一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境研究推進費研究紹介第1回 大気シミュレーション
令和4年定期セミナー 『環境研究推進費研究紹介第1回 大気シミュレーション』を下記の日程でオンライン開催をいたしますのでご案内申し上げます。
■日時:2022年11月8日(火) 13:30-15:30(13:00〜受付開始)
■開催形式:Zoomによるオンライン開催
■主催:一般財団法人大気環境総合センター
■テーマ:『環境研究推進費研究紹介第1回 大気シミュレーション』
■講師(敬称略):菅田誠治(国立環境研究所)https://iiae.or.jp/instructor/6042/
茶谷 聡(国立環境研究所)https://iiae.or.jp/instructor/2499/
■プログラム:(敬称略)
13:30〜13:35 環境研究推進費研究紹介 第1回 趣旨説明 若松伸司(愛媛大学名誉教授、IIAE代表理事)
13:35〜14:25 大気汚染シミュレーションの実施簡便化のための支援システムについて 菅田誠治(国立環境研究所)
<概要>
環境基準達成率が全国でほぼゼロである状況が長年続いている光化学オキシダントや、数少ないながらも環境基準未達成局が残っているPM2.5には地域ごとの対策が必要と考えられることから、地域の状況に応じた自治体等によるシミュレーションも含めた対策の検討が必要と思われます。そこで環境研究総合推進費5-1903「大気汚染対策効果評価のためのシミュレーション支援システムの研究開発」では、シミュレーション支援システム(通称APOLLO)を開発するとともに、シミュレーションの精度向上につながる手法やデータの研究や、地域毎の対策効果評価の実例的研究を行うことで、より簡便に数値シミュレーションを活用し、多数の施策オプションの総合的・継続的な検討を可能とすることを目的としました。
これまでに環境研究総合推進費等を通じて得られた大気質モデルに関する知見や排出インベントリ等のデータの蓄積を生かしつつ、ユーザーフレンドリーなインターフェースを介した簡便な選択や指定に基づいて国内外の各種インベントリをモデルレディの排出量データに変換し、また、シミュレーションの計算設定ファイルを自動生成できる支援システムAPOLLOが開発できました。関東を対象とした光化学オキシダントについての対策効果評価の実例的研究では、APOLLOを用いることで業種や物質ごとの詳細な排出削減計算をかなり容易に行うことが出来ました。
本研究ではシミュレーションモデルのインストールという参入障壁は軽減されていませんが、排出量データの削減実験を含めた準備や各種数値設定に関する参入障壁は大きく軽減されました。国や自治体の検討において、系統的かつ一貫した数値検討業務を進めることや対策の効果評価等を地域ごとに行うことが従前より容易になり、環境政策推進に大きく寄与することが期待できます。
講演では、当該推進費の成果のうち、支援システムAPOLLOと関東におけるケーススタディを中心に紹介します。
14:25〜14:30 休憩
14:30〜15:20 対策による大気改善効果を領域化学輸送モデルで評価するために 茶谷 聡(国立環境研究所)
<概要>
オゾンやPM2.5の二次粒子成分など、前駆物質から大気中での光化学反応を経て生成される大気汚染物質の有効な濃度低減策を検討するためには、領域化学輸送モデルが有用である。ただし、モデルにはさまざまな不確実性や課題が残されている。そこで、環境研究推進費の研究課題5-1601では、モデル間相互比較を通し、規範的なモデル設定や入出力データの確立に取り組んだ。また、研究課題5-1903では、モデル実行のための敷居を下げるために、データ変換ツールの構築等を行った。さらに、現在実施中の研究課題5-2105では、これまでの対策によるオゾン濃度低減効果やオゾン感度レジームを検証した上で、将来の対策評価のための手法を確立させることを目指している。対策による大気改善効果を領域化学輸送モデルで評価するために、これらの研究課題で実施した内容について紹介する。
15:20〜15:30 質疑応答
■申込方法と参加費
◇参加費:一般3,000円(テキスト代含む)
セミナー会員 1,000円(テキスト、動画付)
賛助会員 無料 (テキスト、動画付)
◇お申込み:https://iiae.or.jp/seminarlist/seminar/
【登録日】2022.10.25