一般財団法人環境イノベーション情報機構
このゆびとまれ!エコキッズ

教室にあるもの

目的

  • 気づき:身の回りにある多くのものが木材資源からできていることに気づく
  • 知識:木のさまざまな機能や役割について知る
  • 行動:木や木材資源の価値を再評価して、その特性にあった利用促進に協力できる

背景

2つの問題

本項のテーマは2つに分けて整理することとします。ひとつは、身の回りに使われている木材資源に注目し、木材の特性とそれを生かした日本の伝統的な木の文化について知り、その価値を再評価できること。もうひとつは、樹木あるいは森林そのものの機能や役割を知り、木や森林の保全や復元、創造の意味について理解することです。ともに関連し合い、現在の日本の森林問題の原因となっています。

2つの問題

項のテーマは2つに分けて整理することとします。ひとつは、身の回りに使われている木材資源に注目し、木材の特性とそれを生かした日本の伝統的な木の文化について知り、その価値を再評価できること。もうひとつは、樹木あるいは森林そのものの機能や役割を知り、木や森林の保全や復元、創造の意味について理解することです。ともに関連し合い、現在の日本の森林問題の原因となっています。

日本人と木の文化

日本人は古来より木と生活を共にしてきました。住居をはじめとする建築物は木造であったし、身の回りの道具も大部分は木製でした。日本の国土が森林資源に恵まれた森林国であり、木材がごく身近にあって手軽に入手できる材料だったこと、さらにきわめて加工しやすいという素材特性を持っていることなどが理由としてあげられます。

こうした背景もあり古くから発展してきた日本の木の文化は、しかし、近年になって次第に廃れてきています。明治の文明開化では、西欧の鉄とレンガとガラスの建築がもてはやされるようになりました。また、戦後の大都市への人口集中によって地縁も血縁もないサラリーマンが増えると、何のしがらみもなく洋風化した生活スタイルを送るようになり、賃貸の集合住宅が増えていくとともに、伝統的な木造建築は減っていきました。さらに、都市の防火地域 ・準防火地域の指定や、職業としての大工の減少なども、木造住宅の質的変化や木材使用量の減少を招いてます。

国産材の利用減少が国内の森林を荒廃させる

一方、国産材の利用の減少と、輸入材の増加も進んできました。輸入材は、天然林からの伐採が多いことや、日本の急斜面の森林と比べて平坦な森林が多く伐採や搬送などの管理に手間がかからないこと、また国によっては人件費が日本よりも低いことなどが理由となって、安く輸入されています。これに引っ張られて国産材の値段も原価割れするほどに暴落しています。戦後に、建築材や産業用材の確保を目的として国をあげて植林されてきたカラマツ、スギ、ヒノキは、国産材の値崩れもあって放棄されるようになり、全国各地の山林が荒廃しています。

森林のさまざまな機能

日本の急峻な国土では、森林が水源涵養や、土砂の流出や崩壊を防ぐために重要な役割を果たしています。こうした機能の保全を目的として、日本ではさまざまな保安林制度などが制定されています。また、海岸地方では風による砂の吹き込みや潮害を防ぐための防備林や、魚の生息や養殖を助ける魚つき林、また名所旧跡の風致を保存する風致林など、森林に対してさまざまな機能が認識されています。

また、森林は樹木の生えている場所という以上に、そこで生息する動植物の営みが展開される生態系の場としての視点を重視することが大切です。木材生産の場として一斉造林されたスギやヒノキの単相林は鬱蒼として下草も生えず、動植物が少ない環境となっています。一方、広葉樹も多い原生林や里山の2次林は、明るく、多種多様な生態系が息づいています。折れた枝や落ち葉などは微生物などの作用によって分解されて土壌を肥沃化し、水の保水力も上がります。

スギ花粉症と人間活動の影響

近年、花粉症に苦しむ人が増えています。中でも、植林されたスギが発生源となっている「スギ花粉症」は、日本人の10人に1人、都心部では5人に1人ともいわれ、しかも年々増え続けています。
この背景には、戦後に一斉植林されたスギやヒノキが生長して成木が増えていること、また管理の手が入らなくなって、勢いの衰えた木が子孫を残そうと多くの花粉をつけること、さらに都心部の汚染された大気中に含まれる微粒ダストが花粉表面を傷つけ中のアレルゲンが出やすい状態になったり、浮遊時に微粒子が付着して抗原性を増すことなどが原因としてあげられています。また、コンクリートで覆われた都市環境や、欧米化した食生活が鼻など粘膜の過敏性を高めていることも原因のひとつと考えられています。
スギの花粉が直接の原因ではあるものの、その根底には現代のさまざまな環境問題が複合的に作用して起こる問題といえます。

発展

PLTのアクティビティ

アメリカで広く普及している環境教育のプログラムに、『PLT(Project Learning Tree)=木を通した環境プログラム』があります。日本にも『木と学ぼう−活動事例集』がERIC国際理解教育センター編訳で発行され、導入されています。89の活動事例が、@環境の意識化、A木々の多様な役割、B文化的状況、C社会的な視点、D自然の管理と生態系の相互依存、E生命維持システム、Fライフスタイルという7つの基本項目によって分類され、木をメインテーマにしながら、人間が周りの環境と調和して生きていくために必要な意識や知識、能力を身につけることを目的として体系的に構成されています。

「2番目のこぶた」

例えば、第2章「木々の多様な役割」の事例19では、「2番目のこぶた(『三匹のこぶた』より)」という活動が紹介されています。ワラで家を造った長男、レンガでつくった末っ子に対して、木で家を建てた二番目のこぶたということですが、この活動事例では、さまざまな建物の建築材料を調べて、天然素材とそうでないものを分類したり、再生できるものとそうでないものを区別するという作業を行います。外装/内装に使われるものなど、項目ごとに分類しながら整理し、資料や実際に作業に従事する人たちへの取材なども交えて調査します。
さらに、子どもの発達段階に応じて、機能性や、耐久性、経済性、美観、環境への影響などの点から評価したり、同様の視点から代替品について調べ、相互評価を行うなどの作業へと展開されます。さらに、家の模型づくりをすることで各国の文化についても学ぶことができる応用発展があります。教科なども社会科だけでなく、生活科、国語や図工など連携した幅広い展開ができます。
PLTについては、PLT日本事務局、ERIC国際理解教育センターに問い合わせるようにしてください。

割り箸に関わる諸問題

割り箸の使い捨ては資源の無駄遣いか?

木材資源の利用にまつわる話として、割り箸の問題は示唆深いといえます。主に中 ・外食産業や外出先などで使われる割り箸は、便利で現在の日本の食生活に欠かせないものとなっている反面、一度の使用で廃棄される木材資源として、ごみ問題や環境破壊の象徴として語られることもありました。しかし、日本の伝統的な割り箸製造では、木材から板や柱として利用する部分を取った残りの端材を有効活用してつくられていることから、逆にこうした活用方法がなければ産業廃棄物として捨てられることになり、さらに日本の木材需要の中で割り箸加工に使われる木材の全体に占める割合がわずかでしかないことから、割り箸だけを問題にするのではなく、日々の生活で浪費する紙や倒壊される家屋 ・建物から廃棄される廃材などについて取り上げていくことこそが必要だとの議論もあります。

単純には評価できない

南洋材から作られる割り箸は、1本の木全体が割り箸製造を目的として使われるため、端材の有効活用にはならず、資源の無駄遣いであって、割り箸といっても国産のものとは分けて評価する必要があるとの議論もあります。

さらに、割り箸の製造が衰退する国内林業の貴重な現金収入になるとも指摘されます。これらについて鑑み合わせた上で、割り箸問題については評価する必要があるといえます。

マイ箸の持参

箸の問題では、手軽なエコライフ行動として「マイ箸」を持ち歩く人も増えています。割り箸を使い捨てる代わりに、箸入れに入れて持ち歩く自前の箸を使うことで、無駄なごみをはぶくことができるため、環境配慮行動につながるという主旨です。

関連情報

社団法人  全国林業改良普及協会
森林を巧みに生かしながら育んでいくという林業の取り組みについて、身近に感じ、関心を高めるための情報提供等を行っています。
〒107-0052  港区赤坂1-9-13  三会堂ビル7F
TEL: 03-3583-8659
FAX: 03-3583-8465
財団法人  日本木材総合情報センター
〒112-0004  文京区後楽1-7-12  林友ビル
TEL: 03-3816-5595
FAX: 03-3816-5062
森づくりフォーラム
〒181-0013  三鷹市下連雀3-41-12-501
TEL: 0422-72-8217
FAX: 0422-72-8218
https://www.moridukuri.jp/
ERIC国際理解教育センター
ERICでは、「PLT(Project Learning Tree)」という、木や木の文化をテーマにしたアメリカの環境教育プログラム集を翻訳販売しています。また、PLTの指導者講習なども行っています。
〒114-0013  北区東田端1-14-1  岩瀬ビル 案内電話: 03-3800-9414
FAX: 03-3800-9410
http://www.eric-net.org/
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