一般財団法人環境イノベーション情報機構
サーマルマネージメントが予測するデータセンターの未来
ライブ配信/アーカイブ配信(2週間、何度でもご視聴可)
【講師】
山口東京理科大学
工学部 機械工学科 教授
結城 和久(ゆうき かずひさ) 氏
【重点講義内容】
現在、世界は深刻なエネルギー危機と環境問題に直面しています。特に急成長を見せる高度情報化社会により、世界のAIデータセンターの電力需要は2024年水準から倍増、日本の総電力消費量を超える勢いです。今後、豊かな高度情報化社会とカーボンニュートラルを両立するには、安価で安定した電力供給源の確保はもとより、データセンターの省エネ化が最重要課題となります。このような背景のもと、冷却に伴う電力投入を大幅に削減可能で、かつ高い冷却性能を得ることが可能な二相液浸冷却技術が注目を集めています。
本講演では、冷却性能を評価基準としたデータセンターの効率的な冷却技術(空冷/液冷/液浸技術)について議論し、特に液浸冷却技術が持つポテンシャルや技術課題等について概説します。
1.はじめに(AIデータセンターの冷却問題)
2.空冷/水冷/浸漬冷却の性能差から見える今後のデータセンター冷却
3.二相液浸冷却の動向と今後の課題
(1)二相液浸冷却技術の原理と最新技術の性能
(2)二相液浸技術の導入例
4.おわりに(カーボンニュートラルを目指して)
5.日本液浸コンソーシアムのご紹介
6.質疑応答
【講師プロフィール】
結城 和久(ゆうき かずひさ) 氏
1998年 九州大学大学院総合理工学研究科・博士後期課程を修了後、東北大学大学院工学研究科にて11年勤務。
2009年から現在まで山口東京理科大学工学部に在職。主として高発熱密度電子機器の冷却研究に従事。
特に車載用インバータやデータセンターの冷却、電子機器の実装技術に関わる様々な熱抵抗軽減技術について研究。
現在、
・日本液浸コンソーシアム・代表理事
・日本機械学会分科会RC301『日本の電子実装産業の復活を目指す電子実装の信頼性と熱制御に関する研究分科会』委員
・日本機械学会熱工学コンファレンス「電子機器・デバイスのサーマルマネジメント」代表オーガナイザー
・PCTFE (Pacific Center of Thermal-Fluids Engineering) Vice-President
・日本伝熱学会中国四国支部・支部長
・中四国熱科学工学研究会・理事長
【登録日】2025.09.10