一般財団法人環境イノベーション情報機構
このゆびとまれ!エコキッズ

でんちのはなし

目的

  • 気づき:電池には、稀少資源が使われており、中には有害物質を含むものがあることに気づく
  • 知識:資源の有限性と、有害物質の適切な管理について知る
  • 行動:電池の使用後の処理に配慮する

背景

あふれかえる電池

今日、電池を使わずに生活することは難しい状況になっているといえるでしょう。子どものおもちゃやゲーム機から、時計や携帯電話、自動車など、生活を支える身近なものの多くに電池が使われています。また、目に付く以外のところでも電池は、さまざまな場所や用途で現在の技術文明を支えています。
一度放電を終えると寿命が尽きる乾電池(一次電池)は、携帯用の電気製品などに使われるようになり、平成11年度の国内流通量は約27億5千万個、重量では約7万7千トンに達しています。一方、充電して繰り返し使える二次電池は、小型電池が約2億9千万個(重量で約7千万トン)流通しており、乾電池と併用したり各種充電式電気製品に組み込まれています。自動車などのバッテリーに使われている大型の二次電池(蓄電池)は、約2700万台(重量で27万3千トン)が廃棄 ・交換されています。。

電池と稀少資源

電池には、亜鉛やマンガン、ニッケル、カドミウムなどの稀少資源が含まれています。これらの資源のうち、ニッカド電池のニッケル、カドミウムは特殊な加熱方法により再生されていますが、乾電池中の亜鉛やマンガンなどは現在の技術では再生するために大量のエネルギーを要することとなり、再資源化のための技術開発を進めている状況にあります。また、カドミウムの再資源化にしても、ニッカド電池への再生には98%以上の高純度を必要とするため、他の乾電池が混ざると再生カドミウムの純度が落ちて電池から電池への再生は不可能となってしまいます。

電池の中の有害物質

電池には水銀やカドミウムなど廃棄によって環境中に放出されると有害な成分を含むものもあります。水銀に関しては、国内産の電池に関しては現在は無水銀化されているものの、外国産のものなど一部には水銀を含むものもあります。一方、カドミウムに関しては、顔料やメッキなどの用途にも使われますが、電池への使用量が圧倒的です。ニッカド電池は、1993年に「再生資源使用促進法」の第2種指定製品とされ、リサイクルマークの表示と回収が義務づけられていることに加えて、回収拠点の拡充などリサイクルルートの整備も徐々に進んできています。

視点

電池に関しては、さまざまな学習を想定できます。例えば、化学で習う電気を発生する仕組みについて学習したり、形や用途、種類の違うさまざまな電池に共通する性質について考察したり、また電卓などに使われる太陽電池が同じ「電池」でも普通に電池と呼ばれるものとは異なる原理を持つことなど。環境教育 ・環境学習として扱う際には、電池のメカニズムやそれを支える自然法則についての学習だけでなく、電池の使用がもたらす人間活動の変化や、それによる環境への影響といった視点で捉えることが重要といえます。

電池に関わる2つの問題

本項では、特に電池の管理や使用後の処理について扱っています。電池に使われている重金属の資源としての有限性とその適切な利用について、また一部に使われている毒性の高い危険物質についてはその適切な管理の仕方が問われます。大量に使われるようになった現代社会における資源の有効かつ適切な利用について、電池を通して考えていくことが目的となります。

資源の有効な利用を考える

電池には使い方によって、効率性に差が生じます。同じ条件の電池を使う(新品でも製造ロットの違いによって条件が異なる場合もある)ことや、ニッカド電池やニッケル水素蓄電池などでみられるメモリー効果を起こさないような充電の仕方など、適切な使用が電池の性能を引き出すことにつながります。電池の廃棄に際しての配慮も大事ですが、廃棄以前に適切な利用による無駄のない活用という視点も大事にする必要があるといえます。

水銀とカドミウムにみる、有害物質の管理のあり方

有害物質の管理の仕方について、水銀とカドミウムの例は2つの方向性を示す典型的な事例といえます。ひとつは、水銀の例のように、「使わない」ことで危険を回避する方法。厳格な管理の下で使用を継続するよりも代替品の開発 ・実用化の方が容易である場合に選択されやすい方法といえます。オゾン層破壊の原因物質であるフロン(フルオロカーボン類)の使用制限と代替物質の開発 ・実用化などもこうした方法が選択されている実例のひとつといえます。
一方、カドミウムの場合は、リサイクルの徹底など適切な管理を行うことで危険回避をしようというものといえるでしょう。他の物質で代替することが困難かつ、比較的管理しやすい状況が確保できる場合には、資源効率性を向上することで使用量を減らしたり、回収ルートを整備することなどによって、使用に伴うリスクが十分に下げられていると社会的に認められる場合に取り得る方法といえます。

発展

電池で動く家庭の電気製品

家の中で使っている電気製品のうち電池で動くものを調べてみることで、日々の生活の中にどれだけ電池が浸透しているかを実感することが期待されます。どういう目的(主電源、補助電源、バックアップ用など)で、どのようなタイプの電池がどれくらい使われているか。これらの電池がわれわれの生活にもたらした恩恵と、その反面として環境に与える影響について考察し、人間と環境との関わり方の現状や歴史と文化、また望ましいと思うあり方について考えることが、環境教育 ・環境学習の視点としては重要といえます。

電池の発展の歴史と、人間活動における電池の果たしてきた役割の変遷

電池が発明されて、われわれの生活はどのような発展を果たした(どのような変化が起きた)でしょうか。また電池や関連機器等の発展とそれに伴う使用の変化は、われわれの生活の中で電池が占める役割をどのように変えたでしょう。こうした変化は、人間活動が環境に及ぼす影響をどのように変化していったといえるでしょうか。
現在、発電所の設置と送電線網の整備によって、日々の生活に電気の使用が浸透しています。都市で生活しているわれわれにとって、電気がなくては生きていけないような状況になっているといえます。災害 ・事故時の停電によって都市機能が麻痺する状況はよくみられます。ところが、初めて電気を取り出せるようになった当時の供給源は、18世紀末に発明された電池でした。
簡単な材料や仕組みによって電池づくりの体験を通して、電池の仕組みの理解と併せて、電池の発明やその後の発展が引き起こした人間と環境との関わり方の変化について考えるような展開が望まれます。
簡単な電池のつくり方については、化学の教科書や科学実験集等を参考にして下さい。

水銀の行方〜蛍光管の場合〜

電池の無水銀化が実現した今日、日常で使用するものの中で水銀が多く使われるものとして、蛍光管があげられます。1本ずつの使用量は約10mgと微量ですが、年間廃棄量は全国で約3億3千万本にもなり、不適切な投棄は環境への負荷を蓄積することになります。しかし処理費が高く、多くの自治体では他のごみといっしょに焼却や埋立処分されているのが現状です。
蛍光管に使われる水銀の量自体は過去に比べて大幅に減っています。破損による水銀の飛散があったとしても大気中濃度は世界保健機関(WHO)のガイドラインを大きく下回るとされています。厚生省も、焼却や埋立について問題は認められないとしています。
一方、蛍光管は電球に比べると、熱として逃げるエネルギーが少ないため、同じ明るさを得るのに必要な消費電力が少なく、また寿命も一般に電球よりも長くなっています。このため、省エネルギーの観点からは、電球よりも蛍光管を使う方が望ましいともいわれます。

関連情報

社団法人  電池工業会
〒105-0011  東京都港区芝公園3-5-8  機械振興会館5階
TEL: 03-3434-0261
FAX: 03-3434-2691

電池に関しては、各メーカーが積極的に詳しい情報(原理や種類、歴史など)を発信、提供している
社団法人 日本電球工業会
〒100−0006  千代田区有楽町1−7−1  有楽町電気ビル北館12階
TEL: 03-3201-2641
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