No.001
Issued: 2001.04.05
春だ!花見だ!
新しい年度がはじまりました。新たな門出を迎える人、また春の陽気とともに気分をリフレッシュさせる人など、それぞれの春を迎えていることでしょう。EICネットもこの春から全面リニューアルの新装オープンとなりました。
『Pick Up!』のコーナーでは、季節や時事的にホットなトピックスを定期的に取り上げ、インターネット上の環境情報のありかやそれぞれの主張について探っていきたいと思います。
第1回目は、春らしく「花見」を取り上げます。春の訪れを体いっぱいに感じながら、少しだけ考えたり調べたりしてみてはいかがでしょう?
桜の開花情報について
気象庁の報道発表資料では、さくらの開花予想を発表しています。全般的に平年並みとの予想通り関東以南では3月末には開花しているところが多く、先日31日の雪の土曜日に花見を予定(決行?)された方もいたのではないでしょうか。このサイトでは、さくら開花の等期日線図(桜前線)も紹介されています。
日本各地の「地域文化の交流」を目指す実験サイト「いいまち」でも、4月の特集として「日本の桜前線」を取り上げ、ビジュアル化された桜前線の紹介や、開花の仕組みとその予想方法などを紹介しています。
日本文化と桜の花見について紹介しているサイト
桜の種の識別をしたいときは、森林総合研究所多摩森林科学園の「桜入門」にある形質による検索がわかりやすいでしょう。写真を見ながら花の形や色、葉の形などを選んでいくと種名が調べられるほか、学名や和名からも検索可能です。それでもわからないときには、掲示板で問い合わせることもできます。
ところで、桜の木の下でお酒を飲みながらドンチャン騒ぎをするという日本の花見文化はどのように形成されてきたのでしょうか。そんなテーマを扱うサイトもいくつか見られます。
関西広域連携協議会と関西国際広報センターが運営する「KansaiWindow」に掲載されているコラム「自然を楽しむ日本の文化」では、「花」の鑑賞、花の下での「飲食」、大勢で楽しみ・騒ぐ「群集」の3要素を併せ持つ日本独特の文化について考察します。中国から渡来した観梅の宮廷行事・習慣が日本の野山に自生する桜に置き換わったこと、一方で農民の間に広まっていた「春山入り」の風習とが結びついたという日本の花見文化の誕生についても記されています。
また、「酒と桜の民族」では、西岡秀雄慶應義塾大学名誉教授の著書『酒と桜の民族』(絶版)を紹介して、「なぜ日本人が桜の木の下で酒を飲むのか?」という疑問の解明に迫ります。特に「サクラ」の下で「サケ」を飲んで浮かれる日本民族の習性がどこから来ているのか、学校では教えられなかった面白い物語の数々が紹介されています。
市民参加の桜分布・開花等に関する情報交換や調査のまとめなど
各地のサクラの写真などを紹介しているサイトもいくつかみられます。朝日新聞の「お花見前線」では、読者からの「桜の風景」の写真を募集して掲載しています。さまざまな地域の桜の風景が簡単なコメントとともに紹介され、各地の桜の状況やそれを見る人の視線や感じ方を慮ることができます。
市民参加の環境調査を実施している自治体や、学校ぐるみで環境調査をするところも増えています。インターネットの利用によって、遠隔地間の連携も活発化し、身近な自然の特徴やそのよさがクローズアップされているかも知れません。
板橋区立エコポリスセンターでは、区民の「かんきょう観察員」が調べた結果をまとめて環境観察マップを作成しています。植物や鳥類、昆虫などの分布図がマップ上にプロットされ、区内の状況を一目瞭然に把握することができます。
また、岩手県・国連大学・NTTの3者共同で進める環境情報ネットワークの研究「いわて環境インフォメーション」では、岩手県内の小・中学校・養護学校が参加して桜の開花状況を報告する「桜開花一斉調査学習」を2000年度に実施しています。
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