一般財団法人環境イノベーション情報機構
対馬市島おこし実践塾
【募集期間】| 2012.06.29〜2012.07.16 対馬市では、地域おこしへの理解促進と地域おこしの担い手育成のため、学生等を対象とした合宿形式の「島おこし実践塾」を次の通り開催します。離島振興や地域振興に感心を持ち、現場で自ら学び取る熱意のある方のご応募をお待ちしております。
◎ 塾のキーワード
限界集落、地域再生、持続可能性、生物多様性保全、古民家再生、農地再生、移住、ツーリズム、人材力活性化(地域おこし協力隊等)、企業のCSR・CSV、域学連携、社会的企業、ツシマヤマネコ
1.実施日程: 平成24年8月31日(金)〜 9月4日(火)
2.募集定員:30名
3.募集対象:
専門学校生・大学生・大学院生・社会人等で、将来、自然や文化が色濃く残る地域社会への移住・自然環境保全や地域振興など、社会貢献度が高く使命感に溢れる仕事を希望する方、社会的起業(ソーシャル・ビジネスやコミュニティ・ビジネス)に関心のある方を対象とします。
4.必要経費:
受講費 無料(合宿テキスト費含む)
交通費 対馬までは 自己負担。対馬島内は主催者負担
滞在費 主催者負担を予定(飲食費は1食500円程度の自己負担)
※宿泊は民家へのホームステイを予定
保険料 主催者負担 ※国内旅行総合保険に加入します
その他 プログラム上、経費が必要になる場合は別途相談します。
5.応募規定:
応募期間 6月29日(金)〜7月17日(火)(郵送の場合必着)
応募方法 別紙申込書に記入の上、メール・ファックス・郵便いずれかの方法で以下の宛先までご応募下さい。応募多数の場合は選考の上、7月20日(金)までに応募者全員に選考結果を連絡します。連絡は、記載されたメールアドレスか本人への直接電話のみとさせていただきます
単位取得のための実習(インターン等)も可としますが、その旨をお知らせください。
※塾の実施要項や申込書は、http://www.city.tsushima.nagasaki.jp/web/tsushimanews/post_346.html をご覧ください。
【申込・問い合わせ先】
〒817−8510 長崎県対馬市厳原町国分1441番地
対馬市役所 地域再生推進本部(担当:前田) 宛
Tel: 0920-53-6111 FAX:0920-53-6112
電子メール:t-maeda@city.nagasaki-tsushima.lg.jp
6.主な講義内容(予定)
実践塾では、対馬市上県町志多留集落を活動フィールドとします。志多留地区は、人口70名で、伝統的な村落景観とツシマヤマネコ(絶滅危惧IA類)を頂点とする豊かな里地里山の生態系を今に留め(※志多留地区はツシマヤマネコの生息密度が島内で最も高いエリアの1つです)、山と里と海の暮らしが一体となった農山漁村集落です。しかしながら、人口減少によって限界集落化し、コミュニティや貴重な生態系の維持が困難になっています。
現在、生態学者である「対馬市島おこし協働隊」生物多様性保全担当の木村幹子隊員が志多留に移り住み、「伝統の知恵と最新の技術が融合した持続可能な集落づくりと『学び』のある体験型滞在型の観光モデルの構築」を目標に、住民等と協働しながら地域おこしに取り組んでいます。様々な課題に立ち向かい、まさにこれから乗り越えようとする途上にあり、地域内の人材のみならず、数多くの外部人材の理解・協力が必要不可欠となります。大学研究機関や企業CSR、外部専門家との連携を構築し実践しつつありますが、さらに、大学生等、数多くの参画が求められます。皆さまも、「将来的な先進事例の見学者」ではなく、「先進事例を創り上げる1人の主体・当事者」として実践塾を通じてこの地域おこし活動にご参画ください。
(1)グループワーク「地域再生のプランニング」
志多留地区を活性化させるためのプランを、グループに分かれて作成し、最終日に発表・提案します。
(2)古民家再生と活用
移住交流の促進にあたり、空き家活用策の検討は過疎に悩む地域の共通テーマとなっています。塾の活動フィールドにおいても多数の空き家が存在し、その中には築100年を超える古民家があります。そうした建築資源を題材に、伝統的な農家住宅の構造や風土を活かす知恵を学び、古民家の魅力と活用の可能性を掘り起こします。また、地域おこしを担う移住者の受け入れを進めるために、地域住民と共に清掃・補修等の再生作業を実践し、多くの資金をかけずに多主体協働で取り組む地域おこしのノウハウを学びます。
(3)農地再生と活用
農業人口の減少や農家の高齢化により耕作放棄地が拡大し、ツシマヤマネコをはじめとする里地里山の生物の生息環境は劣化が進んでいます。また、近年では放棄地を生息環境とするイノシシ等が増加し、地域力の低下に拍車をかけています。農地の維持・再生は、食糧生産のみならず、生物多様性や農村風景の保全、地域活性化のためには大変重要な課題です。塾では、昔ながらの灌漑様式を残している志多留地区の放棄水田を対象として、農地が育む生態系の構造とその重要性を学ぶとともに、農地の再生作業(ビオトープづくり)を通じ、持続可能な農業振興を考えます。
(4)地域との連携
地域おこしを進めるにあたっては、住民、行政、NPO、専門家等の主体がそれぞれの役割を意識しながら協働していく必要があります。実践塾では、各主体との交流・協働作業を通じ、地域おこしを担うコーディネーターとしての実務感覚、ノウハウを身に付けることに努めます。
(5) 講義(予定)
■地域社会の現状と活性化戦略(総務省地域おこし協力隊の説明含む)
■ツシマヤマネコ保全の全体像
■生物多様性保全と持続可能な社会づくり
■食とツーリズムによる地域おこし
■地域の魅力発見と発信:デザインの力
■限界集落を救った移住促進の仕組みづくり
■自然エネルギーや物質循環を取り入れた住宅づくりと古民家再生技術
■里地環境の再生技術 等
(※講義内容は一部変更することがあります)
【主任講師】
◎養父信夫 (株)マインドシェア『九州のムラへ行こう』編集長
九州大学法学部卒。リクルート等を経て、現職。九州のグリーンツーリズムネットワーク組織「九州のムラたび応援団」団長、総務省地域力創造アドバイザー(H20年度霧島市)、総務省外部専門家(H23年度瀬戸内町、H24年度対馬市)等を兼務し、九州各地でツーリズム・移住交流と食をキーワードとした地域活性化をプロデュースする。50歳。
福岡県宗像郡大島村(現宗像市)出身
◎木村幹子 対馬市島おこし協力隊生物多様性保全担当
博士(環境科学、北海道大学)。東北大学大学院生態適応グローバルCOEフェローを経て、2011年6月より現職。限界集落である対馬市上県町志多留集落をモデルに、自然共生・資源循環・古民家及び農地再生・移住交流をキーワードに持続可能な集落づくりに取り組む。32歳。
青森県青森市出身
◎前田剛 対馬市島おこし協力隊事務局
2005年6月に環境省対馬自然保護官事務所(対馬野生生物保護センター)アクティブ・レンジャーとして対馬に移住。人材力の活性化をキーワードに、ツシマヤマネコ(絶滅危惧TA類)と人が共生し、安心して暮らせる地域社会づくりに取り組む。2009年10月に対馬市に入庁。33歳。
長崎県雲仙市出身
【登録日】2012.06.29