるカモ類が増えることに対しては喜んでお金を支払う。逆にいうと、局に対する政治力の源泉にもなっている。狩猟税や、猟銃や釣具の購入金額の一部などが特別会計に組み入れられている」
 こうして、かなりの金額が一部の利益団体から野生動物「保全」の分野に支払われている。これは、読み始めた予算書の内容をみていて気がついたことでもあった。
 「保全といっても、ハンターは狩猟対象のカモ類が増えればいいだけなので、予算執行の対策事業もそれに影響される。例えば、東海岸にある野生生物保護区のほとんどに堤防がめぐらされているんだけど、これはカモ類の繁殖を促すことを目的とした『ため池【2】』をつくるため、堤防を作って水位を調整するのに使われるものなんだ。しかもその水位調節が、各野生生物保護区の主な業務になってしまっている」
 つまり、野生生物保護区というよりも、特定の種を繁殖させる養殖場のようなものだ。
 「南米のある国では、米国の支援を受けてマングローブが皆伐され、同じような貯水池が造られている。これは、米国から渡るカモのためのもので、そのためだけに素晴らしいマングローブ林が破壊されたんだ。これは私が着任する以前の話だけど、こんな身勝手な話があるだろうか」
 ハンター業界にとっては、魚類野生生物局を支援するのが目的でお金を支払うのではなく、目的はカモ類なのだ。保全施策がより大きな力を得るためには、より広い人々の理解と支援、つまり議会によって承認される一般会計予算が必要なのだろう。


米国の自然保護制度

 「米国の国立公園や野生生物保護区は、海外からは素晴らしい思想の上に指定されたという印象を持たれているようだが、ワタルはどう思う?」
 率直な問いかけだ。もちろん、これまでの研修で、そうばかりも言えないということは理解できていた。ラファエルさんの言葉はさらに率直だった。
 「私は、実際のところは、ただ単にアメリカンインディアン以外は住んでいなかった土地がたくさんあったというだけではないかと思うんだ」
 「ここは、日本や中国のように、古くから土地を所有する人たちが住んできた場所ではなかった。イエローストーンは有名だけど、あの公園の境界線はただ図面上で四角く区切られただけで、何ら生態学的な根拠はないんだ。一時は、バッファローの餌付けもしていたし、大統領が代わればスノーモービルも自由に走り回ることができる」
 冬になると、バッファローの多くはエサを求めて公園から標高の低いところへと移動していく。
 「モンタナ州に下っていったバッファローはほぼ確実に殺されてしまう。ワイオミング州ならまだ生存の可能性があるかもしれない。公園内で細々と暮らしているバッファローは、スノーモービルで追いまわされて衰弱する」
 少ないエサで厳しい冬を生き延びるためには、極力運動量を低く抑えなければならない。だから、スノーモービルが入り込むと、生存率は確実に低下していく。
 「これが、野生動物を保全するための施策といえるのだろうか」
 国立公園は確かに保全のために保護されているが、同時に、公衆の利用のために開放されている。
 「スノーモービル愛好者は雪山を自由に走りたいが、民有地に入り込むと銃で追われることになる。だから、国立公園に殺到してくる」
 このような悪影響を緩和するためには、保護地域の周辺に緩衝地帯を設ける必要があるという。
 「ところが現状では、個別の管理機関がそれぞれの管理区域の外側にまで保護の網をかぶせることはできない。野生動物は、保護区から一歩でも外に出れば撃ち殺されてしまうんだ」
 これがアメリカの保護制度の最も端的な特徴といえる。区域内は土地を国が所有し、その保護のレベルは著しく高い。ところが、区域を1cmでも出てしまえば、そこでは全く手が出せない。保護区の境界ぎりぎりには狩猟小屋が建っていて、ハンターがそこから出てくる野生動物を待ち構えている。
 「それから、カモ類のために作った池でも、上流から農薬や肥料が流入してくれば、わざわざ集めて殺しているようなものだよね。これでは、保護区の存在意義自体が問われることにもなりかねない」
 原因はわかっていても、農家には農家の権利があり、その中には当然農薬や肥料を使用することが含まれる。
 「アメリカでは人々の権利があまりにも強すぎるんだ。そのような権利に少しでも制限を加える政策を導入しようとするのはとても難しい。そのため、公園や保護区はその区域を越えて発生する問題に対して、ほとんど無力と言わざるを得ない」
 日本では、国が土地を所有していなくても行為規制をかけることができる。これは、もともと人が住んでいた地域を対象としなければならなかった日本の自然保護行政の苦肉の策といえる。一方で、そうした規制には住民の負担も伴うが、それが受け入れられているという点では、日本の方がアメリカよりも国民の理解が進んでいるといえるのかもしれない。


保全への理解を促すために

 「昨年、国際保全課で会議を開催したんだけど、招待する専門家を減らしてみたんだ」
 どういうことだろうか。
 「専門家は会議でお互いの研究成果を評価しあって満足しているけど、それでは世の中に何ら貢献ができるわけではない。専門家をいくら集めても内輪の盛り上がりで終わってしまって、その殻をやぶることができないんだ」
 ラファエルさんは、議論には保全に関心がない、もしくは対立しているような人たちにも参加してもらって、「共通項」を見出す努力を重ねていくことが大切だと力説する。
 「国立公園や野生生物保護区を利用する人たちは、もともと保全に理解がある人たちだと思う。もっと気軽に、例えば人々が野球をしに行くような感覚で訪れる、都市型の保護区(Urban Refuge)が必要だと思わないか?」
 忙しい都会の人たちでも気軽に、そして野生動物の保護が重要であることに気付いてもらえるような場を作っていくべきだという。


テイコさんからの招待

【図1】アメリカ内務省組織図

【図1】アメリカ内務省組織図 ※拡大図はこちら

 ラファエルさんとのインタビューが終わると、長官補のテイコさんに声をかけられた。
 「ミスタースズキ、ドンが会いたいって言ってるのよ」
 ドンさんはテイコさんのご主人で、元内務省の次官補(Assistant Secretary)というものすごい要職にいた方だ。

 現在は、ワシントンDCにある大きなNGOの幹部だ。政権交代に伴い、政治任用職員(political appointee)であったドンさんは野に下っている。どうも、テイコさんから私たちの研修の話を聞いて、興味をもってくれたようだ。
 「スティーブも一緒よ」
 極東ロシア部門トップのスティーブさんだ。テイコさんとスティーブさんは仲がいい。よく2人で話し込んでいる姿をみかける。日本の役所は大部屋だが、アメリカのオフィスの多くは個室かキュービクル(間仕切りで区切られたスペース)が多く、課内の人間がそれぞれ何をしているかわかりにくい。スティーブさんのところにも時々人がやってきて話し込んでいるが、顔をあわせて話をするというのはかなり重要なことなのだろう。普通はスタッフミーティングのようなものはなく、情報の共有はメールが基本だ。
 あまり残業はないが、かといって抱えている仕事が少ないわけではない。一般的に職員数は日本よりもアメリカの方がずっと多いが、FWSの国際課はみな仕事熱心で、それぞれ集中して仕事をしている。
 対照的に、日本では日中は様々な「会議」で時間がつぶれる。あまり関係のない打合せにまで「情報共有」ということで同席させられ、余計な仕事を背負わされることも少なくはない。その結果、事務仕事は夜になる。その上、上司が酒好きだとそのまま飲みに連れ出される。もちろん、それだけ「情報共有」をしていると裏事情を含めてかなりの共通理解が得られるのは間違いない。
 アメリカの職場では驚くほど情報共有が少ない。それだけに、ミーティングが開催されると意味が大きいし、また手応えもある。国際会議などはその典型なのかもしれない。いつも情報の共有に心がけている日本人がギャップを感じるのはこうした理由もあるのかも知れない。仕事の進め方の違いを見るだけでもいろいろと参考になる。


ドンさん宅訪問

ドンさん宅にて。奥からドンさん、テイコさん、そして上司のスティーブさん。心のこもった暖かいもてなしと刺激的な会話に感激した

ドンさん宅にて。奥からドンさん、テイコさん、そして上司のスティーブさん。心のこもった暖かいもてなしと刺激的な会話に感激した

 ドンさんのお宅は静かな住宅街の中にあった。建物自体は平屋でそれほど大きくない。
 「どうぞ、どうぞ!」
 招き入れてくれたのがドンさんご本人だった。ドンさんは50代前半くらいの痩身の男性だ。アメリカでやせいている人は珍しい。
 まずはリビングに案内される。落ち着いたインテリアだ。壁には世界各地の布や絵がかけられ、床には主にアフリカの国々から買ってきたという手工芸品が並ぶ。
 「ランプシェードは気に入った布で作ってもらったものです」
 照明はすべて間接照明で、ゆったりできる雰囲気だ。
 テイコさんとドンさんの手作りというオードブルをいただく。リビングを見回すと、テレビがなかった。アメリカにもテレビのないリビングがあるのか、と感心した。とても落ち着いた雰囲気に心地よさを覚えた。収入といい、社会的な地位といい、典型的な中流階級のお二人だ。
 「私たちは料理を作るのが好きなんです」
 テイコさんと、今日の料理について楽しく紹介してくれる。

 「それで、アメリカの国立公園についてどう思いますか?」
 ドンさんから、いきなりストレートに質問された。別に試しているふうでもなく、本当に興味があって聞いてくれているのはわかったが、これまでのインタビューが相手の話を一方的に聞くだけだったので、少し面食らう。
 「国立公園はとても魅力があります。ただ、相当お金がかかっているのではないでしょうか」
 自分のボランティアとしての経験から当たり障りのないことを答えた。ドンさんは、それでも真剣に話しを聞いてくれる。
 もともとFWSの職員だったドンさんは、同局で首席法務官を務めた。その後FWSを退職し、連邦議会議員の政策スタッフとして活躍していたところを、クリントン政権に見いだされ、内務次官補(Assistant Secretary)に就任する。内務省は、NPSとFWSを含む内務省外局を所管しており、ドンさんはFWSの職員から、いきなり同局を監督する責任者になってしまったことになる。現在は、大手NGOのウィルダネス協会の副会長の職にある。
 「私が内務次官補に就任した当時は、イエローストーン国立公園のスノーモービル規制や捕鯨問題に関する日本との折衝など、多くの難問を抱えていたときでした」


ドンさんの経歴

【図2】アメリカの主な国有地の割合

【図2】アメリカの主な国有地の割合

 「政府職員出身者が、その組織を監督する次官補に就任したことはそれまでありませんでした。通常は、元州知事、元上院議員などで、かつ多額の寄付を行ったような人物が就任するポストでした」
 ドンさんは、それまでの次官補とは異なり、政府職員を守るような立場で仕事をすることにしたという。
 「国立公園の現場で起きる問題の9割は、実は地元の業者がからんでおきる問題なんです」
 業者が国立公園局の許認可を得ることができない場合、政治家に陳情する。政治家は、中央政府機関に圧力をかける。
 「これまでの次官補は、そういった圧力に抵抗することをしませんでした。だから、そのまま各国立公園の所長に圧力がかかります。国立公園局の本局も多忙なうえ、予算を握られている連邦政府議員に対して弱い立場にあります。また正直なところ、魚類野生生物局には闘う気概がありましたが、国立公園局はそうでもないようでした」
 そこで、国立公園局に圧力がかかる前に、ドンさんが介入することにしたという。
 「当初は政治家も面食らったようですが、そのうち、あまり無理なことはクリントン政権では通らないということが理解されてきました」
 また、ドンさんは野生生物局職員としてワシントン条約に長年かかわってきており、米国の代表も2度ほど務めたという。日本とも、象牙や捕鯨の関係でいろいろなやりとりがあったことだろう。
 「象牙の取引をやめない限り、密漁はなくならないというのが私の持論です。結局、日本とは平行線をたどることになりましたが、日本の代表団とは議論を重ねました。もちろん合意は得られませんでしたが、大変面白い議論ができました」
 ワシントン条約といえば、なんといっても捕鯨問題だ。
 「鯨の問題については、日米市民の考え方の違いが根底にあると思います。米国の公衆は鯨を愛してしまっています」
 言い換えれば、アメリカでは「鯨を守りたい」という社会的な合意が形成されているということであり、この認識を覆すことは非常に難しい。
 「同じことは国立公園についてもいえます。『国立公園内では木材を伐採しない、鉱物を採掘しない、石油を掘削しない』ということは、今や不文律として受け止められています」
 このような社会的合意が得られるまでには相当な時間がかかった。国立公園内には今でも多くの地下資源が存在することが知られているが、もはや国立公園内で鉱山開発が行われることはないだろう。
 「ところが、残念ながら国立野生生物保護区はまだその段階には至っていません。それが、北極圏野生生物保護区での石油掘削問題などに象徴されています」  ブッシュ政権になり、アラスカの野生生物保護区における石油開発に関する調査が再開されようとしている。
 「アメリカの社会全体としての自然資源政策に関する社会的合意は、『自然資源のごく一部を次世代のために残しておく』("We have decided to set aside a small portion of resources.")ということです。その証拠に、国立公園にしても国立野生生物保護区にしても、国土面積に対する割合は小さいものでしかありません」
 国立公園も国立野生生物保護区も、全米国土面積の3%を少し超える程度だ。公有地管理局が管理する国有地(10.7%)や国有林(7.9%)など、開発行為が容認されている国有地に比べると、その割合は顕著に低い。それは、日本の国立公園の割合(約5.5%)よりも小さいほどだ。
 このドンさんの一言で、これまでの研修でもやもやしていたことの一つがクリアになった気がした。


国立公園局と野生生物局

 「国立公園局というところは、一言で言えば、『あまり本当のことを話さない役所』です。いろいろと政策を打ち出しますが、実際に何をやっているかはわかりにくいんです。『話すが実行しない(talk but not act)』役所です」
 例えば、科学分野に使うということで予算を獲得しても、そのほとんどは科学分野に配分されないという。
 「『科学に基づいて管理をしています』とはいいますが、本音は違います。やっぱり、公園に人を呼びたいんです」
 国立公園局の公園には、現在でも科学者が1人もいない公園ユニットが100以上あるという。
 「魚類野生生物局は違います。科学が尊重され、科学に基づいた管理が行われてきたという歴史があります」
 ところが、最近、野生生物局の科学者が本当のことを言うことをためらうようになってきたという。
 「政治的な圧力のためです」

国際協力プログラム

 「国立公園局と野生生物局とでは、国際協力プログラムにも大きな違いがあります。魚類野生生物局の国際協力事業は米国でもっとも優れていると思います」
 一方、国立公園局の事業は対照的だという。
 「国立公園局は、組織として国際関係業務を毛嫌いしているのではないかという印象さえ受けます。まず、国立公園局の職員は現地にほとんど出向きません。行く場合でも、他の政府機関を同行させず、国立公園局だけで動きます」
 他の政府機関は連携による国際協力を進めるため、国立公園局職員の同行を求める。
 「その場合、国立公園局の分の旅費も負担することを条件に職員の派遣を認めます。ところが、国立公園局は公園内の現場作業を優先するため、有能な職員を派遣することを嫌います」
 このため国立公園局の職員派遣を依頼する場合、ドンさんを通じて推薦の依頼が入るようになったという。
 「国際協力でもっとも大切なことは、その分野でもっとも優秀な職員を派遣するということだと思っています。魚類野生生物局は、これまでに1,000人以上の専門家を派遣してきていますが、派遣する専門家の人選をとても大切にしています。現在、ある財団に勤務する国立公園局の職員が国際協力の専門家として派遣され活躍したことがありますが、国立公園局からではなく、野生生物局のプログラムによる派遣でした。国立公園局は閉鎖的(close minded)な組織で、国際関係業務も組織内で抱え込んでしまっているような印象を受けます」

 国立公園局の国際プログラムは研修生からはどのような目で見られているのだろうか。
 「コスタリカから来た研修生に話を聞いたことがありますが、その研修生は『国立公園局を見習ってもだめだ。これだけの予算があればもっといいやり方がある』といっていました」
 国立公園局の本業は国内の国立公園管理であることは間違いのないが、ある意味でこの組織の閉鎖性を象徴しているエピソードといえる。


予算について

 魚類野生生物局と国立公園局では、管理面積では前者が若干大きいにもかかわらず、関係する職員数と予算規模は国立公園局の方がはるかに大きい。

【図3】国立公園、国立野生生物保護区面積比較

【図3】国立公園、国立野生生物保護区面積比較
※国立公園と国立野生生物保護区の面積を比較すると、前者の方が若干小さい。なお、日本の国土面積と比較すると、それぞれの保護区システムの規模の大きさがわかる

【図4】職員数比較

【図4】職員数比較
※国立公園局については全ての職員数を計上している。魚類野生生物局については野生生物保護区関係職員数のみを計上しているが、メンテナンス職員数は予算書に計上されていないため、実際の職員数より少なく見積もられているおそれがある。

【図5】予算額比較(一般会計 2005年当時)

【図5】予算額比較(一般会計 2005年当時)


 「国立公園局は、その巨大な予算を湯水のように使っています。それも、外部から見るとばかげたようなことに驚くようなお金をかけます。また、職員数も膨大です。予算確保のためには、政治家に従順に従うのが同局の流儀です」
 これに対し、魚類野生生物局は政治家の無茶な横やりには抵抗することがよくある。それがさらに予算の削減につながる。
 「国立公園局は、一度手にした予算は、自分たちの好きなように使いたいという考え方を持っています。予算書は一見わかりやすいのですが、実はなかなか解読できないように作られています。内務次官補としての業務を行うために、国立公園局の予算に詳しい専門家を雇わなければならなかったほどです」
 対照的に魚類野生生物局の予算書は単純でわかりやすいという。
 「国立公園局は、面倒な案件やおかしな予算をうまく滑り込ませてきますが、それらを見つけるのは至難の業です。また、連邦議会議員ともしっかりと連携しています。地元の政治家と各国立公園ユニットの所長は常に連絡を取り合っているのです」
 各国立公園の施設整備は、地元選出の政治家にとって効果的でわかりやすい地元貢献策のひとつだから、関連の予算を獲得することは、当局にとっても政治家にとっても共通の利益となる。
 「例えば、ある国立公園のトイレ建設費用は1棟あたり43万ドル(約4,000万円)でした。」
 これに対し、同時期に訪問した野生生物保護区では、トイレの建設費用はだいたい1棟あたり1万ドルだったという。それらは外注したものではなく、予算がないため職員が自ら作ったので材料費だけの実費だった。
 「それでも自然地域には十分な質のものでした。国立公園局の施設は一般的に質が高すぎる傾向があるのですが、国立公園局はそのような施設を『公園品質(Park Quality)』などと呼んで誇らしげにしています。でも私からすると予算の無駄遣いとしか思えません」
 ところが、国の公共投資を地元に誘導し観光施設を充実したいという地元選出議員の意向と、国立公園整備予算を確保したい国立公園局との利害は一致する。これがゆがみとなって施設整備への過剰投資となって表れたのだろう。

マウントレーニエ国立公園のパラダイス地区にあった巨大なビジターセンター。施設維持のために1日約2000リットルものディーゼル油を必要とした

マウントレーニエ国立公園のパラダイス地区にあった巨大なビジターセンター。施設維持のために1日約2000リットルものディーゼル油を必要とした

セントキャサリンクリーク国立野生生物保護区のビジターセンター。管理事務所と併設された簡素な建物で、建設費用と管理費が抑制されている

セントキャサリンクリーク国立野生生物保護区のビジターセンター。管理事務所と併設された簡素な建物で、建設費用と管理費が抑制されている

同保護区のビジターセンター内部。展示の質は国立公園のビジターセンターとは比較にならないが、利用者数や保護区の目的に見合った質と規模といえる

同保護区のビジターセンター内部。展示の質は国立公園のビジターセンターとは比較にならないが、利用者数や保護区の目的に見合った質と規模といえる

同保護区の入口標識。使用されている木材も細く簡素なつくりだ。路肩に設置されている。

同保護区の入口標識。使用されている木材も細く簡素なつくりだ。路肩に設置されている。

国立公園の入口標識の例(レッドウッド国立州立公園)。標識が大きく、立派な木材がふんだんに使用されている。標識の前には広々とした駐車スペースが整備されており、車をとめてゆったりと記念撮影ができる。これも、国立公園のイメージを維持するための効果的なビジターサービスのひとつであるが、そのためには相当なコストがかけられている

国立公園の入口標識の例(レッドウッド国立州立公園)。標識が大きく、立派な木材がふんだんに使用されている。標識の前には広々とした駐車スペースが整備されており、車をとめてゆったりと記念撮影ができる。これも、国立公園のイメージを維持するための効果的なビジターサービスのひとつであるが、そのためには相当なコストがかけられている

 グランドキャニオンでは、シャトルバスのバス停のベンチに、原生林から切り出された正目の一枚板が使われているという。
 「国立公園の言い分は、質の高い経験をしてもらうために必要ということです。ただ、こうした努力が市民の絶大な公園支持につながっていることは見逃せません」
 すばらしい施設があり、自然の中をどこでも好きなように車で走り回ることができて、大きな駐車場もある。ビジターサービスが充実していてビジターの満足度は非常に高い。
 「1995年に、連邦議会の反発で政府予算が成立せずに予算危機が発生し、政府機関が業務閉鎖に追い込まれたことがありました。国立公園も閉鎖されたのですが、市民がこれに猛反発し、結局予算が承認されただけでなく、その後、予算案件だけは必ず期限内に合意されるようになったのです」
 アメリカでは国立公園は人気が高い。ただの公園ではなく、市民共有の財産とみなされている。市民に愛されている国立公園といっても誤りではないだろう。
 「国立公園局は巨大な予算を持ち、素晴らしく上質な施設を整備しています。その上、余裕のある人員により利用者に対して充実したサービスを提供しています。これによって、ほとんどの市民を味方につけてしまっています。対照的に国立野生生物保護区は利用客に向けた施設整備やサービス提供にあまり力を入れていません。そのため利用者数は少なく、予算も伸びないという悪循環があります。これが両者の間の差になって現れているのではないでしょうか」
 この話が本当であれば、国立公園局は国立公園の質の向上を通じて、国民の支持だけではなく、予算、さらには地元政治家を中心とした政治的な力を得ることに成功しているといえる。民主主義の国であるだけに、「利用者数」は「有権者数=票」とみなすことができる。だから利用者数は政治的な力とも考えることができるのだ。利用者数を確保しようとする国立公園と、あくまで野生生物の保護を優先する国立野生生物保護区とではその差が開いていくのも当然といえる。

【図6】利用者数比較

【図6】利用者数比較
※国立公園と国立野生生物保護区の利用者数を比較するとその差は歴然としている。

【図7】利用者一人あたり予算額比較

【図7】利用者一人あたり予算額比較
※予算額を利用者一人当たりに換算すると、若干国立野生生物保護区の方が多いが、ほぼ同程度といえる

【図8】職員一人あたり利用者数比較

【図8】職員一人あたり利用者数比較
※職員一人当たりの利用者数を比較しても、やはりほぼ同程度となった。民主主義の国では、利用者数が有権者数と直結しているということなのかもしれない。



ブルーカラーの役割

 そんな国立公園局にも革新的な動きがあるという。
 「イエローストーン国立公園から発信された『公園のグリーン化(greening parks)』という政策があります」
 公園内での化学薬品の使用を減らし、ゴミをリサイクルすることなどにより環境への悪影響を低減するという試みだ。賛同する公園内のホテルでもタオルのリユースなどが行われている。
 「この取り組みは、イエローストーンのメンテナンス部門の部長が中心的な役割を果たしています。メンテナンス部門で働いているのは、いわゆるブルーカラーの現業職員で、公園の現場を熟知しています。本部組織や公園管理事務所にいるホワイトカラーとは対照的に、公園に必要なことを着実に実行しています」
 これは、実際に国立公園で働いてみるとよくわかることだ。ブルーカラー職員が実際の公園管理に果たす役割は大きい。にもかかわらず、メンテナンスとそれ以外の職員との間には厳然とした「区別」が存在する。それはまるでインドやネパールのカースト制度のようだ。一般的に、アメリカはヨーロッパの階級制度から開放された自由な国というイメージがあるが、制度的には日本に比べ様々な面で「再チャレンジ」の難しい国といえるのかもしれない。そのような目で見ると、ドンさんのような政府職員が政府の要職を務め、そして大きな変化を政府にもたらしたことは、私のような外部の人間からみても画期的なことだったろう。
 いずれにしても、今回のドンさんのお話から、これまでのアメリカの国立公園管理に関するいくつもの疑問が氷解するとともに、魚類野生生物局を比較の対象にするというアイデアが浮かんできた。日本の環境省を加えれば3者比較になる。これで、研修のレポートの骨格がようやくできそうな気がしてきた。研修も残り数ヶ月になって、はじめて出口が見えた気がした。
 例えば、面積としては直接比較できない日米の保護区どうしであっても、職員一人当たりに換算してしまえば比較は可能だ。試しに、それぞれの保護区の面積を職員数で割ってみると、職員1人が担当する面積がでてくる。そうしてみると、興味深い事実が浮かんでくる。

【図9】職員一人あたり保護区面積

【図9】職員一人あたり保護区面積

 これまで日本の国立公園の多くは、アメリカの国立公園、それも有名なイエローストーン、グランドキャニオン、ヨセミテなどの大国立公園を「お手本」としてきた。ところが、このデータを見ると、むしろ国立野生生物保護区のそれに近いのだ。もちろん、保護区と国立公園とでは管理目的なども異なるが、予算や人員の規模などからすれば、国立野生生物保護区の方が参考になるのかもしれない。また、国立公園と一言でいっても、規模は実に様々だ。日本ではあまり知られていない国立公園の中にも参考になる事例は隠されているのではないか。
 予算を湯水のように使い、豊富な職員を抱える国立公園局は、国立公園の管理体制としてはむしろ特殊な部類に入るだろう。日本が身の丈にあった国立公園の管理を行うためには、もう少し視野を広げることも大切なことではないだろうか。


妻のボランティア参加

 「個室とパソコンが空いていますよ」
 ピーターさんの何気ない一言で妻のボランティア参加が決まった。荷物の整理などが落ち着いた12月、妻にもボランティアポストのオファーがあったのだ。魚類野生生物局の国際課では国立公園のような勤務の義務【3】がないため、週に3日程度ボランティアを行うことにした。

 私が依頼されていたことのひとつに、関係者名簿のデータベース化というものがあった。名簿といってもメールの署名欄などをランダムにコピーペーストしてきたワードファイルだ。名簿に含まれるデータは数万件にのぼると見られるが、テキストデータのため、全体のボリュームはページ数でしかわからない。検索機能を使って特定しているようだが、同じ人が何度も登場し、新旧のデータが混在している。それも、「リスト」は国ごとに存在している。これらを一つのデータベースファイルにまとめるという指示だ。
 こんな初歩的な方法でリストを管理していることに驚かされるが、それ以上にピーターさんが持つ国際的なネットワークの広さに驚かされる。日本の環境省職員で、これに匹敵するネットワークを持ち、有効に機能させている人間がいるだろうか?
 仕事自体はつまらない作業だったが、これが完成すればすごい財産になるはずだ。
 テキストデータのままではデータベース化は難しい。かといっていきなりデータベースソフトに移行できるような状態ではない。そこで、アメリカではあまり使われていないエクセル形式にデータを属性ごとにまとめることにした。ワードからエクセルへのデータ移行の時に少し工夫して、氏名、役職以外に検索できる共通のキーをいくつか設定し、後に重複や新旧を特定することとした。当然ながらアメリカのソフトはいずれも英語での操作になるので、ヘルプ機能などの説明も英語だ。何日もこれと格闘していると、帰ってからもまぶたに文字列が残る。寝ようとする瞬間に急にいいアイデアが思いついたりする。こうして2週間程度かかって、ようやくデータ移行と統合、分析に目処がたった。
 この情報が局内で知られるようになったらしい。
 「中南米諸国のカウンターパートナーの情報をデータベース化してもらえないだろうか」
 そんな相談がピーターさんに持ち込まれた。国際課内の中年米プログラム担当からの依頼だった。関係者のデータは、なぜかまたワードファイルで管理されている。ここでもものすごいネットワークの規模だ。中南米とアメリカの関係は非常に強い。地理的にみると、アラスカとロシアの関係が中心の極東アジア地域よりも密接だ。魚類野生生物局の国際協力プログラムの主軸のひとつなのだ。
 ワードファイルからの変換手法は大体確立できていた。ワード上でできるだけデータをきれいにして、少し工夫してエクセルに貼り付ける。あとはエクセルの機能を使ってデータを整理していく。それがわかっていても、毎日8時間、計40時間程度の時間がかかった。作業を終えたとき、妻は目をすっかり充血させていた。
 担当からは、エクセルをさらにアクセスにしてほしい、という相談もあったが、お断りすることにした。誰にでもその作業は自分でやらないとデータベース全体の性格が理解できない。
 この作業を通じてわかったのは、一般的にアメリカ人のデータ管理は「保存すること」が主体だ。それを情報として整理して管理することは苦手なようだ。
 これまでの国立公園でのボランティアでも、膨大な野外調査が行われているにもかかわらず、調査票の整理ができていない、デジタル情報として入力されていない、それを解析できる人間がいない、などの原因で、データがうまく活用できていなかった。ただ、データさえ蓄積しておけば、情報処理の得意な人間がいれば活用が進むし、新たなデータ解析技術が開発されれば新たな発見につながるかも知れない。
 私たちはどうしても「今」の段階でいろいろ考えてしまい、「これでは無理だ」と考えてしまうことが多いが、ここの人たちはそうではない。とりあえずできる範囲でできることをやる。データはとりあえず保存しておく。そうすると、将来どこかでブレークスルーが起きる。だからこそ、画期的な成果が得られるのだろう。
 「レッドウッドでの森の中での調査が懐かしいね」
 妻のこの一言が私たちの率直な感想だった。もうフィールドに戻ることはない。FWSでのボランティア勤務は、これまでの研修とはまったく異なる。しかし一日中パソコンと格闘する生活は、日本に帰ってからの私の姿と重なる。私にとっては帰国に向けたいい「リハビリ」になった。
 また、1年半もアメリカにいて、ろくに英語が上達していなかった。ここでの電話応対はつらかったが、おそらく2年間の研修の中で最も英会話能力が鍛えられた期間だった。これも、ここでの「成果」といえるかもしれない。


【1】生物学者
biologist。生物学をバックグラウンドとする技術系の行政官。魚類野生生物局職員の多くはこのような技術系職員が占める。
【2】ため池
impoundment。カモ類の渡りのシーズンだけ水を貯める貯水池。ダムとは異なり、比較的浅く広く水を貯める。ほとんどの堤防は土でつくられているため人工的には見えないが、水位調整のためのポンプ施設なども備え、相当広範囲な面積を水没させる。
【3】勤務の義務
これまでの2回の国立公園での研修では、ボランティアハウスに滞在する人1人あたり週40時間の勤務が義務付けられていた。

妻のひとこと

事務所までの通勤風景。雪が降る日もあって凍えるようでした

事務所までの通勤風景。雪が降る日もあって凍えるようでした

 私たちが滞在していたアパートは、地下鉄やショッピングモールからも近く、廊下まで空調が効いていて快適でした。レッドウッドでは、一番近いスーパーまで片道50キロ以上ありましたので、徒歩で買い物に行けるのはとても便利でした。
 ところが、この徒歩生活にも思わぬ落とし穴がありました。ワシントンDCの冬は予想よりも寒かったのです。それも、時々やってくる寒波の時などは、マイナス10度を下回る日も少なくなく、本当に凍えるようでした。私も途中から週に何日か魚類野生生物局に通うことになったのですが、この通勤が大変でした。
 これまでも、国立公園での野外調査用にかなりの防寒具を用意していましたが、それを一番使ったのも実はDCでの通勤時でした。国立公園の現場では、天候が悪いときは無理に仕事はしませんし、現場の仕事なので身体を動かすことが多く、分厚い服はかえってじゃまになってしまいます。ところが通勤の方は違います。徒歩で片道十分程度なのですが、毎日同じ時刻に外に出なければなりません。これまでの自動車通勤にすっかり慣れてしまっていました。
 毎日、天気予報を確認し、温度計で気温を測ります。そしてロシア風の綿入りの帽子、ゴアテックスのダウンの上着、スキーウェアのような厚手のズボン、そして防寒ブーツと手袋を身につけて雪だるまのようになって家をでます。
 これでも事務所に着く頃にはすっかり体が芯から冷えてしまっています。それでも、途中目にする通勤の光景はこれまでになかった経験でした。大勢のアメリカ人が歩道を歩いているのは、これまでの田舎暮らしでは見られなかったことです。それにしても、みな寒いのに薄着なのには驚かされました。

(記事・写真:鈴木 渉)

〜著者プロフィール〜

鈴木 渉
  • 1994年環境庁(当時)に採用され、中部山岳国立公園管理事務所(当時)に配属される。
  • 許認可申請書の山と格闘する毎日に、自分勝手に描いていた「野山を駆け回り、国立公園の自然を守る」レンジャー生活とのギャップを実感。
  • 事務所での勤務態度に問題があったためか以降なかなか現場に出してもらえない「おちこぼれレンジャー」。
  • 2年後地球環境関係部署へ異動し、森林保全、砂漠化対策を担当。
  • 1997年に京都で開催された国連気候変動枠組み条約COP3(地球温暖化防止京都会議)に参加(ただし雑用係)。
  • 国際会議のダイナミックな雰囲気に圧倒され、これをきっかけに海外研修を志望。
  • 公園緑地業務(出向)、自然公園での公共事業、遺伝子組換え生物関係の業務などに従事した後、2003年3月より2年間、JICAの海外長期研修員制度によりアメリカ合衆国の国立公園局及び魚類野生生物局で実務研修
  • 帰国後は外来生物法の施行や、第3次生物多様性国家戦略の策定、生物多様性条約COP10の開催と生物多様性の広報、民間参画などに携わる。
  • その間、仙台にある東北地方環境事務所に異動し、久しぶりに国立公園の保全整備に従事するも1年間で本省に出戻り。
  • その後11か月間の生物多様性センター勤務を経て国連大学高等研究所に出向。
  • 現在は同研究所内にあるSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ事務局に勤務。週末、埼玉県内の里山で畑作ボランティアに参加することが楽しみ。
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