一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ横断ボランティア紀行

No.005

Issued: 2006.09.14

マンモスケイブ国立公園の夏

目次
ケンタッキーの5月
フィールド調査の毎日
両生類調査と歯科治療(6月)
バターナッツ調査とハチ(7月)
ヘンリーさんのインタビュー(国立公園の事業評価)
「ガーリックマスタード」除去作業(外来種対策)
環境省からの依頼メール(その2)
公園のパンフレット
パークニュース
レンジャープログラム予定表(Ranger-Led Activity Schedule:A5判1枚)
洞窟内の無脊椎動物調査

 マンモスケイブ国立公園でのボランティア生活も1ヶ月を経て業務にも慣れてきたある日のこと。出勤前にメールをチェックしていたところ、久しぶりに環境省の同僚からメールが届いていた。日本を出発して以来、メールは1日1通来るかこないか。それもほとんどは友人や身内からだった。
 「お元気ですか?」から始まる少し長いメールは、至急の調査依頼だった。期限は1週間。調査内容は、国立公園における建設事業の事業評価とアセスメントの手法について。どうやらまたひと騒動起きているようだ。
 各種公共事業の事業評価制度は、日本でも国土交通省など公共事業官庁中心に導入されている。環境省の国立公園にもささやかながら公共事業費があり、ひと通りの事業評価制度もある。ところが、環境省の事業は国立公園の特別地域など保護地域で行われることが多く、施設の規模やデザイン、施工方法など、これまでもしばしば批判を受けてきた。
 アメリカの事業評価制度を参考にできれば、日本の制度の改善にも目処がつくはずだ。ところが、アメリカの国立公園事業は、これまでなかなか現場の情報が入手できていなかった。日本ではほぼ無名なマンモスケイブ国立公園ながら、情報源として当てにされているようで少し嬉しくもあった。
 依頼事項を急いで英訳して、出勤早々に上司のブライスさんのところへ持ち込んだ。
 「ヘッドクウォーター(公園管理本部)のヘンリー・ホールマンを知っているか? 彼は、マンモスケイブの「Mr. 事業評価」と呼ばれる男なんだ。ぜひ、話を聞いてみるといい」
 ブライスさんは、さっそくヘンリーさんとのインタビューのアポイントメントをとってくれた。

【写真1】インタビュー当時に行われていた公園内の車道新設工事現場。

【写真1】インタビュー当時に行われていた公園内の車道新設工事現場。

【写真2】工事完了後の様子。事業評価手続きを経ているとはいえ、相当の伐採を伴う大工事となった。

【写真2】工事完了後の様子。事業評価手続きを経ているとはいえ、相当の伐採を伴う大工事となった。


ケンタッキーの5月

 ケンタッキー州の5月は、オークの緑も濃くなり、暑さも増して夏の到来を感じさせる。オークとは、コナラやクヌギの仲間で、カシワの葉のような切れ込みが特徴だ(写真3)。マンモスケイブ国立公園も暑くなってきた。
 5月の最終週には、南北戦争など戦争犠牲者を追悼するメモリアルデーの祭日がある。多くの人が、ピクニックやバーベキューに出かけるにぎやかな1日となる。慣例的に、この日からホリデーシーズンの幕が開ける。
 マンモスケイブ国立公園は、キャンプ、乗馬でのトレッキング、釣り、カヌーなどのレクリエーションが手軽に楽しめる。都市から比較的近い上に入場料が無料なので、地元の利用者も多い。毎年この時期には、休暇シーズンに急増する利用者に合わせて、臨時職員やボランティアが大増員される。ボランティアハウスや臨時職員用の宿舎(長屋)はほぼ満室になる。

【写真3】オークの枯葉。左側がレッドオーク、右側がホワイトオーク。

【写真3】オークの枯葉。左側がレッドオーク、右側がホワイトオーク。

【写真4】グリーン川と公園を覆う森林。すっかり緑が濃くなった。

【写真4】グリーン川と公園を覆う森林。すっかり緑が濃くなった。


写真4とほぼ同じ映像がライブカメラで楽しめる。

ライブカメラは、公園内の大気汚染をモニタリングするために設置されている。他の公園でも同様のライブカメラが設置されている。

【写真5】グリーン川を見下ろす歩道の手すりに取り付けられているライブカメラ

【写真5】グリーン川を見下ろす歩道の手すりに取り付けられているライブカメラ

【写真6】ルームメイトのアーニーさんが公園のキャンプサイトでバーベキューをごちそうしてくれた。

【写真6】ルームメイトのアーニーさんが公園のキャンプサイトでバーベキューをごちそうしてくれた。

【写真7】休暇シーズンに入ると、人気のケイブツアーはすぐ一杯になる。

【写真7】休暇シーズンに入ると、人気のケイブツアーはすぐ一杯になる。


フィールド調査の毎日

【写真8】公園職員のジョナサンさん、ボランティアのニコルさんと鍾乳洞内の大気モニタリング調査へ

【写真8】公園職員のジョナサンさん、ボランティアのニコルさんと鍾乳洞内の大気モニタリング調査へ

 夏はフィールド調査の季節でもある。到着から1ヶ月、ようやく登山靴やコンパスなど一通りの装備も到着していた。ボランティアが参加する調査には、公園側が行政的な目的のために実施するモニタリング調査と、大学からのプロポーザルにより実施する学術的な調査がある。国立公園側が審査し、必要と認めたプロジェクトを大学と共同して実施する。この場合、大学側が調査を設計して担当する学生を送り込み、公園側は大学研究者の滞在施設、地理情報システム(GIS)のデータ、スタッフの提供などを行う。その「スタッフ」として活躍するのが、私たちボランティア職員だ。
 公園の中はハチの巣をつついたような状態で、私たちはあちこちの業務に引っ張り出された。大学の夏休みの終わる8月末まで、大いに活躍する(=こき使われる)ことになった。


両生類調査と歯科治療(6月)

 両生類調査の下準備のために山道を歩いていた日のこと。小腹が空いたので、妻からキャラメルをもらう。国立公園の勤務は朝が早い。お昼前には結構お腹が減るため、アメやキャラメルを持ち歩いていた。「あれ?」、何やら歯に異物が触れる。歯の詰め物がとれていた。やっと生活が落ち着いてきた矢先、見知らぬ土地で歯科診療を受けることになった。
 その日私たちが参加したのは、「大規模管理火災による鳥類及び両生類の個体群変化プロジェクト」というものものしい名称の調査だった【1】。責任者はデューク大学大学院生のキャサリンさんという女子学生。プロジェクトリーダーになるのは今回が初めて。日本人ボランティア2人をあてがわれて、少々当惑気味だ。調査には、テネシー大学の大学院生のニコルさんという女性ボランティアも参加していた。調査は、日中に準備をして、雨が降った日の午後9時から午前1時まで実施される。妻は日中の準備作業のみ参加し、夜間の調査には参加しなかった。ニコルさんは夜間の調査にも参加する。彼女は野生生物を研究している大学院生で、フィールドワークにも慣れているようだ。

【写真9】プロジェクトリーダーのキャサリンさん。妻は昼間の準備作業のみ参加した。

【写真9】プロジェクトリーダーのキャサリンさん。妻は昼間の準備作業のみ参加した。

 調査開始早々に歯の詰め物がとれるアクシデントは、トラブル続きとなったこの調査の前兆だったのかも知れない。
 リーダーのキャサリンさんは張り切って作業を指示するが、よくよく聞くと調査計画にかなり無理がある。夜間調査なのに懐中電灯の予備電池がない。事務用品も足りていない。大学の研究費の会計処理が追いついていないそうだ。国が変わっても苦労はやはりお金のことかと妙に納得してしまう。
 これ以降、私たちは必ず自前で予備の用具を持参することにした。予備の充電池も食料も持っていく。調査のリーダーは、公園職員のブライスさんのように用意周到な人ばかりではなかった。
 調査は大雨や霧の夜など、林床が十分湿っている場合にのみ行われる。正直言ってあまり気の進む調査ではなく、天気予報を見て一喜一憂する毎日となった。霧の夜の森は特に気味が悪い。調査地点への経路にはあらかじめ反射テープを貼っておくが、これも経費の都合でみみっちく小さく切って使っているので、霧が出てくるとほとんど見えない。夜間にコンパスと歩測だけで調査地点に向かうのはかなり骨が折れる。嵐の夜に、目の前50cmほどのところに立ち木が倒れてくるという経験もした。
 それでもキャサリンさんはまったくめげない。雨の中、サンショウウオを探して、1m/分のスピードで15mの区画を這いつくばって進む。
 結局、見つかったサンショウウオは1匹たらずだった。鍾乳洞ではかなり頻繁に見られるのに地上で見られないのは奇妙なことだった。公園周辺の大気は、東海岸の都市部や近傍の発電所などから汚染物質が流れてくるとも言われている。両生類が減っているのもその影響だという。
 調査に先立って、サンショウウオの棲息状況の予備調査ぐらいしてもよさそうなものだが、どうやら、突然教授から指示を受けたらしい。ぶっつけ本番、とにかく次の学期が始まるまでに調査を終えなければならないようだ。聞いているとどこにでもありそうな話だが、思うような結果が出ず、修士号取得が1年延びるかもしれないという意味では、キャサリンさんがもっとも落ち込んでいただろう。


【写真10】サンショウウオ(これは鍾乳洞内で撮影したもの)

【写真10】サンショウウオ(これは鍾乳洞内で撮影したもの)

 歯の治療の方は100ドル程度で治った。アメリカの医療費は高いと聞いていたので拍子抜けする思いだった。ところが、単に詰め物を入れ直したただけだったらしい。その後虫歯が進行し、数ヵ月後には神経がいかれた。改めて歯根治療をしたところ、今度は請求額が一桁上がっていた。


バターナッツ調査とハチ(7月)

 7月にはバターナッツ調査に携わることになった。バターナッツはクルミの一種で、かつてアメリカの南東部から北東部にかけて広く分布していた。第3話で紹介したアメリカンチェスナッツ同様、近年は中国などアジアからの輸入木材から感染した病原菌により、急激に個体数が減少している。それでも公園内には100本程度が確認されている。
 テネシー大学では、生存個体の分布からコンピューターモデルを作成し、再導入最適地をシミュレートする研究を行っている。今回の調査は、開発中のモデルにより特定した地点の適性を調査し、モデルを改善することがねらいだ。あわせて、まだ見つかっていない生存個体や、生存個体の実を回収することも期待されている。発芽能力がある実は少ないが、うまくすれば苗木を育てることができる。
 「バターナッツ・ハンティング」と呼ばれるこのプロジェクトは、まだ見ぬバターナッツの「大レフュージ(残された聖域)」を探すという、いかにもアメリカ人好みの内容だった。ところは、「スタッフ」として駆り出されたのは、なぜか私たち日本人2人だけだった。

【写真11】責任者のローラさんとバターナッツの樹高を測定しているところ。

【写真11】責任者のローラさんとバターナッツの樹高を測定しているところ。

 バターナッツは、谷底の湿った窪地や、湿った北斜面を好む。一方、コンピューターモデルは、現実の地形などお構いなしにものすごい地点を次々と地図上に示す。この事業の担当はテネシー大学研究生のローラさんという若い女性だったが、ローラさんはどちらかというとモデル計算が専門。地形図もあまり読めない様子で、とにかくGPS【2】が指し示す方向に突き進んでいく。当初は私たちもおとなしく従っていたが、石灰岩と砂岩からなるマンモスケイブ国立公園にはとにかく崖が多く、無闇に歩き回るのは危険だ。その上、谷底に入ってしまうとGPSの精度もかなり疑わしい。方針を変えて、高性能の双眼鏡を手に、バターナッツの樹皮の白い縞模様を目視で識別することにした。また、道路からのアプローチにこだわらず、カヌーで川から調査することなどを提案した。

 マンモスケイブの5月〜7月は、あらゆる生命活動が活発だ。天候も、集中豪雨や竜巻が発生するなど荒れることが多い。調査中はトランシーバーを持ち歩き、集中豪雨情報に気をつけるようにしたが、カヌーで調査にでかけると避難が間に合わないこともあった。
 公園内を流れるグリーン川とノーリン川は護岸のない自然河川で、ビーバーも多数生息している。河畔林には、中途半端に根元を囓られた枯れ木があちこちにあり、時々強風に吹かれ倒れてくる。そんな中で調査をすることもあった。
 プロジェクトを担当する学生たちは、経費削減のため、毎週大学の車で片道5時間の道程を往復してくる。そのためか、少々の荒天には構わず調査を続ける。リタイヤ組のボランティアが、これらの大学プロジェクトに割り振られない理由もようやく合点がいった。
 だんだん作業にも慣れてくると、私たち夫婦2人だけで調査作業に出されるようになった。調査計画を自分たちで組めるのはよかったが、公園の森林がかなり危険なところだということもわかってきた。
 いつものようにバターナッツを探していると、足元に何かいる。踏み出した足の下には、とぐろを巻くガラガラヘビが!
 ミツバチほどの大きさの地蜂の一種、イエロージャケットというスズメバチもよく見かけた。毒が強い上、おしりの針とアゴとで交互に何度でも刺すので、襲われたらとにかく走って逃げるしかない。妻は両手を刺されて散々な目にあった。私も9ヶ月間で3回も刺された。1度は左手の薬指を刺され、腫れがひどく、指輪が抜けなくなるところだった。当時はイラク戦争真っ只中。負傷した兵士が、指輪を切断するか薬指を切断するか、選択を迫られた際に、迷いなく指を切断させたという逸話が評判だった。私は当然のごとく指輪を切断することを選ぶつもりだったが、幸いなことに腫れあがる前に指輪を抜き取ってしまうことができたため、無用な気苦労をせずに済んだ。
 とにもかくにも調査は進み、2週間で60地点の調査を実施し、またバターナッツの木4本が新たに確認できた。


【写真12】カヌーを漕いで調査へ

【写真12】カヌーを漕いで調査へ

【写真13】ビーバーに囓られた木の根元

【写真13】ビーバーに囓られた木の根元


ヘンリーさんのインタビュー(国立公園の事業評価)

 環境省から依頼のあった事業評価のインタビューは、メールが届いた2日後に実現することになった。このインタビューは、研修中行った60回を超えるインタビューの記念すべき第1回だった。同時に、多くの反省点を残す結果となった。
 ブライスさん曰く、ヘンリーさんは「顔つきや雰囲気はいかめしいが親切」な職員で、マンモスケイブ国立公園に20年以上も勤務している。同じ南東地域に位置する他の国立公園ユニットにも、自ら作成したマニュアルなどを提供しているそうだ。
 インタビューの冒頭で、日本から送られてきた質問事項を逐一英訳した文書をお渡ししたが、結局は一方的にお話しを伺う形になった。アメリカの事業評価は、国家政策評価法(National Environmental Policy Act:NEPA)から始まる複雑で難解なものだったが、お話しを伺っているうちに、アメリカにおける事業評価の考え方や予算執行との関係などが何となくわかってきた。ちなみに、組織的にはcompliance(法令順守)として扱われているそうだ。
 環境省からの質問事項については、説明の合間に必死に聞いてみるが、しょせん制度そのものが違うので、環境省の同僚が期待するような回答、すなわちそのまま日本の制度に生かせるような話はなかった。

 興味深かったのは、事業評価の重要な機能を、他でもない私たちが研修する科学・資源管理部門が担っているということ。科学・資源管理部門が30年にわたって作ってきたインベントリー(目録)やモニタリングの成果がなければ、国立公園内の事業についてしっかりした事業評価をすることはできないという。説明の合間に、「日本の国立公園には科学・資源管理を担う部門がないそうだけど、どうやって評価しているの?」と逆にヘンリーさんから質問される始末だった。確かに、この分野は日本が学ぶべきことが山積している。

【写真14】国立公園局南東地域事務所の事業評価のフローチャート

【写真14】国立公園局南東地域事務所の事業評価のフローチャート


「ガーリックマスタード」除去作業(外来種対策)

 ガーリックマスタードは、ニンニク臭のあるアブラナ科の草本性の植物だ。食用もしくは薬草としてヨーロッパからもたらされた。1868年にニューヨーク州で初めて記録され、1991年までには中西部から北東部にかけての28州に分布している【3】。この地域に持ち込まれた外来種である。繁殖力の強い植物で、5月末から6月にかけて種子をつける。いろいろと忙しい時期だが、種子が成熟する前に除去作業を完了しなければならない。
 久々にわれらがブライスさんの担当するプロジェクトに参加することになった。
 「みんな、今日はこの一帯にあるガーリックマスタードを一本残らずやっつけるぞー!」
 大勢のボランティアを前にブライスさんも張り切っている。

 このところ、学生さんの「ボス」に仕えて作業することが多くなっていたが、準備や安全管理の万全な公園職員担当のプロジェクトは本当に安心して参加できる。抜き取った植物を入れる袋が十分に用意され、作業工程がしっかりしている。そんなごくごく当り前のことすらありがたく感じられた。
 長くインタープリテーション部門にいたブライスさんだけに、産まれたばかりの仔ジカ(ホワイトテイル・ディアー)が息をひそめてうずくまっていたりすると、その場で即座にインタープリテーションが始まる。何の変哲もないオークの森にも、数え切れない生き物の物語が息づいていることを実感する。
 ブライスさんは、ボランティアプログラムの特徴をうまく生かしてプロジェクトを動かしていた。このプロジェクトがしっかりとしていた、もうひとつの理由だ。ボランティアには様々な人がいる。1日しか参加できない人、10名単位で動員が可能なグループ参加者、数は少ないが高い専門的技能を持つSCA奨学生など。
 私たちが、練習を兼ねてバターナッツの予備調査をしていた5月、ブライスさんはGISの知識のある大学生ボランティアを連れて、ガーリックマスタードの分布調査をしていた。分布面積と密度から、大まかなの作業計画をつくり、ボランティア・コーディネーターのメアリーアンさんに伝える。必要なボランティアをホームページで募集したり、事前に研修目的でボランティア活動の申し込みをしていた団体に打診したりすると、案外簡単に必要な人員を集めることができる。もちろん、ビジターが少ない平日には、手が空いているインタープリテーション部門や環境教育部門のボランティアも動員される。こうしてかき集められたボランティアで一斉に除去作業をするため、最近ようやく数も減ってきたそうだ。
 除去作業が行われた区域はGIS上に記録され、翌年以降の除去作業の資料となる。

【写真15】ガーリックマスタードのおひたし。意外にも、茹でてしまうと無味無臭だ。

【写真15】ガーリックマスタードのおひたし。意外にも、茹でてしまうと無味無臭だ。

 「今日の収穫は全部で14,000株! みなさんお疲れ様でしたー」
 ブライスさんの号令でようやく作業が終了する。植物を入れたビニール袋が、トラックの荷台に山積みになった。
 なお、公園内では、ガーリックマスタード以外の外来種についても除去作業が進められている。ボランティアは自主的に除去作業を進め、中には休日の早朝6時から作業しているボランティアもいる。必要な薬品、作業用具などは公園から無償で提供されるものの、その熱心さには驚かされる。
 科学・資源管理部門の職員はそれぞれが各分野の専門家であると同時に、ボランティアのコーディネーターでもある。一人一人のボランティアが興味を抱くことや、希望・要望などを細かく聴いて、各自に合った作業内容やスケジュールの調整に労を惜しまない。これはなかなかまねのできることではない。


環境省からの依頼メール(その2)

【写真16】マンモスケイブ国立公園のパンフレット(下)とパークニュース(上)

【写真16】マンモスケイブ国立公園のパンフレット(下)とパークニュース(上)
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 6月末にまた環境省からのメールが舞い込んだ。今回もかなり急いでいる。調査内容はアメリカのビジターサービスについて。日本の国立公園のサービスを改善するため、先進事例を集めているそうだ。できればイエローストーンやグランドキャニオンなどの大公園の例がほしいなどと未練もあるようだが、それは無理な相談だ。とにかくマンモスケイブのビジターサービスの実態を調べてみようと、今回もブライスさんを頼ることになった。
 幸いにも、ブライスさんは前年までインタープリテーション(自然解説)部門のパークガイドだった。この分野では12年間のキャリアがあり、関係者にも顔が広い。さっそくインタープリテーション部門の担当者と、パンフレットなどの印刷物の作成を担う部署の担当者にコンタクトをとってくれた。あいにくインタープリテーション部門では、夏休みシーズンで多忙のため対応できないとのことだったが、印刷物を担当するトレス・セイモア視覚情報専門官へのインタビューをセッティングしてもらうことができた。トレスさんは、公園のパンフレットなど、印刷物のデザイン、執筆、発注などを担当している職員だ。
 トレスさんからの聞き取りから、マンモスケイブ国立公園が提供する印刷物には以下の3種があることがわかった。

  1. 公園のパンフレット(Park folder:地図入りパンフレット)
  2. パークニュース(Park news paper:タブロイド型の情報誌)
  3. レンジャープログラム予定表(Ranger-Led Activity Schedule:A5判1枚紙)

 これらの印刷物は国の予算を使用するため、すべてワシントンDCにある連邦政府印刷事務所(United States Printing Office)に発注するという。


公園のパンフレット

 公園のパンフレットは、国立公園局が管理する国立公園ユニットのすべてに備え付けられている。公園の歴史や概要などが記載されたオールカラーの地図入りのパンフレットで、パンフレットの上端に黒い線がデザインされていることから、別名「ブラックバンド」と呼ばれている。公園区域の全体地図には、ビジターセンターや主要なトレイルなどの位置が書き込まれている。パンフレットは、ウェストバージニア州にある国立公園局ハーパースフェリー・センター(Harpers Ferry Center【4】)で一括してデザインされ、連邦政府印刷事務所で印刷される。
 パンフレットの構成は、ユニグリッド・システム(uni-grid system)という規格を採用しており、多彩な内容が見やすく紙面上に配置されている。各国立公園からは、地図用のGISデータや解説文など制作に必要な情報、修正点などが提供される。資源管理部門の科学的な調査結果やGISデータなどがここでも活用されているわけだ。
 予算は、1部当たり50セント(約55円)。印刷部数に応じた金額を各国立公園がセンターに支払う。マンモスケイブ国立公園では、おおむね年に1回、25万部程度発注し、年間12万5千ドル(約1,375万円)をこのパンフレットの印刷費だけに使っている。何気なく公園で無料配布されているパンフレットに、実は1部50円以上の予算をかけている。これは驚きだった。


パークニュース

 パークニュースは、公園内のガイドツアーや各種利用者サービスに関する情報誌のことだ。各公園で製作するが、他公園のパークニュースを備えているのは一定規模以上の公園に限られる。編集は各公園が行うが、表紙のデザインの一部は様式が統一されている。年1回・10万部程度の発行で、印刷費用は7千ドル(約77万円、1部あたり約8円)。印刷はやはりワシントンDCの印刷事務所で行われる。印刷物の財源は、公園の協力団体(cooperate association【5】)からの寄付予算でまかなわれている。そのような印刷物には「Printed through the assistance of 〜(○○の協賛により印刷)」というクレジットが入る。


レンジャープログラム予定表(Ranger-Led Activity Schedule:A5判1枚)

 パークニュースは年に1度しか発行されないため、ガイドウォークなど季節ごとに変更されるビジターサービス関係の情報をとりまとめて配布しているのが「レンジャープログラム予定表」だ。マンモスケイブ国立公園では、年4回発行、夏季23,000部、冬季5,000部程度。A5判程度と小さいので、印刷枚数の多い夏季でも、費用は250ドル(約27,500円、1部あたり約1.2円)程度で済む。
 ケイブガイドツアーの催行時刻・料金や、キャンプサイトの料金と予約に関する情報などの詳細が記載されている。印刷費用にはパークニュース同様、寄付予算が充てられている。

 私たちは、なかば「環境省からの宿題」を片付けるつもりで、この2回のインタビューに取り掛かった。ところが、日常の調査業務とは違ったことを学ぶことができるだけでなく、日々の調査業務が、様々なかたちで他の公園の部署やビジターサービスとつながっていることを知る貴重な機会となった。
 ところで、パンフレットの制作には妻が強い関心を持った。実は公園にはフランス語、スペイン語、ドイツ語の概要版があるのに、なぜか日本語版はない。妻は、マンモスケイブにいる間に日本語版作成に挑戦することにした。ただ、作業を始めてみると、私たちの語学能力や知識ではなかなか翻訳しきれないところが山積していた。妻の奮闘は、この公園を出発する直前まで続くことになる。


洞窟内の無脊椎動物調査

 マンモスケイブ国立公園といえば、何といっても世界でもっとも長い鍾乳洞(総延長約590キロメートル)が目玉だ。ところが、この鍾乳洞内の生態系についてはまだわかっていないことが多い。現在も、米国内務省の魚類野生生物局と共同で、鍾乳洞内の生態系についてモニタリング調査が行われている。調査の一環で、洞窟内に餌(ニワトリの肝臓)の入ったトラップを設置し、トラップ内に入ってきた生き物の個体数や種数をカウントする調査に参加した。調査を担当しているのは、公園の無脊椎動物の専門家・カートさんだ。
 洞窟内の無脊椎動物(甲虫、ムカデの一種、カマドウマの一種など)は、光の全く差し込まない洞窟内で一生を終えるため、ほとんど視神経を有しない。色も白色か、白に近い淡い茶色の生物が多い。洞窟の中と外を行き来することのできる生物は、無脊椎動物ではカマドウマ3種、ほ乳類ではコウモリ、ネズミのみだ。これらの生物が洞窟内に持ち込む有機物が、洞窟内の生き物たちにとって唯一の栄養源となる【6】

【写真17】鍾乳洞に適応したカマドウマの一種(cave cricket)とそれを見る女の子(国立公園局ホームページより)

【写真17】鍾乳洞に適応したカマドウマの一種(cave cricket)とそれを見る女の子(国立公園局ホームページより)

【写真18】鍾乳洞内の河川に棲む目のない魚(国立公園局 NPS photoより)

【写真18】鍾乳洞内の河川に棲む目のない魚(国立公園局 NPS photoより)


【写真19】カートさんと鍾乳洞内の無脊椎動物を調査する

【写真19】カートさんと鍾乳洞内の無脊椎動物を調査する

 洞窟の内外を行き来する生物の中でも、カマドウマが洞窟内に運搬してくる有機物の量が多く、洞窟内の個体群維持にもっとも貢献していると言われている。カマドウマ3種のうち、洞窟内で繁殖するカマドウマは2種で相対的に長寿命だが、産卵数はわずか十数個と極端に少ない。ひとつひとつの卵が大きい。
 カマドウマに依存している生物には、カマドウマの卵を食べている甲虫と、カマドウマの糞を食べている甲虫及びムカデなどがいる。卵に依存する甲虫は生息数が比較的少なく、うち1種はまだ1個体しか確認されていない。
 このような希少な生物がみられる一方で、ケイブツアーが行われる区間は一般の公園利用者の往来も多く、踏み潰されている甲虫も見られるという。
 このモニタリング調査は、鍾乳洞内の環境容量を明確化し、将来のガイドプログラムの頻度や内容の改善につなげることも目的のひとつになっていた。


【1】大規模管理火災による鳥類及び両生類の個体群変化プロジェクト
マンモスケイブ国立公園では、オーク類の更新や大規模火災防止の観点から、人為的・計画的に火災を起こし、林床の若木や落葉を取り除く行為が行われている。このような管理火災(prescribed burning)は、林床に営巣する鳥類や、行動範囲の狭い縄張りの中で棲息する両生類(特にサンショウウオ)に大きな影響を及ぼすといわれている。
調査では、そのような影響を受けやすい生物を指標種として、管理火災の影響を評価する。管理火災実施箇所で鳥類の観察地点(半径50m)と、両生類の観察地点(縦2m、横15mの方形)を設定し、定点観測を行う。
【2】 GPS(Global Positioning System)
日本語で、全地球測位システムとも言われる。自動車に搭載されているカーナビゲーションのような機材で、調査地点の位置などを表示する。地球の周回軌道を回る24個の衛星から発信される情報を受信して、現在地の緯度・経度を計算している。ビルや木立の陰など電波を遮断・反射する場所では誤差も大きくなる。
【3】ガーリックマスタード
Garlic Mustard、学名:Alliaria petiolata
【4】国立公園局ハーパースフェリー・センター
ハーパースフェリー・センター(国立公園局ホームページ)
【5】公園の協力団体
各国立公園には協力団体として非営利団体が登録されており、ビジターセンター内での図書の有料販売を行っている。運営費用を差し引いた収益は、各国立公園の寄付予算(donation account)に入金され、公園の予算として使用される。  ちなみにマンモスケイブの協力団体は、Eastern Nationalという団体。
イースタン・ナショナル
【6】洞窟内の生き物と、栄養源
鍾乳洞内の地下水は、公園内を流れるグリーン川とつながっているため、魚など水中に棲む生物は洞窟外の川から流れ込んでくる有機物を餌にしているものと考えられている。ただ、鍾乳洞内に棲む魚もザリガニも、視神経は持たない。

<妻の一言>

パンフレット翻訳

 アメリカ国立公園のボランティア研修は、あくまで主人が主役であり、私はおまけのような存在です。ただ、私でも何かできることはないかということで、公園のパンフレットを翻訳することになりました。
 マンモスケイブ国立公園は、日本からのビジターも少なくなく、ビジターセンターのカウンターには日本語を話せるボランティアもいるとのこと。ボランティア・コーディネーターのメアリーアンさんも、「公園への理解も深まるし、英語の勉強にもなるわよ」とパンフレットの翻訳を後押ししてくださいました。優秀な電子辞書もあるからと張り切ってはじめたものの、意外に大変な作業でした。
 各公園にはそれぞれパンフレットが備えられています。横長に折りたたまれていることから、パーク・フォールダー(park folder)と呼ばれています。パンフレットには、公園の歴史や地図、連絡先など一般的な情報がカラーで掲載されています。パンフレットの上端に黒い帯が印刷されているため、公園の職員の間では、通称「ブラックバンド」とも呼ばれています。この黒い帯は、パンフレットなどの印刷物に限らず、説明版やホームページのデザインにも使われ、国立公園としての統一されたイメージを提供することに役立っているそうです。
 この黒い帯を入れるデザインは、もともとワシントンDCの地下鉄の駅名表示に用いました。その駅名表示のデザインはニューヨーク在住のマッシモ・ビンゲッリ(Massimo Vingelli)氏が考案したものだそうです。国立公園局では、同氏にパンフレットのデザイン規格統一のための検討を依頼したところ、「ユニ・グリッド(uni-grid)システム」が同氏より提案されました。ユニ・グリッドシステムとは、基本となるB判用紙を、あらかじめ決められたグリッド(格子)により大まかに区切り、文字や写真の配列をそれに合わせるものです。

【写真20】パンフレットの表側。公園の名前がブラックバンドに白抜きで表記され、写真や歴史、自然など公園の概要に関する説明があります。文章が格子状に配置されているのがご覧いただけるでしょうか。

【写真20】パンフレットの表側。公園の名前がブラックバンドに白抜きで表記され、写真や歴史、自然など公園の概要に関する説明があります。文章が格子状に配置されているのがご覧いただけるでしょうか。
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【写真21】パンフレットの裏面。彩色地図、利用案内などが掲載されています。

【写真21】パンフレットの裏面。彩色地図、利用案内などが掲載されています。
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 また、年に1回発行される2〜3色刷りのパークニュースという公園独自の新聞もあります。このパークニュースには季節に応じた情報が掲載されています。例えば、マンモスケイブの場合、ケイブツアーやその他のレンジャープログラムの見所や注意事項、キャンプ場の申し込み方法など、実際に公園を利用する際に必要な情報が掲載されています。

【写真22】ケイブツアーの様子。Fat Man's Misery(太っちょの悲劇?)は人気スポットの一つです。(国立公園局NPS photoより)

【写真22】ケイブツアーの様子。Fat Man's Misery(太っちょの悲劇?)は人気スポットの一つです。(国立公園局NPS photoより)

【写真23】レンジャープログラムの様子

【写真23】レンジャープログラムの様子

【写真24】バックカントリーキャンプ(国立公園局NPS photoより)

【写真24】バックカントリーキャンプ(国立公園局NPS photoより)


 私が当初翻訳しようと考えたのは、国立公園のパンフレットです。ところが、ルームメイトのボランティアから、パークニュースに掲載されている「ケイブツアー情報」もぜひ翻訳してほしいと依頼され、ケイブツアーの内容や注意事項についても翻訳することにしました。
 パンフレットの方は、日本語にしてレターサイズ用紙6ページほどでしたが、結局、マンモスケイブを離れる直前まで仕上がりませんでした。理由は簡単にいえば3つありました。1つは鍾乳洞に関する専門的な知識が必要なこと、2つめはアメリカの文化や周辺の地理、語学の知識が欠けていること、3つめは翻訳原稿を推敲してくれる人がなかなか見つからなかったこと、でした。
 1つ目の点についていえば、鍾乳洞に関する説明は、鍾乳洞の地図をどのように作っていくかということを専門書に当たらなければ自信をもって訳すことができませんでした。例えば、GPSの使えない鍾乳洞では、現在でも昔ながらの方法で調査が行われているそうです。
 2つ目の点が、実は理解するまで時間がかかった部分でした。マンモスケイブ国立公園は、実はアメリカの独立戦争の歴史にも深く関係しています。初期の鍾乳洞は、火薬製造原料として欠かせない硝石の「鉱山」でした。イギリスによって硝石の輸入ルートを絶たれた独立軍は、鍾乳洞内に堆積したコウモリの糞から硝石を抽出しました。それにより何とか火薬原料を確保した独立軍は、イギリス軍との戦争に勝つことができたわけです。こうして、独立戦争が終わる頃にはマンモスケイブの名は知れわたり、多くの人々がマンモスケイブを訪れるようになったわけです。硝石の掘削は奴隷たちの手で行われましたが、鍾乳洞の利用が硝石の掘削から観光に代わると、奴隷たちはガイドとして活躍しました。身分はどうあれ、鍾乳洞のことを熟知して様々なアトラクションを披露するケイブガイドは、観光客に大人気だったようです。今でも、このようなガイドの墓がビジターセンターの奥の方に残され、レンジャープログラムの重要なテーマのひとつになっています。

【図】硝石抽出の様子(国立公園局ホームページより)

【図】硝石抽出の様子(国立公園局ホームページより)

【写真25】現在でも掘削跡がそのまま残されています(Finley-Holiday Film Corp.)

【写真25】現在でも掘削跡がそのまま残されています(Finley-Holiday Film Corp.)

【写真26】ガイドとともにポーズをとる観光客(国立公園設立前の1900頃の写真、国立公園局NPS photoより)

【写真26】ガイドとともにポーズをとる観光客(国立公園設立前の1900頃の写真、国立公園局NPS photoより)


 公園内の地質や生き物などに関する記述の翻訳についても苦労しました。中でも「strollerは禁止されている」というフレーズの誤訳にはひやっとさせられました。strollerは辞書では「放浪者」が先に出てきます。「放浪者は立ち入り禁止」と書いてみたものの、何か変です。よく調べてみると、どうやら「ベビーカー」のことをさしているようでした。このような安全対策や利用の条件に関する記述は、「うっかり」の誤訳が許されない部分です。
 やはり、翻訳したものを誰かに推敲してもらわないとならないと、ビジターセンターのボランティアであるジョーさんにお願いすることにしました。ジョーさんはアメリカ人ですが、日本で働いていたこともあって、漢字にもほとんど不自由しないほど日本語が上手でした。10年間以上にわたって、毎週土曜日にビジターセンターのカウンターでボランティアとして働いていらっしゃいます。
 パークニュースの翻訳でも同じことが言えますが、公園のパンフレットでは安全対策と利用案内が重要です。誤訳が事故や思わぬ利用者の不都合を招きかねません。ケイブツアーの装備についての説明、階段の段数や高低差などを元にしたツアーの難易度、ツアー参加の注意事項などが非常に細かく記述されています。
 安全対策はもちろんですが、時間帯(time zone)に関する注意事項1つとってみても、とても大事なことが書かれています。マンモスケイブ国立公園はセントラルタイムゾーン(中部時間帯)に属していますが、同じケンタッキー州でも車で1時間半ほど北方にあるルイビルという都市はイースタンタイムゾーン(東部時間帯)に属しています。せっかくケイブツアーを予約しても、時間帯が異なることを忘れていると、出発時刻を逃してしまうこともあります。
 思わぬ役得もありました。パンフレットの翻訳をしてくれているということで、いくつかのツアーに無料で招待していただけたのです。中には数十ドルもかかるツアーもあり、自前ではなかなか行きづらかったのですが、行ってみて初めてわかることも少なくありませんでした。
 結局、多くの方々に御協力いただき、どうにか翻訳が完成しました。ビジターセンターのカウンターにその日本語のパンフレットが置かれ、少しでも誰かのお役に立っているのなら、こんなに嬉しいことはありません。

【写真27】ビジターセンターのカウンターで案内を受けるビジター(NPS photoより)

【写真27】ビジターセンターのカウンターで案内を受けるビジター(NPS photoより)


(記事・写真:鈴木 渉)

〜著者プロフィール〜

鈴木 渉
  • 1994年環境庁(当時)に採用され、中部山岳国立公園管理事務所(当時)に配属される。
  • 許認可申請書の山と格闘する毎日に、自分勝手に描いていた「野山を駆け回り、国立公園の自然を守る」レンジャー生活とのギャップを実感。
  • 事務所での勤務態度に問題があったためか以降なかなか現場に出してもらえない「おちこぼれレンジャー」。
  • 2年後地球環境関係部署へ異動し、森林保全、砂漠化対策を担当。
  • 1997年に京都で開催された国連気候変動枠組み条約COP3(地球温暖化防止京都会議)に参加(ただし雑用係)。
  • 国際会議のダイナミックな雰囲気に圧倒され、これをきっかけに海外研修を志望。
  • 公園緑地業務(出向)、自然公園での公共事業、遺伝子組換え生物関係の業務などに従事した後、2003年3月より2年間、JICAの海外長期研修員制度によりアメリカ合衆国の国立公園局及び魚類野生生物局で実務研修
  • 帰国後は外来生物法の施行や、第3次生物多様性国家戦略の策定、生物多様性条約COP10の開催と生物多様性の広報、民間参画などに携わる。
  • その間、仙台にある東北地方環境事務所に異動し、久しぶりに国立公園の保全整備に従事するも1年間で本省に出戻り。
  • その後11か月間の生物多様性センター勤務を経て国連大学高等研究所に出向。
  • 現在は同研究所内にあるSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ事務局に勤務。週末、埼玉県内の里山で畑作ボランティアに参加することが楽しみ。