一般財団法人環境イノベーション情報機構
最新のトピック2『国際的な窒素管理に必要な大気環境研究について』
■日時:2025年2月18日(火) 13:30-15:30(13:00〜受付開始)
■開催形式:IIAEセミナー室/オンラインZoom(ハイブリッド開催)
■主催:一般財団法人大気環境総合センター
■テーマ:最新のトピック2『国際的な窒素管理に必要な大気環境研究について』
講師(敬称略):林 健太郎(人間文化研究機構 総合地球環境学研究所教授)https://iiae.or.jp/instructor/8923/
<概要>
窒素は地球大気において最もありふれた物質である。ただし、これは2個の窒素原子が強固に結びついた安定な分子窒素(窒素ガス、N2)である。一方、大気濃度ではごくわずかな反応性窒素(N2を除く窒素化合物の総称、Nr)が大気環境において重要な役割を果たしている。例えば、窒素酸化物(NOX)は亜硝酸や硝酸の前駆物質である。アンモニア(NH3)は酸性物質(硫酸、硝酸、塩酸など)を中和するはたらきをもち、そうやって生成した二次粒子は微小粒子(PM2.5)の一画を占める。酸化物の硝酸が還元物のアンモニアと安定な粒子を形成することも興味深い(両者が化合してN2と水に戻るわけではない)。ここまで述べたNrは大気汚染物質でもある。また、一酸化二窒素(N2O)は対流圏では安定で強力な温室効果ガスであり、成層圏では強い紫外線で分解されてオゾン破壊物質に変貌する。
20世紀はじめにN2からアンモニアを合成する技術を獲得した人類は、地球システムの循環量に匹敵するNrのフローを作り出した。Nrは肥料や工業原料として用いられ、近年では燃料という新しい用途が着目されている。特に世界人口の継続的な増加は窒素肥料の獲得が成し遂げたことである。しかし、窒素利用の大きな便益は、人間社会から環境に大量に排出されるNrがもたらす多様な窒素汚染という大きな脅威を伴う。このトレードオフを「窒素問題」と称する。窒素汚染において大気はきわめて重要である。なぜなら、地球温暖化、成層圏オゾン破壊および大気汚染が生じる場であると共に、汚染物質を素早く地球全体に輸送し、その地表への沈着によって富栄養化や酸性化を起こす媒体だからである。本講演では、窒素問題のあらましとその解決に向けた国内外の活動について紹介し、大気環境の観点から今後必要と考えられる研究テーマについて意見交換を行いたい。
■プログラム:(敬称略)
13:30〜13:35 趣旨説明 太田幸雄(北海道大学名誉教授 IIAE理事)
13:35〜15:15 『国際的な窒素管理に必要な大気環境研究について』 林健太郎(人間文化研究機構総合地球環境学研究所)
15:15〜15:30 総合討論
■申込方法と参加費
◇参加費:一般3,000円(税込・テキスト代含む)
セミナー会員 1,000円(税込・テキスト、動画付)
賛助会員(個人・法人) 無料 (テキスト、動画付)
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ゆうちょ銀行 店名:〇一八(ゼロイチハチ)
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口座名義:ザイ)タイキカンキョウソウゴウセンター
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口座名義:ザイ)タイキカンキョウソウゴウセンター
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◇お申込み:https://iiae.or.jp/seminarlist/seminar/
【登録日】2025.02.06