一般財団法人環境イノベーション情報機構
最近のLNGバリューチェーンの動向と今後のLNGグローバルビジネスの展開
大阪ガス株式会社 資源・海外事業部 エクゼクティブ リサーチャー
宮本 彰(みやもと あきら) 氏
2017年には、中国での天然ガス消費量の急増をはじめ、韓国、台湾では反原子力政策への転換などにより、アジアの主要輸入国のLNG需要は大幅に増加した。さらに今後、南アジアなど新興輸入国において著しい需要の増加が見込まれる。一方、供給側では米国や豪州での大型プロジェクトからの輸出が開始され、国際LNG市場の需給には大きな変化がみられる。また、ポートフォリオ・サプライヤーやトレーダー等がビジネスを拡大し、LNG取引面での変化も著しい。
本講義では、需給緩和が予想される最近の国際LNG市場におけるアジア主要輸入国の需要と価格動向に着目し、2020年代半ば頃までの中長期的なLNGビジネス環境の見通しを解説する。
1.供給過剰が予想される世界のLNG需給
(1)2017年の国際LNG市場の振り返り
中国での急増、アジア諸国での堅調な需要増加
(2)アジア主要消費国/地域の動向と見通し
日本 原子力再稼働、新エネルギー基本計画
中国 大気汚染対策強化の影響と今後の展開
韓国/台湾 反原子力政策への転換とLNG需要
南アジア(インド、パキスタン、バングラデッシュ)の動向
(3)中長期的な需給見通しとそのポイント
需給緩和はいつまで続くのか?需給緩和後の課題など
2.流動化するグローバルLNG市場と急速に変化するビジネス環境
(1)最近のLNG取引の傾向と国際LNG市場流動化
(2)鍵を握るポートフォリオ・プレーヤー、トレーダーの動向と
そのビジネス戦略の方向
3.LNG価格見通し
(1)アジアのLNG価格動向
世界の主な天然ガス価格とLNG価格のトレンド
(2)日本のLNG価格見通し
中期的なJLC価格の見通しとトレンド
SPOT価格とJLC価格をどうみるか?
4.増加する米国LNG:日本の輸入への影響
(1)第二世代プロジェクト動向と課題
(2)日本のLNG輸入への影響
JLC価格への影響分析と調達戦略上のUSLNG
5.日本の電力・ガス市場自由化の影響とハブ構想の行方
(1)市場自由化動向とLNG調達への影響
(2)ハブ構想議論の行方
終了後、意見交換、名刺交換いたします
◇対象 調達・輸送・製造・供給・経営企画・マーケティング・トレーディング・調査・営業等の担当者
【登録日】2018.05.07