一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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このゆびとまれ!エコキッズ

水のりょうは?

目的

  • 気づき:地球上にある水の有限性と、実際に使える淡水の量が非常に少ないことを知る
  • 知識:自然界の水の循環の仕組みと、人間活動の影響について理解する
  • 行動:水の使い方に配慮した生活ができる

背景

地球が「生命の星」といわれるのは水の存在による

生命にとって水は欠くことのできない存在です。人間の身体は重量比で約60%が水分で、血液やリンパ液として体内を循環しながら、栄養素や酸素の運搬、老廃物の排泄を行っています。また、体内のpHや浸透圧を保ち、発汗によって体温の調節も行っています。人は食料の補給がなくても数週間は生きのびることができますが、水分の補給がないと数日で死んでしまいます。人間社会にとって、古くから文明が流域沿いを中心に発展してきたように、水の確保は重要な課題となってきました。

地球上の水は97%が海水

われわれの日常生活で水は、朝の洗面からはじまって、料理、風呂、掃除や洗濯の他、トイレの水洗、植木や鉢植えの水やりなどなど、普段はそれほど意識されることなく無尽蔵に使われています。しかし、渇水期の取水制限や事故等による断水などが起こると、著しい不便を強いられます。また、大災害時の救援物資としてまず必要なのが、食料もさることながら水だといえます。
 われわれの普段の生活では、水は蛇口をひねればいつでもいくらでも出てくるようにも錯覚しがちですが、地球上の水のほとんどは飲用に適さない海水です。残りのわずかな(約3%)淡水のうち7割が南・北極地域等の氷として存在するため、河川、湖沼、地下水として存在する淡水は1%に満たない量でしかありません。

視点

水の循環と人間活動との関わり

水の循環と人間活動の影響に関して、いくつか論点を分けて整理すると理解しやすいでしょう。ひとつは、淡水が地球上の限られた場所にわずかにしか存在しないことを認識すること。次いで、これらのわずかな割合の淡水が、河川や地下水脈を流れて海へと至り、海面などから蒸発した水分が雨や雪となって地表面に降り注いで、土壌によるろ過などを経て清浄な水へと循環しているという自然界の水の循環を理解することです。さらに、河川や海、湖沼などが自然の構成者であると同時に、人間にとっての水源でもあり、かつ排水の放流先としても使われていることもあります。

世界の水使用量は約6倍に増加している

国連持続可能委員会の報告によると、世界の水使用量は1900年から約6倍に増加し、これは人口増加の2倍以上のペースになっているといいます。肥大化する人間活動が自然界の水循環に与える負荷や影響について理解し、どのような水の使い方をしていくかを考えていくことが重要となります。この時、地域の水の管理や保全に関する歴史や文化の視点は、今後の水との関わりのビジョンを形成する上でも役立つものとなります。

身近な地域の水との関わりを大事にしたい

環境庁は、昭和60年に日本の「名水百選」を発表しています。これは、「身近な清澄な水であって、古くから地域住民の生活にとけこみ、住民自身の手によって保全活動がなされてきたものを再発見するとともに、これを広く国民に紹介することを目的」としています。こうした身近な地域の水との関わりやその保全は百選として選ばれた以外にも各地にさまざまあります。

発展

地域の水利用の現状や歴史と文化を調べる

同じ水道水といっても、市町村によってその中身は全く異なります。大都市の水道は、一級河川を水源とした近代的な浄水施設が連想されますが、中には地下水を汲み上げて水源にしているところもあります。飲み較べる機会はあまりありませんが、味の違い、また料金の違いも顕著であることも多いようです。
日本の水道水は、主に河川、湖沼、地下水が水源となっています。それぞれ、独自の水質を持ち、また同じ河川水でも上流と下流では異なり、地下水も深度の差によって成分が違うなど、状況によっても水質は変化します。
水の汚染の状況も、水源と密接な関連性を示します。河川水への農薬の流入、湖沼に流入する生活排水とそれによる富栄養化がもたらすカビ臭、トリクロロエチレンなどの有機溶剤が浸透して汚染される地下水など、それぞれ特有の汚染経路があります。
地域の水利用や、水源について調べ、どのような特徴があるか、また過去の水利用の変遷など地域の水との関わりについて調べてみましょう。

関連事項

水の利用については、再生可能なエネルギー資源としての利用(「(2−1)電気のもとは?」参照)や、生活排水や下水による水質汚濁の問題(「(2−5)トイレの水はどこへゆく?」参照)、生物の生息環境としての水辺空間(「(2−6)学校にいる生きもの」や「(6−3)身近な水鳥」など参照)、水源について(「(6−4)川のはじまり」参照)など、人間とのさまざまな関わりがあります。

関連情報

環境庁の名水百選
環境庁水質保全局水質規制課
TEL: 03-5521-8318
http://www.eic.or.jp/eanet/meisui/
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