一般財団法人環境イノベーション情報機構
多層プラスチックフィルム・包装におけるリサイクル技術の最新技術・研究動向と再生材料の利用・課題と展望
第1講 Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用への対応
【12:30-13:45】
講師:住本技術士事務所 技術士(経営工学)・包装管理士 所長 住本 充弘 氏(元大日本印刷(株))
【講演キーワード】
軟包装材料、 Co-Exフィルム、再生再利用、circular economy, circular packaging, ケミカルリサイクル、 メカニカルリサイクル、 熱分解、 ガス化、超臨界、マスバランス、certified resin, 認証取得
【講演のポイント】
1.Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用について、模索が続いているが、自社の包装材料にとって、どの方法が適用できそうかを理解し、再生再利用しやすい包装設計に変更する判断が可能となる。
2.包装製品を欧州に輸出している場合であれば、再生樹脂30%配合の包装仕様をどのように早急に準備するかの対応の仕方が分かる。
3.国内向けの包装食品であれば、どのように再生樹脂を組み込んでいくか、検討出来る。
【講演趣旨】
プラスチック包装は、今まで軽量化、バイオ由来の樹脂使用など行ってきたが、今後は活動の中心が使用済みの包材を回収し原料として再生再利用する方向に進む。Circular Economy実施の中で包装材料もCircular Packaging対応が必要となっている。プラスチックの多層包材は再生再利用の面でどのようにするか模索が続いているが、メカニカルリサイクル、ケミカルリサイクルで処理され再生再利用となるだろう。まだ技術開発途上であるが、欧米では、再生材料30%以上使用の動きもあり、英国では2022年4月より実施である。現在の技術の延長線上での可能性を国内外の事例で検証し、長短を理解して今後の対応に活かせるよう説明する。
【講演プログラム】
1.世界の包装の動き
1-1 大きな流れ
1-2 EUの規制の動き
1-3 FachPack 2021に見る注目すべき包装
2.ケミカルリサイクルの主な動き
2-1 熱分解方式
2-2 超臨界技術方式
2-3 ガス化方式
2-4 電磁波方式
2-5 醗酵技術方式
3.ケミカルリサイクルの海外事例
3-1 Tescoの対応
3-2 熱分解方式の事例
3-3 超臨界技術方式の事例
3-4 電磁波方式の事例
3-5 醗酵方式の事例
4.国内でのCo-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用の模索
4-1 熱分解方式の場合
4-2 超臨界方式の場合
4-3 ガス化方式の場合
5. Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用の課題
5-1 分別排出及び回収方法
5-2 再生再利用の施設の整備
5-3 包装食品の輸出の障壁
6.マスバランス方式及び認証の取り方
6-1 マスバランスの事例
6-2 認証取得 certified resinsが必要
7.まとめ
【質疑応答】
第2講 亜臨界・超臨界流体を用いるプラスチックのリサイクル技術と多層フィルムへの応用
【14:00-15:00】
講師: 静岡大学 工学部 化学バイオ工学科 准教授 岡島 いづみ 氏
【講演キーワード】
プラスチックリサイクル、多層フィルムリサイクル、亜臨界・超臨界流体
【講演のポイント】
プラスチックのケミカルリサイクル技術の一つとして亜臨界・超臨界流体を用いるメリット及びデメリット等について触れながら解説する予定。
【講座主旨】
プラスチックのケミカルリサイクルには様々な手法がありますが、ここではグリーン溶媒として注目されている亜臨界・超臨界流体を反応溶媒としたプラスチックのリサイクル技術について解説します。初めに亜臨界・超臨界流体の基本に触れ、その上で亜臨界・超臨界流体を溶媒として用いたプラスチックやプラスチック複合材料のリサイクル技術、そして多層フィルムのリサイクルへの展開について紹介します。
【講演プログラム】
1.亜臨界・超臨界流体とは?
2.亜臨界・超臨界流体によるプラスチックのリサイクル
3.亜臨界水による多層フィルムのリサイクル
【質疑応答】
第3講 多層プラスチックフィルムの液相ハイブリッドリサイクル技術の開発
【15:15-16:30】
講師: 東北大学 環境保全センター 大学院工学研究科 化学工学専攻 教授 渡邉 賢 氏
【講演キーワード】
1. 液相反応
2. ハイブリッドリサイクル
3. 連続プロセス
【講演趣旨】
水熱条件など水の液相を用いた多層フィルムのリサイクル手法の開発を進めている。この方法論によれば、プラスチックの種類に応じて、マテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクルを可能とする条件設定が可能となり、それらを両立させることもできる(ハイブリッドリサイクルと呼称)。この可能性を探るべく、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類それぞれの液相反応に関する研究を行うとともに、多層フィルムを対象とした研究も行なった。さらにはこの方法論を適用した連続プロセスについても検討を進めている。
【講演プログラム】
1. 液相反応
2. プラスチックの反応性1:付加重合系
2.1 ポリオレフィン
2.2 塩化ビニル
3. プラスチックの反応性2:脱水縮合系
3.1 ポリエステル
3.2 ポリアミド
4. 混合物の反応:プラスチックの反応性の観点から
5. 連続プロセス
5-1 スラリープロセス
5-2 押出機プロセス
6.まとめ
【質疑応答】
【登録日】2021.11.26