一般財団法人環境イノベーション情報機構

EICピックアップ環境を巡る最新の動きや特定のテーマをピックアップし、わかりやすくご紹介します。

No.044

Issued: 2003.04.17

ものを『買う』から『借りる』時代へレンタルビジネスが本格化

目次
家電レンタル利用者数が2,000人を突破
レンタルは製品の長期使用・リサイクルを促進
蛍光灯を貸し出す新サービスも

家電レンタル利用者数が2,000人を突破

 東芝テクノネットワーク株式会社(東京都台東区、以下「東芝テクノ」)の家電レンタル事業が好調です。サービス開始から約1年半で利用者は2,000人を超えました。
 同社の「シングルライフ応援レンタルパック」は、一人暮らしの学生や単身赴任の会社員をターゲットにした家電レンタルサービス。2ドア冷蔵庫・全自動洗濯機・15型のビデオ付きテレビ・電子レンジの4品目を月額3,500〜4,500円で貸し出します。いずれも東芝製の新品。レンタル期間は2年・3年・4年の3種類。レンタル期間終了後は、月額一律3,000円で再レンタルしたり、4品目をまとめて2万円で買い取ることもできます。レンタル期間中は、無料で修理も行います。
 インターネットで申し込みを受け付けるほか、イトーヨーカ堂など大手スーパーや家電量販店の提携店店頭でも受け付けています。


レンタルは製品の長期使用・リサイクルを促進

東芝テクノネットワークは単身者向けに加え、新たに家族向け家電レンタルサービスも開始。提携するイトーヨーカドーの家電取扱店店頭などでも申し込める。(写真は、イトーヨーカドー新浦安店にて)

東芝テクノネットワークは単身者向けに加え、新たに家族向け家電レンタルサービスも開始。提携するイトーヨーカドーの家電取扱店店頭などでも申し込める。(写真は、イトーヨーカドー新浦安店にて)

 売り切りに対してレンタルは、使用済み製品が確実に回収できるので、リサイクルの促進に有効な手法として注目されています。一度レンタルした製品を別のユーザーに貸し出す場合は、製品の長期使用にもなります。
 東芝テクノの家電レンタルサービスの場合、ユーザーにとっても多くのメリットがあります。ひとつは、短期利用の場合は購入するより割安なこと。4品目を新品で購入すると、15万円前後かかります。一方、東芝テクノでレンタルすれば、2年レンタルの場合、レンタル費用は計10万8,000円。
 家電リサイクル法で使用者に義務付けられた廃棄時の費用負担も不要です。冷蔵庫・テレビ・洗濯機の3品目だけでもリサイクル費用は約9,700円。加えて各数千円の収集運搬費用がかかります。
 購入した場合は、ユーザーがこれら費用を負担しなければなりません。

 家電以外にも、個人向けの家具のレンタルをはじめた企業もあります。(株)フォー・ディー・コーポレーション(東京都港区)は、総額15万円以上の家具を月額数千円で貸し出すという事業を昨年(2002年)から行っています。

 このほか、株式会社サークランド(東京都江戸川区)が提供する家電・家具のレンタルサービス「かして!どっとこむ」でも、個人向けの家電・家具レンタルサービスを東京近辺で行っています。


蛍光灯を貸し出す新サービスも

蛍光灯の交換(本文とは関係ありません)

蛍光灯の交換(本文とは関係ありません)

 蛍光灯を貸し出すという企業向けのサービスも登場しました。松下電器産業(株)が昨年(2002年)4月に開始した「あかり安心サービス」です。
 松下の販売代理店が企業などに蛍光灯を貸し出し、利用者は、切れた蛍光灯を交換してインターネット経由で報告するだけ。在庫の補給や使用済み蛍光灯の処理などは全て、貸し出した販売代理店が行います。販売代理店は、松下が提携するリサイクル業者や廃棄物処理業者に処理を委託するため、蛍光灯の適正処理が推進できます。

 家電レンタル同様、利用者は蛍光灯の購入・維持管理・処理などの総コストを削減できるメリットがあります。使用済み蛍光灯をコストをかけて自社の責任で適正処理している企業の場合、総コストは15〜20%削減になるといいます。

 同社にとって、製品を貸し出すサービスは初めてですが、このサービスはメーカー側にも大きなメリットがあります。それは、顧客の囲い込みにつながること。蛍光灯市場では値下げ競争が激しく、いくら性能の良い製品を作っても、価格だけで売れ行きが決まるような状態が続いています。そこで、従来の売り切り方式と決別し、他社と差別化を図るため、同サービスを開始しました。
 サービス開始以降、問い合わせが相次ぎ、すでに損保ジャパンをはじめ11社がサービス利用契約を締結。このほか60社が契約手続きを進めています。

 異なる業種で登場してきたレンタル事業。環境面でもメリットの大きいこのビジネス手法が広がるか。今後の動向が注目されます。


(記事・写真:土屋晴子)