一般財団法人環境イノベーション情報機構
このゆびとまれ!エコキッズ

電気のもとは?

目的

  • 気づき:電気の使用に伴う環境負荷に気づく
  • 知識:化石燃料の有限性や、使用に伴って発生する地球温暖化などの環境負荷について理解する
  • 行動:電気の使い方に配慮した生活ができる

背景

拡大する人間活動と、環境への影響

エネルギーの利用は人間の活動を著しく発展させる原動力となってきました。しかし一方で、人間活動の増大は自然界の循環に影響を及ぼすほど大きくなりすぎているともいえます。
エネルギー消費と環境問題とのつながりとしては、エネルギー資源の枯渇性の問題と、使用の副産物として排出されるさまざまなごみの問題にわけて考えると整理がしやすいといえます。

資源の枯渇問題

エネルギー資源の枯渇性に関しては、生物化学的な物質循環系の中での再生可能性という概念を考える必要があります。枯渇性もしくは再生不可能なエネルギー資源には、太古に太陽エネルギーが蓄積された石油 ・石炭 ・天然ガスなどの化石燃料や、地球の生成時につくられたウラン鉱石などがあります。人間の時間スケールに較べてはるかに長い時間を経て形成されたものであり、人間活動の時間スケール内では再生しない資源という意味で枯渇性もしくは再生不可能性と定義されます。問題は、このような性質の資源を一部の人間が独占的に使ってしまっていいのかということです。先進国など一部の富める人々や、現世代の人間社会が使い切ってしまい、途上国や未来世代の人たちに使う権利を与えないようなエネルギー資源の使い方は正しいあり方といえるのか、ということです。

一方、再生可能なエネルギー資源は、主に3つに分類できます。古くから乾燥や暖を取るために使われてきた太陽熱や、木材資源など植物の光合成によるエネルギーの蓄積を利用するバイオマス、水車や風車として利用されてきた水や風の力など、太陽放射に由来するエネルギーがまずあげられます。近年開発の進む、波の力を利用する波力発電なども太陽放射に由来するエネルギー資源です。2つ目は、地球の自転および月や太陽の引力に由来するもの。潮汐力を利用してエネルギーを取り出そうという潮力発電などが研究されています。3つ目は地球内部の熱に由来するもので、地熱発電などの開発が進んでいます。これらは一般に枯渇性のエネルギー資源よりもエネルギー密度が低く、また供給が間欠的であるなど、安定的なエネルギー源とするには使いづらい面もあります。こうした欠点を克服して実用化するには、エネルギー効率の向上や蓄エネルギーの技術開発、また複数のエネルギー源を組み合わせて使うエネルギー供給体制の整備など、技術革新や社会システムの変化などが必要となります。

エネルギー使用の副産物の問題

もうひとつの問題であるエネルギー使用に伴う副産物の排出に関しては、化石燃料の燃焼によって排出されるCO2やSOx、NOxが大気環境に及ぼす影響(地球温暖化や酸性雨問題など)や、膨大な排熱が及ぼす地球放射の収支バランスや局所的な熱分布の乱れ(都市のヒートアイランド現象等)などの問題が発生しています。CO2排出による地球温暖化問題や、NOx、SOxの排出による大気汚染問題に関しては「(4−1)車とエネルギー」で、またヒートアイランド現象については「(4−2)気持ちいい並木道」で取り上げていますのでご参照ください。

自然は有限

いずれにしろ人間の活動が自然環境に多大な影響を及ぼす規模にまで増大していることが根本的な問題であり、互いに関連の強い問題といえます。われわれ人間がそのような存在になっていることをしっかりと認識することが必要であるといえます。

発展

環境家計簿をつける

「環境家計簿」と呼ばれるものがあります。ふつうの家計簿は、日々の金銭的な収支を記録することで家計の状況を把握し、無駄な出費を防いだり、計画的な金銭の使い方の指針として用いられています。同じように、環境家計簿は、一日の行動の中で使用するエネルギーの量などを記録し、二酸化炭素の排出量に換算することによって、日々の暮らしが環境に与える負荷の一面について定量的に把握することを目的としています。生活のどの場面で、どの程度二酸化炭素を排出することになるのか、定量的に認識できれば、無駄を省いたり、環境に配慮してより二酸化炭素排出量の少ない代替手段を選んでいくこともできるようになるわけです。

ひとくちに環境家計簿といっても、さまざまな種類のものが工夫されています。チェックシートのような簡単なもので生活を見直すきっかけとするものから、カレンダーに環境家計簿機能を付けて月ごと程度にざっくり記録していくもの、毎日記帳するノート型のもので細かく自己の行動が環境に与える影響について把握 ・管理していこうとするもの、また電気機器の使用時間などを入力すると結果を自動的に計算してくれるパソコン用のソフトの開発など、さまざまなものが作成されています。作成主体も、国や都道府県、地方公共団体などの他、消費者グループや環境団体などが自主的に取り組んでいたり、事業者が環境教育用のツールとして開発 ・販売する例などもみられます。

環境家計簿には、さまざまな情報や行動点検のチェック項目が設定されています。これらを日常的に確認することで、日々の生活を見直す視点や、よりよい行動へのヒントを得ることができるのに加え、定期的な繰り返しは環境配慮行動を習慣づけることにもつながります。
また、ひとりの作業として頑張りすぎるよりも、家族や地域の協力も得ながら、より大きな展開としてコミュニケーションを促進しながら楽しく進める工夫も考えられています。カレンダー型のものが家の中で掲示されることで家族全員の目に入ったり、子ども向けの環境学習教材として作成されたものが親を巻き込むきっかけになったり、他の家族との情報交換などを通して家族内だけでなく家族間のコミュニケーションを促進し、互いに励まし合うものもみられます。

環境家計簿のねらいは、消費生活上の省エネルギー行動を進めるという直接的な効果に加えて、産業構造そのものを見直し、変革していくことで根本的な省エネルギー社会を築いていこうとするものでもあります。今日の消費社会の中で、財やサービスの裏に隠され見えにくくなっているエネルギー消費は膨大なものとなっています。環境家計簿をつけることを通して、消費者一人ひとりが自らの暮らしを見直し、より環境への負荷が少ない商品や行動を選んでいくことが大切といえるでしょう。

自然エネルギーの体

自然エネルギーとは

再生可能エネルギーは、自然エネルギーともいわれます。自然エネルギーの定義は曖昧ですが、いくつかの概念的枠組みが示されています。ひとつは再生可能性という条件であり、もうひとつは小規模分散のローカルエネルギーということです。これまで、石油を中心とした大規模集中型のエネルギーシステムが高度に発達してきた一方で、いろいろな面で破綻をきたしています。自然エネルギーを考える上で重要なのは、利潤最優先の市場経済に組み込んでしまわないという視点だといえます。

利用の現状

現状の自然エネルギー利用は、技術開発は進んでいるものの、日本ではまだまだ実用化されているとは言い難いのが現状です。家庭に導入されている場合では、庭の水やりや庭の外灯など主に補助的なエネルギー源として使われることも多いようです。

自然エネルギーの体験

学習として行う場合、実用性についての吟味もさることながら、その原理や特徴を理解することがまずは大事です。そこで、簡単な実験によって自然エネルギーを体験する試みについていくつか紹介します。

(1)風力発電−モーターを使った簡易風力発電機(豆電球が点灯)

発電装置とは、力学的な仕事量を電気的なエネルギーに変換する装置です。市販の模型用モーターは電気を通して磁力を起こし、それによってモーターを回転する力を得ます。これを利用して、逆にモーターを回す力を外部から与えることで電気エネルギーを取り出す簡単な発電装置をつくって、自然エネルギーについて実感を得る。ここでは、モーターに羽根(風車)を取り付けて、風を送って回転し、電線につないだ豆電球を点灯させることでエネルギーが生成していることを確認します。

(2)水力発電−水車作り

ダムによる大規模な水力発電は、発電による二酸化炭素の排出がないので、火力発電と区別化するためクリーンエネルギーと呼ばれることがあります。しかし、ダムの建設自体が深刻な環境破壊でもあるため一般に自然エネルギーとはみなされません。一方、小規模の水車などを使ったものは、自然エネルギーのひとつと捉えることができます。(1)のモーターを使った簡易発電装置は、水力発電の模型にも応用できます。風車の代わりに水の流れで回わる水車を取り付けて、発電を確認することができます。

(3)太陽熱利用−ペットボトル熱温水器、ソーラークッカー

ペットボトルの表面を黒く塗って、中の水を温める太陽熱温水器や、アルミホイルなどを張って太陽熱を反射して、調理のための熱源を得るソーラークッカーをつくるなど、太陽熱の利用について実感することができます。

(4)太陽光発電−ソーラーパネルの利用

模型店などで、模型用の小型ソーラーパネルを購入することができます。こうした模型を使って、太陽光発電の仕組みや、電力と電圧の関係なども学習できます。一般の模型用モーターは、電池1本か2本分の電圧(1.5〜3V)で動くように設計されています。ソーラーパネルによる発生電圧はそれほど高くない(0.5V-1000mAや1.5V-400mAなど)ため、組み込むギアの歯数などを検討する必要があります。

(5)火起こし体験

もっとも原始的な人工エネルギーの利用法としては、火起こしがあげられます。すでに前期旧石器時代の北京原人に利用の痕跡が見られており、食材に火を通したり、暖を取ったり、他の動物から身を守るため、また遠くから仲間の存在を確認するためなど生活の利便性向上のために利用されてきました。その後、火を絶やさないように木々をくべたり、狩りで得た動物の脂を燃料とするようになります。さらに、焼き物の製作や鉱物から金属を取り出すなど、火の活用が広がっていきました。人類は、火を手に入れたことで文明が発展していったといえます。
火起こし体験の詳細については、情報源情報に書籍を何冊か紹介してあります。

二酸化炭素による温室効果の実験

地球の温暖化と、人間活動起源の二酸化炭素排出

化石燃料の使用による二酸化炭素の排出とそれによる地球温暖化との関連については、地球大気の複雑なバランスの問題でもあるため、必ずしも科学的なメカニズムが完全に解明されているわけではありません。しかし、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの効果は実際に観測されており、また人間活動の増大によって大気中に大量の二酸化炭素やその他温室効果ガスを放出していることも事実です。二酸化炭素による温室効果は、地球の温暖な気候の形成にも寄与しています。
以下の簡単な実験によって、二酸化炭素の温室効果を確かめることができます。これは、大気環境の理解へとつながることが期待できます。

二酸化炭素の温室効果測定の実験【囲み】

実験材料
器具
ペットボトル、温度計、二酸化炭素、(恒温器 70℃〜常温まで調整できるもの)
実験方法
ペットボトルを2本用意し、それぞれに空気、二酸化炭素を封入し、60℃の恒温状態に保ったのち、常温に取り出し放冷しながら、温度変化を計測する。二酸化炭素を封入したペットボトルが温室効果を示すため、空気を封入したペットボトルよりも温度低下が抑えられることを確認する。
解説
地球に降り注ぐ太陽エネルギー(太陽放射)は、大気中の粒子や大地によって一部が反射し、残りが大気と地表面に吸収される。太陽放射を吸収した大気や地表面は、温度に応じて波長の長い赤外線のかたちでエネルギー放出する。これを地球放射という。
大気による放射エネルギーの吸収は、構成気体の吸収波長に依存するため複雑だが、全体的には、大気は太陽放射に対してほぼ透明(吸収しない)であり、地球放射に対しては不透明(強く吸収)といえる。このため地表面は、太陽放射による加熱に加えて、地表面からの赤外放射を吸収した大気の下方放射によってさらに加熱される。この現象は、園芸や農業に用いられる温室がガラス外壁の赤外線吸収によって保温効果を示す性質と似ているため、大気の温室効果と呼ばれている。ただし、温室はガラス外壁による地表からの熱吸収の効果に加えて、外壁の覆いが外気との対流を抑制するために内外の気温差が著しく大きくなることも注意を要する。
この実験では、単に覆いの有無がもたらす温度差の比較というだけでなく、気体成分の違い(空気と二酸化炭素)による効果を調べることで、地球温暖化問題の原因物質といわれる二酸化炭素の温室効果について理解することを目的としている。ペットボトルは、極めて薄く均質な容壁を持ち、赤外線をほとんど吸収しないという素材特性を持つため、中に封入した気体成分の違いによる温度変化の差に与える影響という意味で、ガラス容器よりも実験器具として適している。

関連情報

火起こし体験

「火の道具」高嶋幸男、柏書房

古代以来の火を起こす道具である発火具についてわが国で出土したものの復元実験的研究を記録しています。道具使用行為である以上、道具(大きさや細工)とその使い方に法則的なものが存在しないはずがないと考え、実用的な発火具であるための条件を研究し、その結果を詳細に記録しています。

「身近な不思議を科学する  理科ひらめき実験工房」(ガリレオ工房/滝川洋二 ・古田豊編、国土社)

「火を起こしてみよう」(p.168〜)に、もみぎり式発火法、ひもぎり式発火法、ゆみぎり式発火法、まいぎり式発火法、火打ち式発火法、圧縮式発火法、元日本軍のジャングルでの発火法が紹介されています。主に学校の授業で使うことを目的として、再現方法や諸注意をマニュアル化しています。

「原始時代の火」岩城正夫、新生出版

原始の時代に行われた摩擦式発火法や火打ち式発火法を復元して実験し、その体験から昔の発火法について推測しています。

「火をつくる −発火具の変遷−」小口正七、裳華房 ポピュラーサイエンス

昔から日常生活で使われてきたさまざまな発火技術の歴史的発展について、主に化学技術の視点から解説しています。

自然エネルギーの利用

パワー社のサイエンス ・シリーズなど、解説本やマニュアル本が各種発行されています。

温室効果実験

  1. 愛知県立碧南工業高等学校ホームページ
    http://www.hekinan-th.aichi-c.ed.jp/
  2. 「理科の教育」99年9月号 連載講座191.ペットボトルを利用した簡単な温室効果実験(川村康文)
  3. 「ワクワク実験気象学 地球大気環境入門」Sorbjan,Z.著、高橋庸哉 ・坪田幸政共訳、丸善、2000年
    実験4.9が、温室効果に関する実験として紹介されています。
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