一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州排出量取引制度(EU ETS)を徹底的に解説
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【講師】
京都大学大学院 地球環境学堂・経済学研究科 教授
諸富 徹(もろとみ とおる) 氏
【重点講義内容】
日本では、GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ構想が経産省によって進められている。これは自主参加型で、目標も自主設定型の排出量取引制度である。しかし、その行方によっては将来的なキャップ&トレード制度への転換も想定されている。本講演では、キャップ&トレード型排出量取引制度のモデルとなっているEU ETSを、最新状況まで含めて徹底的に解説する。
1.排出量取引制度とは何か〜その基本的な仕組み
(1)排出総量コントロールの仕組み
(2)各排出源への排出枠配分の仕組み
(3)取引、罰則を含めた遵守の仕組み
2.EU ETSとは何か〜その制度的概要と背景
(1)欧州気候変動政策とその展開
(2)欧州気候変動政策におけるEU ETSの役割
(3)なぜ炭素税ではなく、排出量取引制度が選ばれたのか
(4)EU ETSの制度骨子
3.EU ETSの実際とその評価
(1)第1期(2005-2007年)の実際とその評価
(2)第2期(2008-2012年)の実際とその評価
(3)第3期(2013-2020年)の実際とその評価
(4)第4期(2021-2030年)の制度改正点
4.その他の論点
(1)オークション収入の使途
(2)市場価格の変動とその安定化政策
(3)国際クレジットの活用
5.日本のカーボンプライシング論議への教訓
6.質疑応答
【講師プロフィール】
諸富 徹(もろとみ とおる) 氏
1998年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、2010年3月より現職。2017年4月より京都大学大学院地球環境学堂教授を併任。環境経済学をベースに、カーボンプライシングや再生可能エネルギー政策、電力市場に関する研究を推進。京都大学大学院経済学研究科「再生可能エネルギー経済学講座」代表も務める。
主著に、『環境税の理論と実際』(有斐閣、2000年)、『脱炭素社会と排出量取引』(日本評論社、共編著、2007年)、『低炭素経済への道』(岩波新書、共著、2010年)、『脱炭素社会とポリシーミックス』(日本評論社、共編著、2010年)、『入門 地域付加価値創造分析』(日本評論社、編著、2019年)、『入門 再生可能エネルギーと電力システム』(日本評論社、編著、2019年)、など。環境省中央環境審議会「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」など、国・自治体の政策形成にも多数参画。
【登録日】2022.06.16