一般財団法人環境イノベーション情報機構
固体高分子形燃料電池における水分輸送の計測評価・制御の最新技術
【募集期間】| 2015.02.26〜2015.03.04 日 時:2015年3月5日(木) 13:00〜16:30
会 場:中央大学駿河台記念館 3F 310号室
(東京都千代田区神田駿河台3-11-5)
受講料:43,200円(税込) →STbook会員価格:41,000円
講 師:西田 耕介 氏
京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科
准教授
2014年度の燃料電池自動車の市販開始に向けて、燃料電池システムやその要素技術の開発は目覚ましい進展を遂げてきた。しかしながら、固体高分子形燃料電池(PEFC)の本格的普及のためには、現在商品化が進められているレベルよりも格段の性能向上、長寿命化及び低コスト化が求められており、そのための基礎・基盤的な研究開発は継続して推進する必要がある。中でも、電池内部の水分管理の問題(フラッディング、プラッギング、ドライアウト)は十分に解決されているとは言えず、水分挙動を解明するための解析評価手法の確立や、電池性能を最大限引き出すための水分制御技術の開発は不可欠である。本セミナーでは、運転状態PEFCの電極・電解質膜内で実際に生じている物質輸送現象(水分・酸素など)を分かりやすく解説し、電池内水分の計測評価手法や輸送制御技術について紹介する。セミナーを通じて、燃料電池高効率化、高耐久化のボトルネックとなっている技術課題を関係者の皆様と共有し、課題解決の一助になれば幸いである。
1.固体高分子形燃料電池(PEFC)の概論
1-1 燃料電池の動作原理
1-2 燃料電池の種類と特徴
1-3 燃料電池の熱力学(理論起電力と過電圧)
1-4 PEFCの基本構成と膜電極接合体(MEA)
1-5 MEA(ガス拡散層(GDL)・触媒層・電解質膜)内の物質輸送現象
1-6 PEFC内の水分管理の問題
1-7 PEFCの発電特性と損失要因
2.多孔質電極(GDL・触媒層)内におけるフラッディング現象とその対策
2-1 GDL・触媒層内の水分輸送現象とフラッディングの発生メカニズム
2-2 フラッディングが電池性能に及ぼす影響
2-3 解析評価手法(光学的手法、中性子ラジオグラフィー、X線CTによる液水挙動の可視化)
2-4 フラッディング抑制のための対策
3.セパレータ流路内におけるプラッギング(水詰まり)現象とその対策
3-1 セパレータ流路内の気液二相流挙動とプラッギングの発生メカニズム
3-2 プラッギングが電池性能に及ぼす影響
3-3 解析評価手法(差圧測定、断面可視化手法による液水輸送現象の評価)
3-4 プラッギング抑制のための対策
4.高分子電解質膜内におけるドライアウト現象とその対策
4-1 電解質膜内の水分輸送現象とドライアウトの発生メカニズム
4-2 ドライアウトが電池性能に及ぼす影響
4-3 交流インピーダンス測定と電解質膜内の含水率の予測
4-4 解析評価手法(核磁気共鳴画像法(MRI)、ガスクロマトグラフィー(GC)、半導体レーザ吸収分光法(TDLAS)、乾燥度試験紙を用いたin-situ水分布測定)
4-5 ドライアウト抑制のための対策
5.まとめ
【登録日】2015.02.26